リヴァプール2022W移籍市場 補強候補集

前回の記事で書いたようにリヴァプールの補強ポイントは何よりもまず守備的MFで次にFWです。リヴァプールは昨季も明らかに補強が必要だったCBを無視したようにクオリティが十分じゃない選手を見送るという素晴らしい方針に変わりつつありますので、MFの問題を無視して2番目の補強ポイントであるFWを獲得してくる可能性は0ではありません

昨季にツァルやカバクを完全移籍で獲得していたならば、登録枠や資金的な問題からコナテという大器を獲得することができなかったでしょう。それでもローンなどの短期的な解決策は見つけるべきだと思うのですが、短期的な解決策やローンの選手は(よっぽどの事態にならない限りは)必要ない!という監督の方針により取りません。登録枠については来季の売却が上手くいけば下記の通りに問題なさそうです

非HG 14/17
1Alisson/2Dijk/3Matip/4Konate/5Robertson/6Tsimikas/7Fabinho/8Thiago/9Keita/10Salah/11Mane/12Firmino/13Jota/14Minamino or Origi
HG1〜3/4〜7=(21-非HG)  ( CT>4ならば(25-非HG-CT))
1Henderson/2第3GK?/(3Sepp)
CT3/(25-非HG-HG) Alexander-Arnold/Gomez/Kelleher
B 2/∞ Jones/Elliott

サッカー選手も野球選手も殆どの選手は持っている技術の成功率が上がっていくだけで成長しないと私は思っている。努力すれば肉体は年齢に応じて成長して25歳くらいにはピークを迎えるが、肉体のレベルが上がったり技術的なコツを誰かから体得しない限りはプレーのレベルが上がる事もないと思っている。したがって私としてはプレーに安定感がなくても、ベストなプレーの水準が高い選手ならば年齢とともにベストなプレーの成功率が上がっていけば選手としてのレベルが自然に上がっていくと考えている。言い換えると安全なプレーに終始するベストなパフォーマンスのレベルが低い選手は若くても成長の余地はないと思っている

だから私は長所がとても優れているアーノルドとゴメスは1617シーズンや1718シーズンでどれだけ酷いミスをしても擁護し続けたし、弱点がないのが武器というようなウッドバーンや何一つ武器を持たない多くの若手選手に対しては非常に辛辣だ。今の強くなったリヴァプールでは難しいけれどもジョーンズやエリオットのように武器がある選手ならばローンも織り交ぜて使って成長させたいと思っているが、長所がない選手は値札をつけるために国内カップ戦以外では使うべきではないと考えている。これから挙げる選手たちにも弱点はかなりあるものの、長所が弱点を補えると考えている選手たちである

絶対に獲得が必要な守備的MFに求められる要素は大きく動かず、ボールを奪えてパスでそれなりに散らす能力を持った選手としてリヴァプールの獲得候補に名前が出る選手の中で信憑性があると私が思っている下記の3名です

守備的MFについては候補者が非常に少なく、ファビーニョやチアゴのような素晴らしいゲームチェンジャーと言える選手はなかなか市場に出てきません。おまけにFWのように良い選手が毎年のように生えてくるポジションではありません。ファビーニョとチアゴがいますし、ヘンダーソンも含めてローテをすることを考えると獲得は1人で十分でしょう

離脱の可能性はチアゴの方が圧倒的に高いので身長が低く空中戦に弱いモハメド・カマラも候補に挙げています。ただしリヴァプールは守備的MFで身長が低い選手をあまり取らない傾向がありますので、ファビーニョ不在時の空中戦を考慮するとカマラは厳しいと思われます。またカマラはアフリカネーションズカップを考えるとマリ代表という点もマイナス要素になってきますが、機動力があってボールを奪えてどっしりと中央に構えてくれるアンカー型の良い選手なので候補に挙げました

他には不足気味のHG選手としてもカルヴィン・フィリップスには価値があります。ただしHG選手は実力以上に値段が高くなる傾向があり、他のポジションへの投資も考えると現実的ではないかもしれません

一方でチュアメニも既にフランスのフル代表に選ばれており、£40m越えと競争が激しくなっています。£40mは払える金額ですが、ファビーニョに支払った金額とほぼ同じことを考えると能力的には若干物足りませんしチェルシーが£50mを用意したという報道も聞こえてきます。まだまだ他人に責任転嫁する受け取った側が苦しむパスが見られ、もう少しキープ力や判断力を身につけて最適なプレー選択ができるようになってほしいところです。ただ実力が伸びれば伸びれば価格も上がりそうですしケチらず早めに確保するべきでしょう

チュアメニとカルヴィン・フィリップスはともに2024年夏までの契約で来夏には移籍市場に出てきそうですが、リヴァプールの台所事情を考えると冬に獲得したい所です。残留を争っているリーズはフィリップスを出すことは100%ないでしょうが、チュアメニはモナコが11位と低迷しており後半戦でCL権の3位までに入る見込みがなくなれば冬の終わりに市場へ出てくる可能性があります。良いオファーが来たらガンガン売るザルツブルクのカマラもアフリカネーションズカップがあり2月頃の合流となるとチームのスタイルに慣れる間に今シーズンは終了する可能性が高いです。つまりチュアメニにしろカマラにしろ、2月頃の合流では今シーズンのリヴァプールを救ってくれる選手は少なそうだ、ということです

