練習試合観戦記-2023年ドラゴンズはAクラスを目指せそう

ダイクと主力FW復帰以外に希望のきの字も見えないリヴァプールとは対照的に中日ドラゴンズには明るい希望の希の字が戻ってきました。2023年も優勝は厳しいので「ぼ」の字はまだ見えませんが、優勝確率0%、ワンチャンAクラスの85%以上の確率でBクラスだと自信を持って言えた過去10年に比べ改善傾向にあります

阪神、ヤクルト、DeNAの歯車が全て噛み合ったり、巨人と広島から突如としてエースが湧き出たら中日の歯車が嚙み合っても下位に沈む可能性はあります。ただ昨年よりは明らかに戦力が上がりましたので、他チームが昨年と大差ない出来に終わればAクラス入りの可能性は高く、全てが噛み合えば優勝もありえる所まで改善されたと思います

以下の評価は下の通りです
Aタイトルを争える B1軍の主力 C1軍メンバー D1軍控え Eエレベーター選手 F基本は2軍で鍛えましょうG来季の契約が怪しい…

先発

A高橋宏斗

流石の投球でした。山本由伸の完全コピーは失敗に終わった感じですが、山本由伸の要素も取り入れて更なる高みを目指して欲しいです。今年もSFFが凄すぎて震えました。完全にストレートの軌道から手元で急に落ちるので打てません。一方ストレートは指にかかった時の威力とコースと伸びと全てが揃ってましたが、全体的にはまだ改善の余地がありそうです。抜いたカーブは目先を変えるカウント球として緩急がきくので最高でした。高めに抜ける所がアウトローにコントロールされたら投手三冠が見えるレベルの投手になりそうです。高橋宏斗を取っていたので栗林が新人王を取っても全く何も思わないくらい個人的に期待していた投手なので実力を発揮してくれて嬉しいですね

C松葉

良い意味でも悪い意味でも何も変わらない。信頼度100%のローテ5,6番手投手ですね。毎年イニングを食って最低限の数字を残してエースの肩と肘を守る役割では非常に優秀。今年も5回を完璧に抑える仕事に期待しています

E福谷

1年フルに使ったら年100~120イニングで防御率4点台中盤から5点台前半って感じですかね。その水準でもイニングを食えそうな分だけ求めるチームはあると思うんですが、投手陣の層が厚くなった現ドラゴンズだとローテ陣にトラブルが出た時ぐらいしか出番がなさそうですね。ドラゴンズに必要なのは主軸を打てる選手ぐらいなのでトレード要員にしても彼では取れません。選手としてバリバリ仕事をしたいなら金銭トレードが現実的。コーチとして非常に優秀っぽいので良い関係を続けてほしいです

中継ぎ

B清水

清水は高め外角一杯のボールで上手く打たれて二塁打を許しましたが、球に力があって落ちるボールで空振りが取れるので良いセットアッパーですね。稀に炎上するから防御率は投球内容ほどじゃないですが今年も期待できそうです

C砂田・森・藤嶋・山本・福島

砂田は京田の対価の割には微妙だなと思ったのですが、1軍で実績を残しただけあるなあ、というピッチング。解説の川崎さんが言うように100点満点の投球だったと思います。左のワンポイントなり便利屋での起用になると思いますが、故障なく順調に調整して欲しいですね

森と藤嶋はこんなもんでしょう。今年も敗戦処理や大量リード時の便利屋でイニングを跨いでもらう感じになると思います。勝ちパターン入りを目指すなら三振を増やして四死球を減らす必要がありますけど、彼らの良さはそこにない気がします。三振を取ってピンチを救う投球は清水とマルティネスとロドリゲスに任せて森と藤嶋は末永くリリーフ陣の靭帯を守る仕事で頑張ってほしい。年俸3000~5000万円で7‐8年稼げばプロに入った意味があるというものでしょう

山本は失投が甘く入らなければ素晴らしい投球でした。外角低めで右打者の手元側で曲がるスライダーなのかカットなのかもカウントを取るには最高。空振りが取れる回転の良い真っすぐは力強くてコントロールも良いですね。空振りの取れる変化球もあれば勝ちパターン入りもありえます。今年も1軍の戦力になってくれそうです

福島はスライダーで右打者から空振りが取れますしストレートの質も良い。防御率3.00くらいは見込める投球をしており十分に1軍の戦力になりそうです

D岡田・田島

岡田のストレートのキレは抜群でした。ただ制球をもう少し磨かないと主力打者を抑えるレベルには苦しいですね。変化球が抜けてデッドボールを当てたりアウトローに逃げる球の精度も足りてません。直球の制球力と変化球の完成度を高めてくれたら左のワンポイントに面白いかもしれません

