2023冬リヴァプール補強は登録枠がありません

上でも書いた通り、現状を見ると言うまでもなくMFが全く足りていません。ファビーニョのように守備が良い4番型のMFも、低い位置からパスでコントロールしながら守備も出来る6番も、FWとMFを繋ぐ仕事をする8番も足りてません。GK、CB、LB、FWはスタメンも控えも居ます。今後ラムジーの成長を加味するとRBも近い将来には控えが出来そうなのに、MFだけ異常に戦力が低い状況です。しかし残念ながら登録枠の問題から冬の補強は困難です

レギュラーも控えも質が足りないMFに対して潤沢すぎる他の戦力…

登録枠に問題アリ

補強の前に現在どのようにCL登録枠を使っているか確認しましょう
自由枠17/17枠
主力&控え1アリソン2ダイク3マティプ4コナテ5ロバートソン6ツィミカス7ファビーニョ8チアゴ9サラー10フィルミーノ11ディアス12ジョタ13ヌニェス
保険14アドリアン15ラムジー16アルトゥール17バイチェティッチ
協会育成4/4枠
控え1カルヴァーリョ
保険2ヘンダーソン3ミルナー4フィリップス
クラブ育成3/4枠
主力&控え1ケレハー2ゴメス3アーノルド
リストB登録
エリオット、ジョーンズ、その他
登録外
ケイタ、チェンバレン、その他ドークなど加入2年未満の若手

というわけで現在は登録枠をクラブ育成選手を除いてフルに使っています。加えてケイタとチェンバレンはCLへの選手登録を見送っており、登録枠には余裕がありません。ただし、バイチェティッチは加入後2年が経過するため決勝トーナメントからリストB登録が可能になるためケイタまたはチェンボのどちらかを登録可能です。現状では誰かをCLの選手登録から外さない限りチリベジャのようなクラブ育成選手しか補強しても登録する事が出来ません

ちなみにプレミアリーグではカルヴァーリョとバイチェティッチとラムジーの登録は不要なため、国籍自由の17枠もホームグロウンの8枠も各1枠ずつ余っています

登録枠の問題はこの冬だけの問題ではなく、来季23/24シーズンにも影響を与えます。来季の登録枠の想定は下記の通りで、協会育成1枠と自由枠2枠の合計3枠が空く形になります。そのためリヴァプールは2023年の夏までにMFを2~3人獲得しようとしています

自由枠15/17枠
主力&控え1アリソン2ダイク3マティプ4コナテ5ロバートソン6ツィミカス7ファビーニョ8チアゴ9サラー10フィルミーノ11ディアス12ジョタ13ヌニェス
保険14アドリアン15ラムジー
協会育成3/4枠
控え1カルヴァーリョ
保険2ヘンダーソン3フィリップスorセップ
クラブ育成4/4枠
主力&控え1ケレハー2ゴメス3アーノルド
保険4ジョーンズ
リストB登録
エリオット、バイチェティッチ、その他
放出orローン
ミルナー、チェンバレン、ケイタ、アルトゥール、セップorフィリップス、リース・ウィリアムズ

①リストB登録からの繰り上げ
来季から2001年生まれ世代のリストB登録が不可能になります。現状のスカッドで該当するのはジョーンズ、ローン中の選手ではセップ・ファンデンバーグ、リース・ウィリアムズなどが該当します。来季以降からジョーンズとリース・ウィリアムズはクラブ育成選手で、セップ・ファンデンバーグは協会育成選手での登録が必要になります。ただ彼らは現状のスカッドに入って出場機会を確保できるレベルの選手は居ないので、特に気にする必要はありません。ナットに代わって大きな故障をしたセップをCBの5番手に抜擢する可能性はありますが、スカッド構成に大きな影響を与えません

また再来年の24/25シーズンから登録が必要になる2002年生まれはカルヴァーリョのみです。25/26シーズンにはエリオットの登録も必要になりますが、ラムジーを来季もトップチームに残すならラムジーをリストB登録が可能になるので大きな問題にはならないでしょう

