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アオルタ先輩へ愛をこめて

先日Twitterを見ていた時、かなり興味をひかれるゲームの紹介ツイートを見つけた。
ゲームの名前は「狂気より愛をこめて」。
何を言ってるかわからない男の子を攻略する恋愛ゲームとの事だった。

いつか別記事で紹介したいと思っているが、私は「ときめきメモリアルガールズサイドシリーズ」がとても好きなのだ。
元々、いつも見ているゲーム実況者のレトルトさん、牛沢さん、蘭たんさんの実況で好きになり、実際に自分でも4をプレイして、完全に沼にハマってしまった。
それ以来、いわゆる「おもしれぇ男」が出てくる恋愛ゲームが大好きで、その点「狂気より愛をこめて」は私の大っっ好きなジャンルに違いなかった。
また、好きな実況者さんもこのゲームは必ずプレイしてくれるだろうと期待していた。
すると期待通り、蘭たんさんとフジさんが実況をしてくれていた。
思った以上に全く何言ってるか分からない男たちと、予測不能なとんでも展開、凝ったかわいいスチルの数々。
購入を決意するまでにそう時間はかからなかった。


※ここから先、ゲーム内容のネタバレがあります。あまり確信に迫らぬよう気をつけますが、事前情報ゼロからプレイして、自身でおもしれえ男をとっ捕まえたいという方は、必ずここで引き返してください。


早速購入。
作者さんが言った寝言だけで構成されているオープニング曲と共に、攻略対象達がにっこにこで登場。
もう既に気分は高揚している。
ゲーム開始時点で私は実況動画を視聴済みのため、4人の攻略対象達がそれぞれどんな人間なのか、サラッとは分かっていた。
と共に、今回攻略する対象は既に定まっていた。
今回のターゲットは「アオルタ先輩」である。

アオルタ先輩

彼は学園の生徒会長を務める、真面目で超絶クールな異国語話者だ。
見てわかる通り、何を言っているか全く分からない。
このゲームはフルボイスなのだが、彼のボイスは全て逆再生のため、リアルタイムで話していることはそう簡単には把握出来ない。
その点でゲーム実況に不向きなのか、今回私が実況を見たお二人は、アオルタ先輩が何を言ってるか分からないと困惑し、別の子をターゲットにしていた。
それでも私はアオルタ先輩一択だった。
何を言っているか分からなくても攻略したくなるくらい見た目が好きだったので。
むしろ実況であまり見ていない分、未知な部分が多くワクワクした。

満を持してアオルタ先輩が登場する。
ん〜〜〜〜〜〜顔がいい!食べちゃいたい!!!
そして本っ当に何を言っているか分からない。
でも私は知っていた。会話のログを見れば何を言っているか分かるということを。
だから問題なく会話はできたのである。Happy。
しかし、あるシーンで私は、表示されている異国語が五十音に対応していることに気づいてしまった。
そして、いちいちログを確認しないと会話できない状況に不満を感じ、この現状を変えるため、ある事を始めた。

アオルタ五十音対応表

それは、アオルタ先輩が話す言語と五十音の対応表を作成すること。
最初こそ、会話ログを頼りに文字を当てはめていったが、あらかた揃ってきたらあとは文字を覚えていくだけ。
たったこれだけの手間で、私はアオルタ先輩ととってもスムーズにお話できた。
よく、外国語を覚えるにはその国の人と付き合うことが一番の近道だと言うが、それを疑似体験したような気持ちになった。
やはり何事も愛が原動力になるのだなとしみじみ思う。


2年生で転入してから、4月、5月、6月…と日々を送っていく。
日々の授業や、オカルト研究部の活動、お昼ご飯、放課後などの日常も、うなぎ飛ばし大会、夏祭り、体育祭、文化祭、クリスマス、お正月などのイベント事も、アオルタ先輩がいるからいつも楽しい。
本当に色んなことがあった。
嬉しいこと、恥ずかしいこと、面白いこと、1年間の全てを出来る限りアオルタ先輩と共にした。
ゲームを進める度に私の解読スピードも上がり、それがまた嬉しかった。

アオルタ先輩は、いつも真面目で何事にも一生懸命。生徒会長としてあるべき姿や、両親が期待している姿であろうと必死に生きている。
いつも図書室で勉強をし、行事には全力で参加する。
人に接する時は基本的にとっても優しい。
規律には厳しいが、人に怒ることは無い。何か困った事があっても、人を責めず自分の落ち度を認める姿勢は本当に尊敬に値する。
しかも意外とノリが良く、言語が通じてなさそうな私とも何かと一緒にいてくれるし、一生懸命勉強も教えてくれる。
ただ、運動は苦手でちょっとドジでいつもちょっと恥ずかしい目にあっている。
こんな感じで、まあとにかくとってもかわいいのだ。