田島はまとまったピッチング。左打者から沈んで逃げるツーシーム?以外は特に良い球はなく敗戦処理のイニングイーターなど便利屋で試合を壊さない投球ができれば、っていう感じでしょうか。年齢的にも上がり目は薄く、森と藤嶋が離脱しない限り一軍でバリバリ戦力になる姿はイメージできません。ただ暗黒期を支えてくれた選手なので最後まで悔いのない現役生活を送ってほしいです

E石森・岡野

石森は決め球がほしいですね。スライダーっぽい球でカウントを整えられるようになって空振りを取れる決め球が手に入れば飛躍する感じはあります。良い球と悪い球がハッキリしすぎているのでトップレベルの選手に通用する未来は全く見えませんが、一軍半のレベルの選手なら十分に抑えられそう。ただ自滅するリスクも高い再現性の低さは改善必須ですね。日ハム戦も酷い出来で制球に苦しんでいるので来年以降の活躍に期待します

岡野は空振りが取れる縦の変化球は良かったと思います。ただストレートの質がもう少し上がってこないとレベルの高い中日投手陣で一軍に定着するのは難しそうですね。変化量を減らしたスライダーで左打者のバックドア精度を磨けばカウント球も増えて組み立てやすくなるはずです。ストレートの質が変われば一気の飛躍も考えられますが、それは今シーズンじゃない気がします

F近藤・石川翔

近藤くんはコントロールが課題ですね。まずはストレートと変化球の1つを磨いてカウントを整えられたら1軍での飛躍も見えてくるかなと思います。今季は2軍でしょう

石川もドラフト2位にしては悲しい投球ですね。今年も育成で2軍でしょう。

捕手

E山浅・味谷・加藤匠馬

捕手はなんといっても山浅でしょう。お手本のようなスイングをしてたのでOPS.700の谷繁級の打者を目指せる未来のレギュラー候補と下記事で言った予想通りの打撃です。驚いたのは高卒1年目でキャッチングと送球が普通に出来ている事です。低めのワンバウンド処理はまだまだですが、十分に1軍の戦力になる可能性があります

パワーの面では18歳相応の非力ですが、選球眼・甘い球を逃さず芯で捉えるシャープなスイングが素晴らしいです。谷繁よりも高打率で低長打率の選手に育つはずです。木下も既に31ですから故障さえなければ3年後から5年後に木下からレギュラーを奪える完璧なレギュラー候補です。今季は1軍の舞台も経験させつつメインはパワー強化に充てて欲しいですね

味谷の1年目の2軍成績は悲惨としか表現しようがなかったですが、コツコツと自分のペースで成長して欲しいです。昨季の成績ほど悪い選手には見えず2,3番手レベルの捕手なら将来的に目指せる水準に見えました。加藤も最低限のレベルを兼ね備えているので3番手の捕手としては十分なクオリティと言えるでしょう

この3人に加えて大野と石橋で木下を休ませる展開を増やせそうなのは良い傾向です。木下は首脳陣が繰り返し言ってるように体力だけが致命的に問題なのですから

二遊間

二遊間の改革は長期的には間違いなく、短期的にも昨季との比較なら上出来という結果に終わるでしょう。なぜなら阿部を三塁手カウントすると昨季の高橋周平、溝脇、高松、石垣の成績を平均した仮想二塁手と土田、三ツ俣、京田の成績を平均した仮想遊撃手の成績は下の通り、驚くほど低いからです

この成績でありながら守備指標を稼いだのは土田ぐらいという昨季の二遊間…

土田・村松・田中の3人で1000打席OPS.630なら相当な打撃成績の改善になりつつ、二塁の守備指標まで上げる事になります。恐らく今年はOPS.600程度だろうが来季以降はOPS.650~.670ほどに上がる期待が大きいです。本塁打数は昨季の8から減る可能性も高いですが、盗塁は田中と村松は足が速いので改善するでしょう。昨季のドラフトで二遊間が豊作だったのはラッキーでした。井端氏がいうように守備は友杉が田中以上に最高で奈良間も門脇も上手そうだったので田中を6位で取れたのはかなり大きいです

C龍空

龍空は高卒2年目にOPS.573という数字も素晴らしいですが得点圏で勝負強い打撃を披露してたので岡林のような3年目の飛躍に期待していました。が、様々なボールに対応して打ち返す形が出来ていた岡林級の飛躍は難しそう。それでもOPS.630前後だった京田の打撃を超えると思いますし、高卒3年目でブレイクした昨季の長岡の打撃成績(OPS.610)は最低でも残せるはず。守備も軽率なプレーは目立ちますがトータルすれば守備だけでも飯が食える選手です。今季の二遊間の軸となるのは彼で間違いないでしょう

