マンチェスターシティ2-3リヴァプール

アリソン9ダイク3コナテ7ロバートソン5アーノルド7ファビーニョ6チアゴ9ケイタ6サラー4マネ9ディアス7ヘンダーソン2フィルミーノ-ジョタ-ジョーンズ-クロップ7
MOMマネかチアゴかアリソン

先週のリーグ戦で倒せなかったリベンジマッチでFA杯の決勝進出を決めました。CLを全力で戦わざるをえなかったシティに対してCLでメンバーを落として余裕の勝ち抜けをしたリヴァプールはベストメンバーの1つで戦う事になりました

お互いに厳しい日程での連戦となったこともあり、ミッドウィークにかかった負荷の違いもあって前半はシティのインテンシティ不足となり、逆に後半はリヴァプールのインテンシティ不足で前後半の内容がガラリと変わった一戦となりました
ファビーニョ・チアゴ・ケイタという我々のMFで最も技術に優れた3人で相手の相手の守備陣のクオリティ不足と低いインテンシティに助けられ前半は3-0で完璧なスタートでした
オフサイドにはなったもののケイタ→チアゴ→アーノルド→サラーへと繋がった場面や1点目のCKを奪うまでのビルドアップや3点目のチアゴとアーノルドの素晴らしい連携からのマネのスーパーゴールといった夢に見た中央からの崩しを見る事が出来ました

一方で後半は前半45分で50タッチと攻守に効いていたケイタが後半28分9タッチ、ケイタに代わったヘンドも17分で僅か7タッチ7パスでパス成功4本、チアゴも前半42タッチが後半42分(ロスタイム考慮で37分)22タッチに減りました。逆に前半でファビーニョは28→36タッチ、ダイクとコナテも38→32と27→29ロボは45→45アーノルドは38→33でFW陣もタッチ数は減っておらず中盤省略のサッカーになり前半の崩しも幻だったのかと疑う内容に一変しています

見返してみれば苦し紛れにチアゴへパス→チアゴが凄い技術で打開したり危険なファウルを受け続ける展開が前半から何度も見られており、ビルドアップの苦しい場面は多々ありました。またロボとディアスの関係で強引な突破で何とか繋いでいた場面も多く組織的に敵のプレスをかいくぐっていたというよりは個人技の即興プレーによるものだったのかもしれません
リヴァプールの中盤にはチアゴとファビーニョを除けば超一流の選手が不足しているのは事実ですが、足りない質を補うビルドアップの原則も不足しているのも事実でしょう

後半は3-0とリードした事で勝ち抜けを確信したからかチーム全体のインテンシティを落としました。結果的には大成功でしたが、アリソンの個に救われて勝利を収めるギリギリの勝利となってしまいました

この試合でさえなかったのは決定機を決め切れなかったサラー、スピードある相手FWに対してカバーできなかったダイクでした。この2人がこれだけ冴えない試合でもメンバー落ちのシティに勝てるようになったのはチーム全体の力がついてきたからで感慨深いものがあります

以前は試合数が増えると明確に失速していたリヴァプールですが世界一の選手層を揃えて4冠に挑める最強スカッドになってきました。それでもサラーは代表で1200分以上も戦っており、既に4500分以上の稼働になっています。これはヘンドが1415シーズンのフル稼働で壊れた時のような恐ろしい稼働っぷりで来季の反動も気になるレベルの酷使です
AFCON後のサラーは守備スタッツとシュート数とロストが増加し、得点数が減少しています。90分当たりのシュートは1本以上増えているように決定機に絡めていますが、それでも得点数は大きく減少しており不振と言わざるを得ません。ただゴールやアシスト以外の部分では最低限のプレーは出来ており少しずつ休むようになっているので、そのうちパフォーマンスを取り戻してくれるはずです