FWは単純に将来のレギュラーになりうる良い選手をとるべきです。年齢も25くらいまで若返れば十分なので今の実力を重視するべきです。リヴァプールの獲得候補として名前が出る選手の中で、リヴァプールが追いかけているであろう値段の割に実力を兼ね備えた選手は下記の通りです

1人目の候補はレヴァークーゼンのウィルツ。18歳ながら既にトップレベルで普通にプレーしている。もちろん18歳なのでプレーの安定感はないが、使い続ければトップレベルの選手になると思わせる選手である。ブンデスリーガに慣れ親しんだ選手はバイエルンレベルの選手でもない限りプレミアリーグのインテンシティに苦しむことが多いため、なるべく早くプレミアリーグのレベルに慣れさせたいという面もある

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動画を見て貰えば分かると思うが、役割としてはもちろん狭いスペースで受けてストライカーにボールを渡すフィルミーノがやっているリンクマンの役割を与えることになる。この役割は今のメンバーだとケイタが出来そうだがレベルの高い相手ではケイタも外や低いポジションに逃げがちだし、故障が多くなってきたフィルミーノを考えると今後5年で必須の役割の選手と言える。もちろんエリオットがこの役割をこなせるようになれば良いのだが、ウィルツを獲得すればリンクマンを2枚置いてストライカーを2枚置く4−2−2−2型で戦うオプションも手に入るし、エリオットやウィルツの成長には3〜5年かかりそうなことを考えればフィルミーノが衰える前に選手層がダブつくことはないだろう

こうしたリンクマン型の補強候補として他に名前を挙げるならばフレンキー・デヨングだろう。バルセロナの観客が戻らずにCL権を逃した場合には売却候補に名前が挙がってくるはずだ。ただ£30-50m以内の予算に入るかどうかは微妙なところである

マネ型の役割として獲得が期待される点も取れる一流のドリブラー型の補強候補は上の4人だ。


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戦い方としては今と同じ4−3−3型や4−2−1−3型で幅を取って1vs1で局面を打開できる選手が良い。ジョタのベストが左であることや法外な契約解除条項や故障が増えている点をを考えるとアンス・ファティは現実的ではないかもしれない。またネトもHG選手が少ないウルヴズでHGを取得する選手であり、故障明けなのでもう少し様子見となりそうだ

右で起点となってアーノルドが精度の高いボールを蹴れるように右サイドで時間とスペースを作れる選手でラフィーニャも面白い候補になりそうだ。コマンは両サイドができる点も魅力だが、軽い不整脈で心臓の手術をした点が気になる所だ。予算は£40-50m程度で獲得できる選手を購入したい

点も取れるドリブラーというよりはアシストと得点で価値を出すストライカー型でドリブルもできるサラータイプの選手としてはアデイェミ、フェリックスが挙げられる。まだ若いのでアデイェミもフェリックスも得点力に磨きがかかっていないが、利き足じゃない右足でも強いシュートが打てるようになったら得点を量産するのではないかと私は思っている

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今の延長で4−3−3としても良いし、4−2−2−2としても良い。ただ得点がメインでドリブルもチャンスメイクもできるタイプの選手としては既にジョタもいる。タイプ的にはマネ型の1vs1をドリブルで交わすのがメインで得点を取るのが副次的なタイプの獲得を優先して欲しい所だ。加えて彼らはまだまだ若く得点力が開花していない。開花する前に安く買いたい所だが、サラーが健在である限りはリヴァプールで成長機会を提供できそうにないので獲得してもローンとなりチーム強化に繋がらない可能性も高い。アデイェミは£35−50mの契約解除条項をつけてドルトムントに移籍してくれないかなあと私は願っている

最後の補強候補はもちろんこの人。ポストプレーはできないがパスで周りを使うことができるのは彼の良い所である

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彼の獲得に成功した場合にはサラーをワイドに置く3トップは確定だろう。ハーランドのトラップ技術はそこまで高くないのでフィルミーノを彼の下にリンクマンとして置く4−2−1−3になるだろうか。彼の獲得こそが最善だと思っていた時期もあったが、サラーの契約を延長して彼を中心に据えていくならば他にもやり方は色々とありそうである

€75mの契約解除条項は払えそうだが、ボーナス込みで手取り週給£200kの総支給£300k超までは許容できるがサラーと同じ総支給の週給£500kレベルを要求されたら獲得は厳しい。報道される彼の給与が高くなっているのは彼が今のように1試合1得点ペースで計算して得点ボーナスが非常に高い為だろう。基本給がそこまで高くなることはないだろうし、代理人のボーナス上限が来季から導入されれば獲得の可能性は0ではない。ただし今季中に来季のバイアウト条項を発動して代理人のボーナスを可能な限り要求してきそうなので獲得はかなり厳しいだろう

コナテの時は彼しかネクストダイクの候補者が居なかったので的中しましたが、MFやFWの補強もおそらくはこの辺りの選手から獲得することになるのではないかと踏んでいます。来季からSDが変わるので既に体制が変わって予想外な選手の獲得もあるかもしれませんが、これから獲得する選手たち5年後のリヴァプールの命運を分ける大事な選手たちとなります。良い選手の獲得を期待したいですね

こうした選手の獲得可能性について会計的な観点からの補足を踏まえたFSG時代のリヴァプールの運営について考察した有料記事を執筆中です。知りたい内容がありましたらコメントなどで教えてください。宜しくお願いいたします

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