D田中・溝脇

田中は超ファインプレーを練習で連発してましたが、一塁ランナーの走力を無視したリスキーなプレーは気がかりでした。しかし打者の走力が分かればリスキーなプレーも減って安定感を高める頭の良さも兼ね備えてそうです。打撃も得意なコースを打つ技術を持ちOPS.570~630ぐらい打ちそうな印象を受けました。彼は荒木を思い出させる選手です。遊撃や二塁のレギュラーで8番、終盤の代走から二塁と遊撃どちらでも守備固めと幅広い仕事を任せられそうです。遊撃のバックアップが彼ぐらいしか居ないため1軍には残る気がします

溝脇の打撃は井端さんが褒める程のものを私は感じませんが、内野の便利屋枠で生き残ると思います。投手によっては一塁アルモンテもあり得ますし、ビシエドへ代走で田中を送った際は一塁の守備固めも必要になります。また村松と田中がポジションを守れなければ二塁手のスタメンもなるでしょう。最低限の成績は残せる彼がいたので京田や三ツ俣は放出できました

E村松・樋口

村松の打撃は打球が上がらずゴロを量産中ですが、打球自体はそこまで悪くないので角度が上がれば数字を出せると思います。青木も1年目はゴロ打者でしたが、2年目から覚醒しました。打撃は打球が上がればOPS.630弱、上がらなければOPS.570ぐらいですかね。守備も本当に新人?っていう落ち着いたプレーを繰り返していて守備範囲も去年の選手達より良好。強い打球の球際はまだ物足りず、エラーは増えそうですけど昨シーズン物足りなかった二塁の守備指標は改善しそうです。福永が予想通りに良いので石川が戻って打ち始めたら今年は福永に追い出される可能性もありそうですが、未来の二塁レギュラー候補です。田中の方が即戦力かもしれませんがレギュラーを取る器の大きさを感じるのは村松ですね。二遊間が今年中にある程度の形になれば優勝する可能性はあるのですが焦らなくて良いです。2年目に戦力化、3年目からチームを引っ張っる活躍に期待します

樋口は外角低めの沈む球を拾ってセンター前にもっていったのは評価できて俊足を生かした走塁は1軍レベルでした。ただ、150㎞/hの直球を外角高めに投げとけば全部内野ゴロか三振しそうなスイングが気がかりです。支配下登録は勝ち取れそうですが、遊撃手も出来る田中の壁が厚そうです

G石垣

石垣は相変わらずのフルスイングで出合い頭しか期待が出来そうになく今季は出番を減らすでしょう。彼が出てくる時は相当にヤバい時だと思います

強打者候補

Cアキーノ

アキーノは三振が多いので選球眼が悪いのかと思っていたのですが、想像の100倍くらい選球眼が良くてビックリしました。逆にスイング当たるコースの少なさは想像の2倍以上も悪いまさかのパターンです。当たった時の打球の速さは予想していましたが凄いです。また足の速さと肩の強さ、低い軌道で正確な送球が出来るのも想像してましたが凄いです。デカくて速い分だけ小回りがきかず細かい守備は微妙という感じですが、足と肩で及第点は取れそうです

打率は2割~2割4分でも出塁率と長打率は稼げるガイエルみたいな打撃成績になる気がするので高OPS好きの監督には気に入られそうです。立浪監督が言うように引っ張りオンリーで飛ばすポイントが限られてるのでセンターへ引っ張れるように改善できればHRは30を超える可能性もある桁違いのパワーでした。ガイエルの足と肩を強化した選手と考えると、6番か7番に置けたら最高ですがOPS.850打てる選手はドラゴンズに居ないので3~5番を打つでしょう。チャンスで三振する代わりに勝負を決める一発を打ってた本格化前の福留のような感じの活躍を期待します。打率が上がらないのなら足もあって出塁で稼げそうなため大島を休ませる日には2番に入れるのも1手でしょう

D細川・福永・鵜飼・福元

プロ野球のピークだった2003年-2009年頃に比べトップ選手のレベルと投手の平均球速が上がって野手能力の中央値が下がってる印象でした。甘い球を単打がやっとの打者が最近のドラゴンズは多くて呆れてたのですが、細川と鵜飼と福元と福永のスイングは見てて気持ちが良い。適当に振ってまぐれで当たってるのではなく打てるポイントでは打ててます。プロでも超一流以外は失投も多く投げるようになってるので甘い球を長打に出来れば良いです。厳しいコースをカットしながら甘い球や狙い球を打つ前のレベルには達しています。この4人は練習試合やOP戦でもっと色々な対応を見たいですね