②2023夏に契約切れの選手
アドリアンはいつまで契約が残っているのか分からず、フィルミーノも契約延長オファーを出しているとのことなので彼らは残留すると仮定しました。ケイタもシーズン開幕前までは契約延長で交渉していたようですが、残留の可能性は低いと見られているため放出組にカウントします。この前提ですと協会育成選手からチェンバレンとミルナー、制限のない枠からアルトゥールとケイタで合計4名の選手登録から外れます

したがって協会育成選手1枠と制限のない枠から2人で最大3人分の補強枠が出来ます。ただケレハーが退団した場合に、登録枠の問題からフィルミーノを切ってジョーンズを登録するという悪夢も想定する必要があるでしょう。早くフィルミーノ契約延長のニュースを聞きたいところです

冬の補強は可能なのか?

冬の補強には登録枠の問題、リヴァプールに移籍金の支払い能力があるか、補強候補の所属チームが退団を許可するか、の3点を考える必要があります

現状はケイタとチェンバレンをCL登録外にしているため、クロップが積極的に補強へ動くとは考えにくい状況です。クロップはチャンもワイナルドゥムも最後の最後まで使い続けた監督だ。したがって彼らの契約が夏に切れようとも起用を続けると考えられます

コナテとマティプが復帰した事からフィリップスのCL登録は外される可能性もあるので、ケイタとチェンボのCL登録が最大の補強となる可能性が高いと言えます。ケイタとチェンボは冬に無料で放出しても特別損失が各々£5m前後なので売却するべきだが、彼らが退団希望を出して代役が取れる事が決まらない限りクロップの補強方針の都合ないと言えるでしょう。このクロップの補強方針が定まるまでクラブは手持ちのスカッドと同レベルの選手に市場価値以上の価格を払っていました。昔は機能していていたルールが組織の首を絞めるのは何処にでもある話です

どちらにせよカリウスを登録するほど登録枠に余裕があった昨季と異なり、今冬に選手を獲得に動く確率は低いのです。欲しい選手が市場に出れば当然クラブは動きますが、補強候補の所属クラブが果たして選手を売却するか考えてみましょう

ゴシップを除いた補強候補は下記の6人と思われます
アンカー:アムラバト
守備的MF:フェルナンデス
守備的MF:ベナセル
守備的MF:ネベス
Box to Box:ベリンガム
Box to Box:カイセド

まずアムラバトはフィオレンティーナの規模からすれば抱えきれない可能性が高く冬にも売りに出される可能性は高い。しかしアンカーの位置が専門で1列上げて使う事が出来ないアムラバトに£40mをクロップが投じる可能性は低いのではないかと考えている。なぜならドバイの2試合を見るとアンカーに特化した能力のバイチェティッチが急成長を遂げているからだ。2年後に彼がブスケッツになる片鱗を見せているので、若手の枠を奪う補強が嫌いなクロップの性格を考えると見送るのではないかと考えます

エンツォ・フェルナンデスが所属するベンフィカは売り時を逃さないクラブです。過去には買って半年で売却した事もあり、ワールドカップ(以下W杯)で価格が膨れ上がった今は売り時だと考えているはずです。ただベンフィカは非常にしたたかなチームであり、€120mの契約解除金に近い大金ではない限り来夏に売却を先延ばししてCL権とリーグ優勝を確実にすることを選ぶと私は予測します

またリヴァプールはベリンガムに£100m近い投資する予定であること、W杯で活躍した顔の良い選手を取るのが大好きなレアルマドリーと競合している事を考えると冬に£100m近い金をリヴァプールが投資して争奪戦を勝ち抜く可能性は低いと見ています

ベナセルも他クラブへの移籍を検討していた前代理人からライオラに代え、ミランとの契約延長に前向きな姿勢と報じられている。リヴァプールは将来のプランをベナセルに提示するとのことだが、チアゴとベリンガムの控えでオファーすると予想され、移籍が進む可能性は低いだろう

ネベスを推薦していたデータ分析班は来夏には退団する事が決まったため、リヴァプールが守備的なMFでチアゴの控え役として彼を未だ追いかけてるか不明です。現在の本命はフェルナンデスの可能性も高いのですが、先ほども述べた通りマドリー相手にベリンガムとフェルナンデスで連勝する可能性は非常に低いと考えます。マドリーはモドリッチとクロースが高齢化しているMFへ集中投資するはずです

