中日ドラゴンズが戦力外4選手を補充した意図は何処にあるのか



ドラゴンズはまず補強でなく補充した。彼らがチームを変える可能性はほぼ0だ。だが悪くはない判断といえる

上林獲得の意図

これは主に代打要員。代打成績は2022年7打数4安打、2023年10打数0安打。2018年頃の実力に戻ればスタメンだが、戻る可能性は低い。鵜飼やブライトや溝脇の代打成績が悪く、川越の故障から後藤と加藤が代打の1番手だった選手層の問題を解決しようとしている。悪くはない

ブライトの良さは代打で活きない

中島獲得の意図

これも主に代打要員。代打成績は2022年37打数9安打、2023年4打数0安打。彼等の加入で立場が怪しくなるのは高橋周平と川越。加藤と後藤は代走要員と外野守備要員の本職に戻るだけ

山本獲得の意図

これは単純に内野のバックアップだった溝脇の上位互換なので取っただけ。レギュラー候補ではなく二遊間のバックアップメンバーとして1年1軍で帯同する役割以上の獲得ではない

山本と溝脇の通算成績を比較

山本は通算成績を見れば明らかなように溝脇を10%底上げしたような選手。1年を通じてスタメンを争うレベルの選手ではない。だが龍空を2軍に送って打撃を改善させることや石垣への刺激材にはなる。悪くはない

板山獲得の意図

福田と堂上の引退で2軍の一塁と三塁を守る選手が不在。外野もアキーノとアルモンテ、伊藤が抜けた。濱をコンバートで外野に戻し育成指名で尾田を指名したが福元の故障もあって数が足りていない。2軍の試合を成立させるための獲得。これも悪くはない判断だ

来季の野手編成

赤字が新加入。太字が1位2位の上位指名。下線は育成

今回の4人の成績が来季の成績に与える影響は小さい。来季の成績に大きな影響を与えるのは若手の成長、中田が来るか、新外国人はどの程度の成績を残すのか、の3点にかかっている。しかしチームの競争は促されるだろう

1980年後半世代は大島、ビシエド、阿部、平田、福田と脇役は揃っていた。だが1990年世代は桂、杉山の同級生と切磋琢磨してポジションを勝ち取った木下、外様の細川以外は周平、京田が伸び切らず軟弱な世代になっている

特に高橋周平の世代は彼1人しかドラフトで支配下指名していないのだが、立浪監督になってから宇佐見、川越、板山、山本と同世代を4人獲得した。物議をかもす今年の内野手ドラフト、一昨年の外野手ドラフトも含め球団が意図して競争を促す仕組みを作っているようにも思える

そういった点で中島と上林は代打枠で今季故障して不在だった川越の仕事に層をもたらすものであり、山本は溝脇の上位互換として石垣の刺激になる。更に板山は2軍を運用する上で選手が足りない一塁、三塁、外野の3役が可能かつ育成で登録枠を圧迫しないという点で2軍要員としては悪くはない

球団代表や立浪監督の発言から明らかだが今回の補充は若返りの方針に影響を与える可能性は限りなく低い。4選手は代打、当て馬、2軍ユーティリティ選手と必要な補充だが戦力の上積みとなる補強は中田翔、新外国人、若手の成長にかかっている

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