細川はアウトローの厳しい真っ直ぐ以外は右に左に長打を連発してるのが良いです。迫力のないスイングをする選手がクリーンアップに居座るのは正直キツいので現役ドラフトで細川を獲得できたのは良い補強でした。変化球の対応はまだ不満もありますが、直球を叩ける打者は少なかったので出番を取るはずです。今年はOPS.700程度でしょうけど今後の成長次第では.800越えに化ける可能性もあります

鵜飼は今年出来るのか、と言われたら断言は出来ませんが成長してるか?と問われたら確実に成長してると断言します。ボール→ボールのクソボールを振る確率が減ってるようにみえました。今年はOPS.650~700ぐらいの成績で終わると思いますが、来年からOPS.800越えを目指せると思います

福永は外角低めのちょっと甘い真っすぐを二塁打した打席は良かったです。しっかりと振り切っているので外野の間を抜く二塁打だけでなく逆方向にHRを放つなど打撃はOPS.670ぐらいは打つだろうという私の見立てを超える程の可能性を見せています。OPS.730前後と阿部に近い活躍をしても何も驚きはありません。石川が戻るまで三塁手のレギュラー、戻っても二塁手のレギュラーを争える選手だと思います

福元はもっと高打率の単打バッターだと思ってたが期待値は上がりました。初球からアウトロー変化球に手を出してフライを打ち上げてたのは改善して欲しいですが積極性は彼の武器っぽいので多少の失敗は気にせず振り切ってほしいですね。彼もOPS.650~700ぐらいの成績を残せる可能性が高いです

中堅手候補

A岡林

彼は故障がなければ去年の後半と同じくらいの成績を残す予想です。三好との交錯でヒヤッとしましたが打撲程度で済んで良かったです

D三好

三好は四球を選び盗塁を決め、ヒットも打ちました。1年500打席立たせたらOPS.650弱の活躍が見込めるスイングをしており、福元よりも打撃面で1軍に定着する日は早いかもしれません。福留・渡辺・平田・郡司・溝脇と代打で結果を残せなかった選手の中で、昨季も15打数4安打と通常の打率よりも高く最低限の結果を出していました。試行数が少ないので確率的に収束するでしょうけど

E伊藤

伊藤は上手く合わせてライトに持って行ったタイムリーなど2安打と結果を出しました。ただ長打がなさそうなスイングは気がかりです。監督の方針がセンターラインは守備力重視で両サイドは打力を優先する方針の為、岡林とセンターを争う形になるでしょう。センターラインは守備重視ですが守れる選手の中で最も打てる選手がレギュラーになる事、長距離砲の候補が外野で争ってる事を考えるとレギュラーの道は厳しそうです。守備の専門家は加藤翔平と後藤を抱えているため、この道も修羅の道です。何らかの形で1軍に滑り込む方法を見つける必要があります。頑張ってほしいですね

まとめ

今年は去年よりも相当に強いです。投手陣は小笠原と高橋と大野の先発投手の3枚看板は盤石です。脇を固める柳と涌井と松葉だけでなく鈴木の評価も高く仲地や根尾や上田の若手まで揃った優勝を争える戦力です。梅津が故障から戻ったら文句ないです。中継ぎも足りなかった左の中継ぎも砂田と岡田がワンポイントになりそうです。更に2020年ドラフトで高橋宏斗に次いで私が期待していた福島の評価が非常に高く、飛躍の予兆を見せています。昨季も高橋宏斗と小笠原の覚醒を予言してた川上憲伸が絶賛してるように飛躍の年になりそうです

打線は計算できる長打のある選手がアルモンテとビシエド、リードオフマンを含めても大島と岡林ぐらいと今季も打線は弱点のままでしょう。ただし、ここ数年のドラフトの成果により1軍半レベルの打力を持つ選手は明らかに増えました。昨季の得点不足は打てない選手が致命的に多すぎたからです。マルティネスを代打とDH、阿部を三塁手、高橋周平を二塁手に昨季の成績を分類した適当算を行うと二遊間と左翼手の成績はこんな感じでした

