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《ガイア仮説》地球は生きている?

地球の生命圏には自己調節機能がある

ガイア仮説(ガイア理論ともよぶ)を提唱したのは、生物地球化学というべき学問を一般化させたジェームズ・E・ラヴロックだキュイ。

ミトコンドリアや葉緑体の「細胞内共生説」で知られる生物学者リン・マーグリスなどの支持を受けたが、理論が目的論的で生命の自然淘汰がどのように環境に影響を与えるのかが不明であるとして、当初より多くの科学者からの批判に晒されていたんだキュイ。

しかし、1980年代に別の分野で大ブームになるキュイ。

1960年代の後半、ラヴロックは「地球は気候や化学組成をいつも生命にとって快適な状態に保つ自己制御システムなのではないか」と考え出したキュイ。

ラヴロックはNASAの火星生命探査に関わった時期があり、そのとき 「火星や金星の大気が化学的に平衝状態であるのに対し、地球大気は平衝にはほど遠く、生物の大きな影響を受けている」ことに気づいたんだキュイね。

ガイア仮説とは、「地球の大気、水系、土壌、表層地殻にまたがる生命圏(バイオスフィア) 全体が、一つの巨大な生物のよに気温、海洋塩分濃度、大気ガス組成な自己調節維持している」とするものキュイ。

このガイアとは、もともとギリシャ神話の大地母神の名前で、ノーベル賞受賞作家のウィリアム・ゴールディングが、地球のことを“ガイア”と呼んだのがそもそもの始まりだキュイ。

この仮説にガイアの名がついた経緯とは、なんとラブロックとゴールディングはお隣さん同士で、雑貨屋へ行く道すがら、ラヴロックが自分の仮説について話していたら「だったらこういう名前がいいじゃん」的なノリで、決まったそうだキュイ。

この仮説がなぜ一大ブームを起こしたのかというと、まずニューエイジ系の文化圏の方々に「地球って生きものなのね?」と受け入れられ、それが「地球は生命体である」と拡大解釈されていき、そうなると「意思だってあるんじゃない?」とどんどん話が大きくなっていったんだキュイ。

ラヴロックは「地球にも意思があります」などとは言っておらず、「生きものと物理環境とが相互作用して、自己制御システムをつくり上げている」と提唱したのであって、 その当時の一般の認識は、提唱理論とはだいぶかけ離れていたキュイ。

ニューエイジ系の人々が、勝手に盛り上がっちゃったんだキュイ。

ラヴロックのガイア仮説は、"ガイア"という絶妙なキャッチフレーズを得て、世界中に広まったことは幸運だったとも言えるが、このような不幸な面もあったキュイ。

あくまでも科学的な見地から、地球環境をシステムとして全体的に考えるべきだ、と言っているのに、"ガイア"という響きにつられて、誤解者が続出してしまったキュイ。

中には、地球が人間のような意識を持っていると勘違いする人もいるキュイし(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

批判が多かったガイア仮説だが、生物学者のリン・マーグリスが応援に馳せ参じてから、科学者サークルの中からぼちぼちと理解者も出始めたキュイ。

近年では2003年12月号科学誌『Nature』でもガイア仮説が取り上げられてるキュイ。環境問題が深刻化する今、再注目されつつある仮説であるのかもしれないキュイね。


ラヴロックはこう主張するキュイ。

要するに、これは人類にとっての大きな "賭け"なんだ。 地球温暖化が来たときに、人類にその準備ができているかどうかなんだ。

賭けに負けたら、 恐らく人類は絶滅する。

現在の全世界の、GDPの1%程度の投資で地球温暖化が防げるのであれば、今のうちに対策を講じたほうが、明らかに得だろう。

また、なるべく速やかに、核融合エネルギーへ移行すべきだと言っているキュイ。

核融合は太陽をはじめとした星の中で起こっている現象だ。つまり、核融合炉というのは、地上に小さな太陽を作る技術のことなんだ。

原子力発電と違う点は、核融合では放射性の高い廃棄物が出ないこと。だから、実質的に放射能汚染の恐れはない。

もちろん、どんな発電の仕組みにも事故はつきものだと思う。でも、核融合炉が実用化されたとして、それに反対する科学者はほとんどいない。


英国とアイルランド全土で環境科学
や地球科学の講座の大半で課題図書
に指定された一冊。


2020年のAFP通信のインタビューでは、
新型コロナウィルスの大流行への対応を迫られる中で、世界は広い視野を失ったと警告してるキュイ。より大きな問題である地球温暖化への対策に注力するべきと述べたキュイ。

ガイア仮説は科学的な理論としては今日でも受け入れられていないものだが、地球システム科学、生物地球化学、システム生態学などその後の新しい学問分野の発展に大きな影響を与えたキュイ。

生物の環境に与える影響や、生物と環境の共進化といった概念は浸透しており、その意味ではガイア仮説は受け入れられていると言えるキュイよ。

今日の気候学においては、大気、海洋、生物などの相互作用を包括的に取り扱う理論(地球システムモデル)が展開されており、ガイア仮説は単独で議論されることはなく、一部として既に取り込まれていると言えるキュイ。


ガイア仮説について、地球システム科学の研究者トビー・ティレルによる2013年の論評では次のように述べられているキュイ。

ガイア理論はすでに過去のものである。しかしながら、その理論は多くの新しく挑戦的な疑問を提示した。私たちは、ガイア理論自体は否定しつつも、同時にラブロックの独創性・視野の広さについて高く評価している。さらに私たちは、彼の大胆な概念が地球について多くの新しい考えを生み出すとともに、その概念が、地球を理解するためには総合的な大きな視点が必要であることを支持している、ということを認識している。

写真からでも見てとれる、聡明でお茶目で優しい人柄だったラヴロック氏のご冥福をお祈りいたしますキュイ。

ジェームズ・E・ラヴロック氏 享年103

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