個の疲労を除くチームとしての問題はやはりIHの質とアーノルドの控えだけが残ります。ただアーノルドはプロ意識が高く年に3500−4000分の稼働を見込める選手ですから彼の控えを獲得するのは現実的ではありません。またワンビサカ、レギロン、冨安などビッグ6()と言われるクラブのレギュラーでも攻撃面での能力は不満が残る選手も多いのが現実で彼らの控えはエメルソンだったり結構なお笑いプレーヤーです
ツィミカスのような世界トップ5レベルのサイドバックを控えに保持できている事の方が異常事態であり、SBの質を備えたチームは非常に稀です。カンセロとウォーカーを抱えるシティ、チルウェルとリース・ジェームスを抱えるチェルシー、デイヴィスやパヴァールを抱えるバイエルン、ヌーノとハキミを抱えるPSGだったりメンディとカルバハルを抱えるマドリーだったり、強いチームはレギュラーまではしっかりしています。しかしシティですらジンチェンコのようにこのレベルでプレーするには苦しいレベルの選手が控えを務めており、控えにツィミカスのようなトップレベルの選手を抱えているチームは殆どいません

なのでRBの控え問題はゴメスの出場時間管理に繋がると諦めているわけなんですが、IHの問題は補強が必須です。これをいうのはもう何度目なのかという感じですが、筆者はアンカーと守備的MFの右側をやるヘンダーソンには満足していますしIHのヘンダーソンには全く満足していません

特に基本は安全パスで味方を困らせる代わりに危ないロストをしないヘンドが右の前に居て守備範囲が狭く危険なロストをする代わりに決定的な仕事が出来るケイタが左の後ろに居る事が特に気に入りません。この日もチアゴが前でヘンドが後ろの場面もありましたが、ヘンドが前で何もできない時間が続くのはストレスでした

ヘンダーソンを前に上げても出来る事は右サイドに流れてクロスくらいです。何度かミドルを決めるようになりましたが、決まったミドルは長い距離を走り込んでワンタッチで蹴り込むミドルが多いので高い位置でこぼれ球を拾ってそのままミドルみたいなシーンは見た覚えがありません。IHとして及第点のプレーができるのはチアゴを除けばケイタと最近の良い時のジョーンズくらいです

しかしクロップの就任以降、出場時間の割にパフォーマンスのレベルが低い選手は常に補強によって出場機会を減らしたり、契約満了で退団したり移籍で放出されたりしてきましたので今夏はIHの補強に動くでしょう
クロップの戦術は世界トップで戦うには厳しいレベルだと思うのですが、選手を改善する資金を持ったビッグクラブにおいては戦術よりも正しい選手を残して正しい選手を補強して相応しくない選手を放出する能力の方が大事だということをクロップは教えてくれました

もちろん、全てが理想通りだったわけではありません。私はずっとワイナルドゥム売ってIH補強して欲しかったのですが、クロップは彼を放出したくても選手層が薄かったので彼を放出できなかったのでしょう。ようやく選手層が揃った今季に契約を切る事が出来ましたが、昨夏にロクなMFが市場に出なかったのは凄く運が悪かったですね
私が欲しかったのは1819だとファビーニョ/ケイタ/ゴレツカ、1920だとブルーノ/フェキル/フレンキー/コヴァチ、2021だとチアゴ/アラン/パーティが欲しくて2122だと(未来のカマヴィンカは恐らく欲しい選手のレベルに成長するだろうが)誰も欲しいと思いませんでした

マネとディアス獲得時に低評価するほど無能なトラップ原理主義者なのでロチェルソやエンドンベレを地雷認定するくらいに本当に欲しいMFが少ない私の問題かもしれませんが、なかなか良い人材が市場に見つかりません。可能ならばモドリッチを2年契約してジョーンズをローンに出して成長を促してほしいと考えていますが、ああいった素晴らしい選手はなんだかんだ契約延長するものです
今年も候補となるのは契約が残り1年となる天才IH&守備的MFのカケレ、チュアメニやモハメド・カマラといった守備的MFくらいでしょうか。4−3−3を継続できるタレントを考えるとカケレ1択であり、4−2−3−1や4−4−2のような戦い方を増やすならばチュアメニやカマラも素晴らしい補強になりそうです

チェンボやミルナーといった適性ポジションがなくて戦力として計算するには苦しい選手、オリギや南野といった大事なカップ戦要員、リヴァプールの戦力には成りえないがPL残留を争うチームなら重要な戦力となれるナットやネコたちを売却し、売却資金を元に足りない中盤の補強を行う来季が最強のリヴァプールになる事は(故障などのトラブルがなければ)確定です
ですが、その最強リヴァプールが完成する前に4冠の可能性も出てくる辛勝となりました。大きな目標を達成するために次のマンチェスター・ユナイテッド戦も戦力差を活かして勝利を勝ち取りたいですね

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