リヴァプール前半戦の評価

GK

今季もアリソンがアリソンしてくれました。ケレハーは2番手としては世界最高レベルのプレーでアドリアンは2人が離脱したコミュニティーシールドで頑張った。万全の陣容ですが、ケレハーを死守できるかに注目。彼が退団するとクラブ育成選手が不足して登録枠が一気に苦しくなる。その場合は代役を取らずにアリソンが大事な試合でフル稼働する事を祈りましょう。そしてカップ戦は決勝までアドリアンと心中です。登録枠が足りないので補強は不要です

CB

開幕直前のプレシーズンマッチでコナテの不運な接触事故もあってローテに苦労しました。ダイク以外はスぺですし、ダイクのパフォーマンスも連戦が続くと落ちる傾向が顕著になりました。実力不足のフィリップスを起用したパレス戦はいつも通りに裏を取られて失点し、後半はコンディション不良のゴメスに頼る事になりました。ゴメスは中断期間までミスもありましたが、4番手としては文句なしのプレーで何とか走り切ったのは偉かったですね。ゴメスの成長と3番手までの選手の稼働率UPに期待したいところです

補強はファビーニョの控えとCB5番手として最低限できるレベルの選手で2016‐17のルーカスのような存在は取れるならフィリップスと入れ替えて欲しい所ですが、MFへ尋常じゃない投資をするので予算がないことを考えると難しいスカウトとなるでしょう

FB

以前と比べればロボの故障が増えてるがツィミカスがカバーしたLBは充実の陣容。一方でRBはアーノルドのコンディション不良もあってシーズン序盤は劣悪なパフォーマンスに終始した。そのカバーとして期待されていたゴメスはマティプとコナテの故障によってCBに専念せざるを得ず、新戦力ラムジーは故障からの回復が遅れてミルナーが代役を務めた。しかしミルナーは最悪だったアーノルドよりはマシというレベルで徐々に調子を上げたアーノルドのプレーに遠く及ばない。ミルナーはLBもRBもプレー可能なので保険として残留させる価値はあります。しかし今のところ報道では退団予定だそうです

故障で出遅れたラムジーは他ユース選手と一線を画す実力でカップ戦で使うには及第点といえるミルナーに近い水準のプレーを見せました。ラムジーがPLで十分に使えるレベルまで成長すればゴメスがCBに専念できる事になり、CBの運用が楽になります。ラムジーの成長に期待するため補強は不要と考えられます

MF

他のポジションと異なり100%満足できる選手が唯一居ないのがMF。チアゴのプレーは素晴らしかったが例年通り故障離脱で稼働率は50%強に過ぎず。ファビーニョも近くにチアゴが居ないと持ち味の守備が活きず苦戦する試合が増えている

殆どプレーできなかったケイタとチェンボとアルトゥールが1番の問題だ。しかし彼らを売らずMFの問題を放置した監督が編成上のガンである。ヘンドとエリオットはプレミアリーグ中位チームでもレギュラーを取るのは難しい劣悪なパフォーマンスだった。特にヘンドは最大の武器だった身体能力が失われ、去年の年末と同じく最低の状態に戻ってしまった。この状態で47%近くも試合に出ているのはあり得ない

エリオットもチャンスメイクで攻撃の貢献はあったが、守備が穴すぎるのでファビーニョやアーノルドとの相性が最悪だった。デタラメにボールがある場所へプレスに行っては相手に交わされて広大なスペースでの守備が苦手なファビーニョとアーノルドに負担を強いている。ロストも多いことから現状ではMFとしてプレーさせる価値は0と言っても良い

MFで出場機会は少なかったがミルナーも酷かった。彼がハイプレスを受けると100%に近い確率でボールロストを繰り返しておりプレミアリーグレベルの相手には通用しなくなっている。左右のFBでカップ戦の穴埋め要員くらいしか使い道がなさそうだ

ジョーンズも出場機会は少なかったが、バックパスとドリブルでキープしか出来ず酷いプレーが続いた。フォレスト戦で途中から左サイドハーフの位置に入って躍動した時間を除くと本当に酷い。殻を破れれば戦力になる可能性はあるがローンに出すべきだ。鉄は熱いうちに打たないとなまくらになる