打てない、走れない+二遊間でUZRを大量に稼いだのは龍空だけ.…

二遊間と左翼手は守備も打撃も1軍レベルからは遠く離れたレベルの選手で1600打席近くを使ったら点が取れないのは当たり前です。またバテた木下が酷く数字を落としたタイミングと石川の離脱が重なったのが痛かったです。打てない上に長打もない打線ではどうしようもありません。ビシエドは完璧ではなく、不調の時もスタメン確約されるレベルの選手とは思いませんが、貧打の原因は彼の責任ではないです。打てない選手が少なすぎる問題は2021年も同じでした。2021と2022年に問題だった4ポジションの成績は下の通り

2021は二遊間と左翼と右翼が穴。2022は捕手と二遊間と左翼が穴

2021年はアリエル・マルティネスと福留を代打カウントしましたが、彼らを含めても含めなくても大差ないです。岡林が台頭して福留が衰えて、阿部が復活して福田が故障で沈みました。2021は桂が控え捕手の仕事をして延長戦がなく、オリンピック休暇があったのに対して昨季は桂がケガで延長も再開してオリンピック休暇がなかったので、体力だけ足りない木下の数字が不調になっただけで本質的に何も変わってません。普通のチームなら1つずつポジションを入れ替えていくものですが、3つも4つも穴があったら同時に着手しないと穴を塞いでる間に違う穴が空いてしまいます。大島は高齢ですし、ビシエドも全盛期は過ぎるでしょう

2021と2022の問題は何も変わらず1軍レベルの野手が少なすぎた事です。これは素材と経験、両方の問題でしょう。良い素材は経験と時間が足りないし、長年在籍している選手は素材が悪かったり故障が多かったりしたので打てません

残念ながらアマチュアに即戦力の選手が多い投手と違って、プロのレベルに順応する時間がかかる野手の改革には時間がかかります。努力すれば打てるとか、ドラフトで指名される選手には全て可能性があるなんて馬鹿げた幻想は捨てるべきです。良い選手はすぐ2軍レベル相手には結果を出し、数年の育成期間を経て1軍に定着するものです。それゆえレギュラーが衰える前に良い野手は指名しなければなりません

日本の野球チームは1軍枠29(今は31)でベンチ入り25(今は26)に対して70個も登録枠があって、バント専でも守備専でも走塁専でも左キラー専でも一芸を磨けば戦力になるのですから暖かい目で選手を見てほしいです

高橋周平だって普通のチームなら普通レギュラーはない1軍半の控え選手で年俸2000-3000万円の選手だろうけど戦力外にはなりません。石川も長打力以外の何も見せてないのに救世主のように崇めるのは気が早いです。石川も今年活躍できれば社会人1年目でOPS.800打った福留級の天才なのです。ファンの期待値が高すぎるだけでそれなりには活躍すると思いますが、まだ4年目の22歳に過ぎません。高卒3年で結果を出す選手は複数回タイトルを取るレベルの選手です。村上とか松井とかイチローとか坂本のような怪物級ではないだけで長い目で見る必要があります。現代のプロ野球はトップ選手のレベルは落ちてないものの、競技人口をサッカーやバスケットに取られたため、野手の選手層が明らかに落ちています。12球団あるため20代中盤を過ぎて1軍で活躍し始める遅咲き選手も増えてるのに、プレッシャーをかけすぎるのは無価値です

今季はOPS.650以上というリーグ平均より少し劣るレベルのまともな打者の数が劇的に増える事で石川昴弥への過剰な期待や高橋周平への過剰なヘイトが減るといいなあと思います。京田も阿部もレギュラーの脇役レベルの打者に過剰な期待をかけていた時代から抜けられる第一歩になると思います

また今季にある程度の打力を形にする事で佐々木 麟太郎のような将来の大砲候補を1位指名する余裕が生まれます。高校生は村上とか大谷とか森のような誰が見ても凄くて3年以内に一流になれる選手を1位指名し、藤島や岡林のような無名のハイスペ素材を下位指名すれば良いのです

落合GM時代に高校生を取らなかった事が低迷の原因という理解不能な指摘もありますが、高校生が戦力になる可能性は低いです。2位や3位は大学生や社会人で実力がある選手を取る方針で全く問題ないでしょう。落合GM時代に1位指名した小笠原がエースになり、藤嶋は便利屋の星になっているのですから

今季は与田政権時代の高卒投資と投手陣整備の恩恵を受けるシーズンになりそうです。打撃陣への投資がようやく少し身を結び、昨季から70点くらいは得点が増えるでしょう。失点も減るでしょうから得失点差はプラスとなり、Aクラスには入れると予想します。優勝はヤクルトと阪神がコケて巨人やDeNAが爆発しなければ可能性はありますが、流石にそこまで飛躍するのは厳しいでしょう

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