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ミラーポジションとミラーリング

こんにちは

名古屋で「基礎から始める心理劇」をしているプレイフルネスUNOです。

最初だけいつも勢いがいいので、頻回にUP( ´∀` )
日頃、サイコドラマやドラマセラピーをしていて私が思っていることを書いていきます。

この一つ前に「サイコドラマのダブルはどのようにするのか」という記事を書きました。
ダブルは主役の動きを模倣し、同じような姿勢をとります。
サイコドラマの日本での大御所 増野肇先生は
「ダブル技法(二重自我法) 主役が選んだ「もう一人の自分」の役割をとる補助自我を"ダブル"と呼ぶ。ダブルの役割は、主役が自分の気持ちをうまく表現できない時にサポートをすることである。ダブルは主役の隣に立ち、主役と同じようにふるまい、喋り、主役の言葉を繰り返すうちに、主役がまだ表現できていない気持ちを引き出す手助けをする…」とあります。

「ダブルと同じようにふるまい、喋り、主役の言葉を繰り返す」ことはまさに鏡のようです。ミラーじゃないんかい…(つぶやき)

記事のイラストを見てみましょう。ダンスしているどちらか一方がダブルで、模倣をしていると思ってください。
主役は自分の様子を客観的に見るために、ダブルに一人でダンスしてもらい、後の木のところに立ってみていたら、その主役が観察している場所がミラーポジションなのです。

主役が観察している場所がミラーポジションとは、面白いですね。

増野先生はダブルには主役のサポートをする権限(?)を与えていますが、サイコドラマのミラー技法では
「ミラー技法 (鏡技法)主役が自分自身の行動を演じた後で、主役そっくりに演じる主役役の補助自我をミラー(ミラー役)という。主役自身が自分の役を演じる補助自我を外部から鏡を見るように見ることで洞察を得る技法である。ミラーはダブルと違って人格はなく、主役が言った通りのセリフを言い、演じたとおりに演じる

例えば、主役が鉢植えの花とロールリバーサル(役割交換)をする時、鉢植えの花役だった人が主役のミラーをする という感じです。

ミラーをするとはミラーリング???

さて、ミラーリングですが、これは私がドラマセラピーを学んでいるので、うっかりよく使う言葉です。

アメリカのドラマセラピストでアメリカドラマセラピー学会元会長
ルネ・エムナーの文献には 
「パートナーのミラー 他の人と共感するさまざまな方法の中で、ミラー・エクササイズを通して相手の人になるという偉大な方法はないと思う。…(中略)…伝統的なミラー・エクササイズは、ダンスムーブメントセラピーや演劇ワークショップの中心要素である。2人の人を向かい合わせにし、1人をリーダーにし、もう1人の人を鏡像にする。鏡像になった人はリーダーの動きをできるだけ正確に追いかけるようにする。…(中略)…しばらくして、組になった2人の集中度が高まってくると、鏡像になった人が、リーダーの動きをほとんど予測し、または、直感までわかるようになってくる」

このミラー・エクササイズのように相手の動きを模倣すること、その身体の感覚から相手の感情も感じることをミラーリングと私は呼んでいます。ドラマセラピーの自分の師匠である尾上先生は、「動きながら、相手の感情も感じていきましょう」とよく言っています。

ミラーリングを意識するとサイコドラマのダブルがやりやすくなるので、よく活用しています。

そして、ミラーリングにはものすごい力が秘められています。
なんとアメリカでは自閉症児の治療に導入されています。
自分も取り入れていますが、なかなか面白い。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

<文献>
増野 肇 増野由美子(2024) サイコドラマをはじめよう 人生を豊かにする増野式サイコドラマ,p184.金剛出版.東京
エムナー,R.(2007) ドラマセラピーのプロセス・技法・上演(尾上明代訳).北大路書房.京都
日本心理劇学会 土屋明美・茨城博子・吉川晴美(2020) 心理劇入門  理論と実践から学ぶ,p68-69.慶応義塾大学出版会


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