リヴァプール3-3ベンフィカ

アリソン7マティプ3コナテ6ゴメス6ツィミカス9ヘンダーソン6ケイタ6ミルナー3ジョタ7フィルミーノ9ディアス7サラー6マネ4ファビーニョ6チアゴ6オリギ-クロップ8

1stレグのリードを守ってクロップがCLの舞台に復帰させてから5年で3回目の準決勝進出です。1718は冬の移籍でコウチーニョ、準決勝でチェンボを、決勝戦でも試合中にサラーを失い敗北し、1819シーズンに優勝して以来の準決勝ですね
1920シーズンも2021シーズンも主力に故障者が出たタイミングで負けてしまいましたが、今季は久しぶりに故障者なしで対戦相手にも恵まれる展開となっており3シーズンぶりの優勝への期待が高まります

2試合合計で6-2となってからは明らかに手を抜いた試合となり追いつかれてしまいましたが、アーノルドを休ませつつ終始安心して見る事が出来ました。インテンシティが下がったのでボールホルダーへのプレッシャーが甘く相手の裏抜けで2点を失ってしまいました
2点目はゴメスが深く守ってオフサイドラインの設定に失敗する癖を突かれて失点。3点目はギリギリのタイミングで抜け出した相手FWが上手かった事もあってマティプとコナテのギャップを突かれました
4冠を狙う異常な日程を戦う中で勝ち抜けがほぼ決まった所で手を抜くのは仕方がありません。故障者もなくローテをして勝ち抜け出来たので満点の結果となりました

控え組でもツィミカスは左サイドバックとしては世界でトップ5に値するレベルの選手になりましたし、コナテも世界トップ10に入るレベルのCBです。ディアスは右でも真ん中でも左でもフィルミーノと連携してドリブル突破を繰り返し、フィルミーノは前線で起点になり続けて2点を取りました。ケレハーも含めて彼らはワールドクラスの実力を持ちながら少ない出場時間で素晴らしいパフォーマンスを披露してくれる頼もしい選手です

一方でレギュラーすら1枚足りないIHの控え組には不満も残りました。ケイタは技術的には素晴らしいものを見せてくれましたが、判断のスピードだったり瞬発力不足から来る守備範囲の狭さに問題を抱えています
ベンフィカはダーウィン・ヌニェスなど素晴らしい選手を抱える良いチームでしたが、プレミアリーグのライバルであるシティやその下のチェルシー、トッテナムといったクラブと比べても落ちる相手なのに及第点のプレーしか出来ていません。現在の世界最高レベルのリヴァプールでもローテ要員には十分な選手ですが、レギュラーを掴めるレベルの選手にはなりそうもありません

この試合にミルナーが使われたのは契約延長を望むクロップやリンダースがフロントへの抗議で使ったのか、試合に出られないガス抜きで使ったのかは分かりません。しかしながらミルナーとの契約は今季で終わりでしょう
彼が居なければ1617シーズンを4位になれなかったでしょうから現在のリヴァプール復権の功労者であることには間違いありません。ただ年齢的にピークの時でもペップが来る前のシティですらレギュラーを取れないレベルの選手でありヘンダーソンと比べても劣る選手です。年齢を重ねた今、世界最高レベルのスカッドとなったリヴァプールでの居場所を勝ち取れない事は仕方がありません
3年間も試合に出続けてボール拾いをしていたワイナルドゥムに非情なオファーを出す冷徹なフロントが今のミルナーにロクな契約を提示するはずがありません。ミルナーが他のプレミア残留/降格を争うクラブから提示される給与よりも下の給与でのオファーとなるのは間違いありません

ワイナルドゥムを放出した事はチアゴとケイタが居る試合ではプラスとなりました。ただ彼が出場していた3500分を埋めたチアゴとケイタが元から出ていた出場時間をチェンボ、ジョーンズ、ミルナー、エリオットが穴埋めした結果としてポイントを落としている事が問題ですね