※この先私の様子がおかしくなっていくと思うので、気分が悪くなったらそこで引き返してください。


そしてなんと言ってもスチルが軒並みエッッッである。
ときめきメモリアルGSから考えると、通常序盤のスチルは挨拶程度で、あれ?好きかも?となるくらいものなのだが、それに比べてアオルタ先輩の序盤に登場するスチルは、「うなぎ飛ばし大会で鰻にまみれ、あんなところにまでうなぎに侵入されている」というかなり攻めたスチルなのだ!!!!こんなんダメじゃん……。
このスチルを見た瞬間私は、この人を選んで正解だったなと思った。

それ以降も、勉強を教えてもらった時、プレゼントをあげた時、一緒にお祭りに行った時…と順調にスチルを回収し、出てくる度に大絶叫した。
クソデカ感情になりすぎて、半ギレでプレイしていった。

その中でも私が好きなスチルは、夏休みとハロウィンだろうか…。
夏休みで起こるイベントは、なんやかんやあって私の家にアオルタ先輩が来て、アオルタ先輩のシャワータイムを覗いてしまうというもの(説明不足)。
スチルが肌色すぎるのでボワァッとさせておく。
しかし、ボワァッとさせたことによって何故か尚更良くない感じになってしまった。あわわ。しっぱい。
by the wayメガネ外してて可愛いね。
しかもお風呂を覗かれたくせに、風呂から出た後に「ふふ、君は面白いな」と言って笑いかけてくれるところがまた良い。
このシーンには、アオルタ先輩の懐の深さと愛の大きさを感じて、私の心もシャワー後のアオルタ先輩みたいにほっかほかになった。

お風呂スチル


ハロウィンは、私がトリックオアトリートと言うと、お菓子を持っていないアオルタ先輩が覚悟を決めて服を脱ぎ始めるというものだ(説明不足)。
ハロウィンの「トリック」をえっちなことと決めつけている先輩。一体どんな教育を受けて育ったのか…。
いいぞ、その調子で健やかに育つんだ…。
私は「耳を執拗にもむ」という選択肢を選び、結局かなりイケナイ展開になってしまった。
アオルタ先輩は耳が弱いらしい。最終的には泣かせてしまった。
1人の部屋であんなに全力で「泣いちゃった!!!」と言ったのは後にも先にもあの瞬間だけだろう。

ハロウィンスチル


このように、このゲームのスチルは全てが「はなまるあげちゃう!!!!」という感じなのだ…。
際どい・可愛い・かっこいい、あらゆるスチルを取揃えている。
見る度に絶叫すること間違いなしなので是非お試しを。
賃貸にお住まいの方は音量に気をつけないと苦情不可避かもしれないので、その点だけ忠告させて欲しい。


そんなこんなで刺激的で幸せな日々を送り、ついに迎える最後の日。
アオルタ先輩は3年生なので、卒業の時がやってくる。
彼の卒業間近で訪れる告白のチャンス。
…ここから歯車が狂い始める。
怒涛の展開。あんなに毎日楽しかったのに。あんなに一緒に笑ったのに。どうして?
そんな気持ちになり顔を顰めながらも、なんとか踏ん張りラストシーンを迎える。

エンディングが2パターンあるのだが、その詳しい内容までは私の書いたもので知って欲しくは無いので、結末について詳しくは触れない。
ざっくり言うと、どちらも切ないエンディングだ。
私にとっての幸せって、アオルタ先輩にとっての幸せって一体なんだったんだろう。これ以外の選択肢はなかったのだろうか。二人が幸せになれるような未来って最初からなかったのかな…。なんとも言えなく辛い気持ちにさせられ、黙ってスタッフロールを眺めていた。
私が期待していた理想の展開とはいかず、タイトル画面に戻る頃には切なさで胸がいっぱいになっていた。

でもだからこそ、アオルタ先輩と過ごした1年間が美しく輝いて見えた。
何物にも代えがたい時間であったと思えた。
実際プレイした時間はせいぜい5時間程だったと思う。
それでも私にとってはアオルタ先輩と過ごした大切な1年間に違いなかった。


私を5時間でここまで引き付けたアオルタ先輩は本当に魅力的なキャラクターなのだと思う。
また、このゲームが私をここまで必死にさせたのは、内容、ノリ、デザイン、音楽、ボイス全てが好みだったからだと思う。
際どいスチルが満載で、全攻略対象が意味のわからないことを言っているため、パッと見はかなりバカゲーに近いものを感じるが、その真髄には言語を超えた愛がある。そしてその愛によって突き動かされてしまうという、新しい感覚を味わうことが出来るかなりの傑作なのではと感じた。
これが大袈裟だと思ったら1度プレイして見てほしい。あなたも彼らの不思議な魅力に取り込まれてしまうかもしれない。


最後に今一度アオルタ先輩への思いを綴っておきたい。

アオルタ先輩と過ごした1年間(5時間)は本当に美しいものだった。
アオルタ先輩は、愛が言語を超えること、言葉が通じなくても心は通わせられることを教えてくれた。
たとえ結末が望まぬものであったとしても、出会えてよかったと思う。
これからもあの日々を忘れることはないだろう。
アオルタ先輩へ愛をこめて。

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