ベンフィカ1-3リヴァプール

アリソン6ダイク7コナテ7ロバートソン7アーノルド7ファビーニョ7チアゴ6ケイタ7マネ6ディアス8サラー4ヘンダーソン5フィルミーノ7ジョタ6ミルナー-ゴメス-クロップ7

MOM ディアス

4冠に向けた着実な1歩を手に入れる事が出来る快勝でした。2点差をつけた事でインテル戦と同様にアンフィールドで勝ちに行く必要がなくなり、日程が厳しい中で全力で戦う必要がない試合を作れるのは大きいですね

前半はマネが中央でディアスとポジションを代えていましたが、どちらも速くて低いボールをコントロールできませんでした。中央で収める場所がなかったもののケイタやチアゴやアーノルドからのチャンス供給で決定機を何度か作り、2点を先制する事に成功しました

しかし後半の立ち上がりにコナテが苦手な左足でクリアミスを犯して失点したのは痛かったですね。コナテは先制点に加えてスピードと高さがあるダーウィン・ヌニェスの裏抜けと空中戦を防いでおり守備対応は良かったですが、繋ぎの部分は今後も改善が必要です

一部では補強候補と言われるダーウィン・ヌニェスですがトップスピード時速36.5km/hという数字は伊達ではなく、コナテが振り切られそうになったのは驚きました。高さとスピードという身体能力は想像以上に素晴らしかったですが、ボールが収まらないので中央のFWとしてフィルミーノの代役にはなりえません

サイドに流れて起点を作ってもう1度ゴール前に顔を出して点を取るルカクのような選手でリヴァプールに必要かと言われたら必要ではないでしょう。ルカクよりはアジリティがあってドリブルでボールが運べますが、ボールを収める技術が改善しない限りはリヴァプールなどのトップクラブから求められる事はないかと思います

この試合で目立ったのはケイタとディアスでした。ライプツィヒ時代のバイエルン戦でも3-4-1-2の1に入って1ゴール1アシストでチームを勝利に導いたように、ケイタが1番活きるのはやはりトップ下のような役割でしょう。チアゴとファビーニョからのパスを相手のDFとMFのライン間で受けてディアスへのスルーパスを送った前半23分20秒あたりのパスや3点目のショートカウンターを成立させた裏へのパスは素晴らしかったです

守備では身体能力が足りておらず、頭の切り替えの遅さからチアゴのパスに反応が遅れるなど常にゲームへの関与が必要な3センターへの適性は低いと思います。それでも一瞬の閃きはチームにとってまだ必要な選手でしょう。守備範囲は狭くてもボールを奪う能力は高く、4-2-3-1で3の中央ならばハダーズフィールド戦のように中央でボールを奪ってショートカウンターで決める力もあります。ジョーンズが成長するまでは現状維持で契約延長してもらいたいものです

この試合で1番優れていたディアスはサイドでのキープからのドリブルで運ぶプレーもアシストもゴールも素晴らしかったですね。守備の切り替えの早さもリヴァプール向きで速くて強いグラウンダーのパスへのトラップ以外にケチをつける所がない選手です

強くて速いグラウンダーのボールを収める天才であるフィルミーノが入ってからのディアスは文句のつけ所がありませんでした。ジョタも左右のWGとしてディアスとポジションを入れ替えながらフィルミーノとの連携で崩せており、最後の精度こそ足りませんでしたがフィルミーノ+マネ&サラーからディアス&ジョタの組み合わせに世代交代しても大きな問題にはならないことを示しました

ディアスが大活躍する一方で最近のサラーはキレがありません。FA杯やEFL杯が多い1月にいつもは休息が取れていましたが、今季はその期間もAFCONのせいで週に2試合戦っていたことによる過労でしょう。最近のサラーはマネ以上に守備で奔走しており、守備を免除されている選手ではありません。現在は不振ですがプレミアリーグで得点王にアシスト2位の選手なのでボーナス込みで年俸上限£26mは妥当な評価でしょう

報道を信じるならば現在の年俸は£10.4m(週給£200k)の基本給に加えてボーナスが£6~7m程度の£17m前後(週給換算£320k程度)となっており、次回の契約更改で基本給が£16~19m(週給£300k~365k)でボーナスが£7~10mで年俸は最大でも£26m、週給にして£500kくらいになりそうです。大抵の場合においてリヴァプールでは初任給がプレミア外からだと週給£60k前後、プレミアや4大リーグCLクラブ出身でも週給£100-130kと低いものの、大活躍すれば給与は1.5~2倍になり世界トップクラスの給与が貰えるクラブです

リヴァプールはいつも通り最大£26mで1.5倍程度のサラーに最大限の提示を既にしていたと思いますが、リヴァプールがサラーに相応しい給与を提示していないと代理人側は言い続けていました。今後リヴァプールが提示する待遇はボーナスを少し減らして基本給を上げる可能性は僅かにありますが、総額年俸は元の提示から一切増えないでしょう

それでもサラー(というより代理人)が過剰な要求を譲歩した事がバレないよう「リヴァプールが最高給を用意!」という既に報道されていたことを焼き直しての報道が目立つようになりました。これはサラーが妥協したという報道が真実ならば、代理人のメンツの為にもサラーの契約延長に必要なプロセスです

恐らくはチーム最高給だけでなく特別扱いまで求めた代理人(サラーも含む可能性あり)に対して、サラーがリヴァプールでキャリア全盛期を過ごすためにチーム最高給で妥協するよう求めたのでしょう。どちらにせよチームのエースストライカーが契約を延長する可能性が日に日に高まってきている事は非常に喜ばしいことです

繰り返しになりますが毎年チームで1番点を取って出場時間でも常にチームトップ5に入りながら守備もサボらないサラーは間違いなくチームにとって必要な人材であり、ボーナス込みで£500kという給与は彼の待遇として相応しいものです。今の低調なパフォーマンスだけを見て彼の給与が高いというのは非常に的外れな話でしょう

サラーの契約延長が夏までにまとまれば、マネとの悲しいお別れが今夏にも訪れるかもしれません。今夏にMFを補強する事は(昨夏から探し続けているので)確実ですが、FWも1人探しているという報道が絶えません。FWには既に5人の戦力を抱えており、出場時間の関係から2センターに切りかえない限り、これ以上の投資は過剰戦力です

19-20シーズンの優勝はマネの力なしにはあり得なかったですし、リヴァプールがここまで復権できたのはCLどころかELへの出場権もなかった16-17シーズンにマネが来てくれたからです。しかしマネはドリブルの勝率が全盛期の19-20シーズンから10%以上も低下しており、守備でのカバーエリアも狭まり、得点力も低下しています

ジェラード以来となるレジェンド選手の退団は非常に辛いものですが、リヴァプールを支えたフィルミーノ、マネ、サラーの3人と心中する事はできません。新しい血の入れ替えが近い未来に必要な今、マネとのお別れが合理的に見えます。マネとの契約を満了して代役に契約満了のニャブリを狙うのかもしれませんが、残念ながら今季がスリリング3の揃う最後のシーズンになるかもしれません。レジェンドたちの雄姿をしっかりと目に焼き付けるよう、4冠に向けて目の離せない戦いを最後まで応援していきましょう!

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