シティとはガチンコの殴り合いで2試合トータル4-4。ホームでチアゴとアーノルドを欠いたことが痛手となり、アウェイでの試合に関してはベストメンバーで若干負けていたほぼ互角の試合だったので仕方ありません
チェルシーに対してはホームで相手の退場で10人となったのにエリオットとヘンダーソンという地獄のIHコンビで勝点を落とした事が痛恨でした。またアウェーでも何故かケイタなどよりも優先してミルナーを起用し、彼の不要なファウルから失点して2-0のリードを逃してしまいました
トッテナムもシティに2勝出来るだけの戦力を持ったチームでホームで強いチームですから敵地でポイントを失ったのは仕方がありません。ロボが妥当な退場となったのにケインが退場にならないなど判定に泣かされた部分もありました。この3チームは強いので、ここで失った10ポイントは仕方ないです

一方で2敗したウェストハムとレスターはどちらもファビーニョ・ヘンダーソン・チェンバレンのトライアングルでした。チェンバレンはブライトン戦でも1-0でリードしていた場面で負傷したケイタに代わって前半早くから投入され2-2と追い付かれることになりました
チェンボが45分以上MFとして出場した試合では2勝1分2敗です。しかも2勝のうちの1勝はノリッチ相手にも0-1でリードされており、彼がチアゴと交代してから3点を一気に取って逆転した試合や上記のブライトン戦を含み実質的には1勝4敗です
カラバオ杯に優勝した際も喜ぶ味方をよそに不機嫌な様子で最近はベンチでも暗い表情が目立ちます。ただMFとしては失格としか言いようがなく、FWでも殆どの試合で消えている現状クロップが彼を使わない事は正しい判断です。ディアスの加入もあり夏に退団するのは間違いないとみて良いでしょう

ジョーンズはブレントフォード戦でスーパーゴールを決めるなど攻撃面では活躍もしていますが、前半戦は守備の穴になる事が多く彼の授業料の為にブライトン戦やブレントフォード戦でポイントを落とす事になりました
エリオットはシーズン開幕時に格下相手に起用されて勝利を続けた事から過大評価を受けていますが、チアゴ、ケイタ、ジョーンズより明らかに序列が下でベンチ外になる事も珍しくありません。まだまだIHの戦力として計算するのは厳しいです
出場時間が多いヘンダーソンもアンカーやダブルボランチのような守備的MFとしての役割では貢献していますが、IHとして高いポジションでプレーすれば凡庸なプレーに終始しています

IHに関してはチェンボやミルナーやエリオットといったサイドハーフに1番適性がある選手を無理矢理IHで使ってチームが機能不全になっているので補強が必須です。ただ下記のようにシティと比べても選手層では上回っており、唯一にして最大の弱点はMFだけとなりました

リヴァプールとシティのスカッド比較表。シティには我々のアーノルド、ゴメス、ケレハーといったクラブ育成選手が居ない(来季からフォーデンが該当するが)のでCL登録枠が最大21

リヴァプールはレギュラーで唯一チアゴだけがふくらはぎの問題で2度ほど離脱し、コロナウィルスに感染したため出場時間はレギュラー選手の中で最も少ない時間となってしまっているが、他の10人は3000分近く出場できています
チアゴが休んだ分と控えの出場時間をケイタ、チェンボ、ジョーンズ、ミルナー、エリオットの順で争っていますがレギュラーと遜色ないレベルの選手が揃う他のポジションに比べて明らかに弱いです

今夏にカルヴァーリョの獲得が決まっており、MFとFWの便利屋を務めるチェンボの代役には十分です。あとはレギュラー格のIHを補強できれば今夏の移籍市場は売却に専念する事が出来ます
もちろん衰えが隠せないマネとフィルミーノについても世代交代が必要であり、FWは更なる補強の可能性は否定する事が出来ません。それでも来季には最高のチームが見られる事を確信させてくれるゲームでした

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