〈第2期:59報〉スウェーデン菓子店の不定期報「岩手でした ⑦」@ 23年9月29日(金)

先週末、岩手県を訪れていたハナシの続き。

もっと、梅酒のようにさらりと岩手編を書き終えるつもりだったのに7回目まで来てしまいました。もうさすがにおしまいにする。おしまいにしたい。

2月に自分が《ふるさとワーキングホリデー》というプロジェクトの参加者として訪れた岩手県八幡平市の再訪、三日目のこと(後編)。

自然ガイドとしての活動もされているアベさんの提案で、この日は青森県の八戸へ行くことになりました。高速を使って、おおよそ1時間前後といったところでしょうか。

出発する前のゴタゴタもありましたが(昨日のnote参照)、どうにか帰りの新幹線も確保できたことですし、待ち合わせとなっていた松尾八幡平インターチェンジの入り口に向かいます。

無事にアベさんと合流し、それぞれの車で八戸へ。オススメの南部せんべい屋さんがあるということで、アベさんの車の後をついていきます。

高速を降りてしばらく。車は何もない普通の住宅街のなかに入っていくと、こじんまりとした建物の前で停まりました。

建物の外見はフツウの一軒家のよう。しかしよく見ると、たしかに南部せんべいを焼いている場所のようで、南部せんべいに関連した貼り紙などが見られるものの、パッと見では南部せんべいを焼いている場所には見えません(失礼)。

導かれるまま建物のなかに入ってみると、ピザ窯のような炉に取り付けられた鋳型を操るおばさんが一人。コツコツと南部せんべいを焼いていました。

雰囲気がわかる写真と共に紹介されている記事がありましたので、参考までに。観光バスなどは来ないような、本当にのんびりした場所です。

自分が抱いていた南部せんべいのイメージを覆す、窯から出たばかりの焼き立ての南部せんべいは、まるでクレープのよう。南部せんべいは堅いものですが、焼き立てのものは小麦粉ならではのパンのような柔らかさを伴い、トッピングを挟んで店内で食べることができました。

八戸について何も下調べをせず、行き先をアベさんに委ねてたどり着いた南部せんべい屋さん。計画を持って「ここに行くぞ」という姿勢で臨むのではなく、偶然の出会いや出来事を楽しむことが自分にとっての旅として大事なことなのです。

そういう人間だから新幹線の予約をミスるんですけど。実際は下調べするのが面倒なだけ。

そして、八戸に来た大きな目的が海の幸を食べること。アベさんからは《八食センター》という場所を勧められました。

アベさんには八戸での別の目的があるので、ここからアベさんとは別行動。自分たちだけで勧められた八食センターへ向かいます。

が。連休の最終日ということもあってか、八食センターの駐車場は激コミ。車を停める場所が見つからないし、ほかに何台もの車が同じように駐車場を探してぐるぐるしていました。

ここで一行が出したのは「あきらめよう」という結論となり、「港っぽいところに行けば何か食べるところあるんじゃない?」なんて雰囲気になりました。

しかしこの日は祝日ということもあってか、港らしい場所に近づいてもうまく海鮮を食べられるような店を見つけ出せず。結局、あんまりイケてない店で唐揚げ定食を食べたりと、少々の悔しさが残りました。

でも、この悔しさが旅には大事だったりします。悔しさがあれば「今度こそ」という気持ちで、また同じ土地を訪れるモチベーションに繋がるのです…という言い訳。でも自分がスウェーデンに今のような縁ができたのは、スウェーデンを最初に訪れたときに悔しさを置いてきたからだと思っています。

その後、再びアベさんと葦毛崎展望台という場所で合流しましたが、自分たちには盛岡からの新幹線の時間があったため、そこでそのままお別れとなりました。お世話になりました。

振り返れば三日目はもうちょっと時間に余裕があればよかったかなとも思いますが、きちんと思い出に残る日になりました。

自分は観光ガイドに載っている観光地を訪れても何も思い出に残らないような人間ですが、この三日間はきちんとこの先の人生に付けるスパイスになる日だったと思っています。

小学生のマディッケンにとっても、何か得られるものがあったらいいのですけれども。まだ1歳のエーミル氏は、何も覚えていないだろうな。

9月いっぱいまで続けるとしていたnoteも、気が付けば明日で最後です。じつは一日だけ書き忘れた日があったけれども、やりきったー。

最後にお知らせです。

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