フェルナンデスの取引に負けた場合、ネベスの話は再燃してくるでしょう。どちらにせよロペテギが冬の売却を拒否したという報道、ネベスはCL願望が強い事を公言しており冬の移籍を止めて夏移籍を受け入れた報道もあるため冬に動く可能性は低そうです。契約が夏に残り1年となって移籍金が割安になればクラブが動く可能性はありそうです

ベリンガムはクロップがMFの補強を拒絶してまで金を貯め続けて追いかけるトップターゲットです。父親の勧めもありリヴァプール加入を希望しているとの報道もあります。リヴァプールへの加入を希望しているならば初任給は控え目な£7~8m前後と予想され、この程度の金額であれば移籍金が£100mと超高額であっても10年スパンで考えれば価格相応の投資になりえます

能力的には昨季から大きな飛躍を遂げており、ブンデスリーガで学ぶことは殆どないでしょう。ケイタはここで1年足止めを食らい成長が止まったが、ドルトムントは狡猾なのでベリンガムは来夏には市場に出すでしょう

リヴァプールがCL権を逃しても夏に加入を希望しているという報道が大勢を占めていますが、冬に移籍する可能性は0に近いと私はみている。現在所属するドルトムントは戦力的にMFが不足しており、冬にベリンガムを売ってCL権を逃す可能性を上げる事はしないでしょう。報道によればベリンガムも今季はドルトムントで戦う意思を示しているとも報じられており、冬の獲得は難しそうです

冬に動く可能性が高いのはカイセドでしょう。ただカイセドはチェルシーが本命と私は考える。彼は能力的にカンテの能力からドリブルを下手にして、ロングパスを上手にした能力に近いのでカンテの後釜として全力を投じる事になりそうです。カンテがケガで衰えて稼働率とスタッツが落ちていて契約を打ち切ろうとしている事、ポッター監督とのつながり、ベリンガムの控えでスカウトするリヴァプールを考えるとチェルシー優位と考える方が自然と思われます

まとめ

以上の観点から冬の補強が行われる可能性は低いと私は予想します。可能性があるとすればドルトムントがベリンガムの後釜を確保する場合でしょう。リヴァプールの予算は冬£40m程度と夏£140m程度(PL次第で減額)に売却益を加えた程度と推測され、ドルトムントの要求£130mに対しリヴァプールは£86m程度から交渉すると思われます。またマドリーも予算的に苦しく£86m程度を超えて支払う可能性は低いとみられます。最近の決算事情を見る限り無限に売上を大きくできるPSGしかドルトムントの要求額を支払えるクラブはありません。しかしベリンガムはリーグ1でのプレーを拒否という報道もあり、ドルトムントは自分たちに有利な着地点を探しているはずです

この両者の評価額の差を埋めるため、リヴァプールは冬に買える場合に限り評価額を上げる可能性もあります。ベリンガムの後釜として契約切れが近いケイタを無償に近い金額で売却し最大£100mにボーナス£10m程度まで条件を引き上げれば冬の補強はあるかもしれません

冬の移籍市場はまずドルトムントが後釜を獲得できるかに注目しましょう。そこで話が大きく動けばリヴァプールは動きます。リヴァプールの財政事情はいたって健全で21/22シーズンは売上が£600mを超え、£0-25m程の黒字を計上できるでしょう

22/23シーズンはCLとPLの結果によって大きく売上は上下しますが、PLで4位以上になれば今季も売上が£600mに近づく見込みです。更にCLも勝ち抜けば£650mの売上が視野に入るほどビジネスは順調に成長しており、今年の夏は18/19夏以来のビッグサマーがやってきます

その為にも現有戦力で今季を無事に成功させることを祈りましょう。チアゴとフィルミーノとファビーニョが大事な試合で離脱せず、ダイクが長期離脱しなければ勝たなければならない戦力は揃っています。レアルを引いたCLはさておき、リーグは大きなビハインドを背負った今でも最低3位は死守しなければならない戦力を抱えているのですから…

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