マトモな戦力はファビーニョとチアゴだけ。彼らの稼働は130%程度なのでMF3人をレギュラーと換算すれば170%分の戦力が足りない。連戦が続いてもパフォーマンスが落ちないタフなスターを最低2人、できれば3人獲得したい

特に優先度が高いのはレギュラーの中で圧倒的に実力が足りないエリオットを控えに追い出せる前寄りのIH、離脱が多いチアゴの代役となれる後寄りの位置からパスで味方を使えてファビーニョの守備をサポートできるIHの2枚

エリオットはシーズン開幕後4か月がたった今も成長が見られず守備で穴を空けて繋ぎのミスを繰り返している。ドバイでも何も変わっていなかったのでケイタにポジションを取られるべきだろう

FW

マネが抜けてヌニェスで短期的にはマイナス。だがヌニェスが成長しているのでフィルミーノが契約延長すれば来季には昨季と同じ5本柱が完成する。更にはカルヴァーリョとFWの6番手を争うには十分なエリオットも居る万全の体制。ただカルヴァーリョはWG起用が続き彼の強みである狭いプレーで真価を発揮できなかったし、エリオットはMF起用で守備の穴になり続けた

ジョタは1月末から2月の復帰が予想され、ディアスも3月の復帰と予想されているため主力が2人も離脱したが補強の必要はない。問題は監督の起用にありクラブの編成側の問題ではない

監督

監督を解任するべきだというには十分な酷い出来に終始した。特に酷いのは下の3点
①ジョタを復帰後すぐにフルに使って故障させた
ディアスが抜けて頼れるFWが居なかったとはいえプレシーズンでのトレーニング不足で大事に使う必要があると言いながらの連続フル稼働で破壊した。アーセナル戦で80分、レンジャーズ戦の消化試合で起用してシティ戦も90分すぎても起用を続けた。目先の3ポイントのためにフォレストとリーズ相手に6ポイント落とすというマヌケ極まりない運用だった

更に1月後半~2月まで過密日程の間もジョタなしで戦わなければならない。こうした采配ミスは今季に始まった事ではなく2021シーズンもCLの消化試合でジョタを使って故障したり、サラーやアーノルドをフル起用して次のPLフラム戦で勝点2を落としたり理解しかねる運用が多すぎる

②選手の個性を無視した適性のないポジションでの起用
カルヴァーリョを何故かWGで起用。フィジカルが未完成だから過保護に育てるためか、プレスの連動性を気にしてWG起用かは不明。ただエリオットがプレスをして脅威のタックル勝率11%(普通MFは30~60%程度)交わされている事を考えるとカルヴァーリョの守備の方がマシである。逆にエリオットは攻撃面の活躍はあるが守備で穴を空ける為アーノルドとファビーニョ等のパフォーマンスを著しく引き下げている

更にはクロスが最大の武器であるアーノルドを中央に配置したりCF化する謎のフォーメーションも披露した。結果的にサラーはゴールから遠く離れた所でプレーする事が多くなっている。次に何をするか読ませないカオスな攻撃をするために自分たちの武器を放棄するという素晴らしく無益で稚拙な作戦を次々に披露してくれた

③戦力に対する認識ミス
チームは守備的MFが致命的に足りていない。ヘンダーソンは守備力の低さを身体能力でカバーしていたが、身体能力がなくなったヘンダーソンは只の穴である。守備的MFにジョーンズを起用のフォレスト戦やアンカーでミルナー起用はギャグとしか思えなかった。こんなスカッドなのに欲しい選手を取るために金を節約して投資を行わない監督は編成上もガンである

丸7年以上チームを率いてビルドアップの形を全く作れない事が些細な問題に思えてくるほど上の3つは酷い。金を回収するでも貸し付けるでもなく、毒にも薬にもならないオーナーよりも監督を変える方がチームに良い影響を与える可能性が高い

今季の不振はCB故障でRBにゴメス回せなかった以外は監督の責任が殆どだ。来季は天文学的な投資を若手に行い、一時的にチームが改善する可能性はある。だがショートカウンターしか出来ないカオスを作る戦術に依存した監督は強く財力があるチームには不適だ。現チームでMFに次ぐ補強ポイントだがMFの戦力の拡充こそ最優先である。戦力が豊富にあればチームが崩壊しない限り作戦で失敗していても殆どの試合に勝つことが出来るのだから

まとめ

補強不要=GK・FB・FW
条件次第=CB・監督
補強必須=MF

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