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小説 占い師ケン

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繁華街で占いをして生計を立てているオレ。まあ、スナックのお姉さんたちがメインのお客さまだが、たまにサラリーマンやOLさんもやってくる。営業時間は夕方から2、3時間。そんなまったり…
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#未希

占い師ケン 第3話

 小声とはいえ、オレにはしっかり聞こえた。オレの善意は、あの映画の犯人と同じなのか。あまりにショックだった。おもいっきり、落ち込んだ。その日は部屋で寝込んだ。誰の電話も出なかった。翌日も寝込んだ。食事も採る気もなかった。その次の日、オレの部屋のドアのベルが鳴った。何回も、何回も・・・そのうち、ドンドンと音がした。でも、オレは出る気が起こらなかった。だが、しばらくしてドアは開かれ、人が入ってきた。 「ケンちゃん、大丈夫なの?」 「あれ?ゆうこママ?恵子も?」 「ほんと、心配し

占い師ケン 第4話

 未希さんは最小限の身の周りのものを持ってきて、オレたちは同棲をはじめた。一緒に住むというのは、いろいろと勝手が違ってくる。オレ一人ならよかったことが、だめだったりする。占い帰りの炉端はほぼなくなった。いつも未希さんと晩御飯を囲んだ。未希さんの要望は、そんなに気にならなかった。一か月暮らしてみて、オレは未希さんとの生活を満喫していた。 「そろそろ1ヵ月ね。どう、一緒に暮らしてみて?」 「こんなに楽しいとは思ってなかったから、最高だね。」 「じゃあ、本当に越してきていい?」