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小説 ボクのライフワーク

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パソコンの組み立てが好きで、店で部品を探している時に見たこと無い部品と出会った。その部品をなんとか動かしたら、未来のパソコンだった。そのパソコンから未来のいろんな技術を覚えていっ…
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#小説

ボクのライフワーク 第1話

 ボクは、竹内智志(たけうちさとし)。なんか、学校では陰キャなんで、無視する連中が多い。まあ、いじめの標的にされてないだけ、ましだけどね。クラスの中に幽霊のように存在するだけ。特に部活なんかしてないし、成績は中の下だけど、補習を受けないといけないほどでもない。だから、家でもうるさく言われることもない。  ボクの趣味はパソコンだ。自分で組み立てる。中古の部品を買ってきて、自分オリジナルの高性能の、まあ、自己満足のパソコンを製作することに、楽しみを見出している。パソコンの部品を

ボクのライフワーク 第2話

「トムはいつ製造されたの?」 「西暦2064年です。」 「なんで、2020年にいるの?」 「わかりません。」 「タイムトラベルできるというわけかな?」 「2064年でも、それは空想物語です。」 「そっか。」 ということは、もっと先の誰かが、トムを今以前に持ってきたことになるな。 「ところで電源は?」 「私の電源を、そのままオンにしておいて下されば、自由に充電します。」 「どういうこと?」 「空気充電です。」 「だから、それはどういうこと?」 「空気中の電気を、自由に集めてこ

ボクのライフワーク 第3話

 その晩、父親が帰ってきたので、この話をした。 「でね、5億は、とうさん、かあさんが好きに使って。残りはボクの分でいいでしょ。」 「そりゃ、サトシが稼いだお金だもんな。おとうさんたちは、サトシに感謝しないといけないな。」 「ありがとう、サトシ。」 「でも、黙っておいてね。」 「そりゃそうだろ。これがばれたら、大変なことになるもんな。」 「だけど、どんなパソコンなんだ?」 「それは内緒。」 「そっか。」 「だけど、これだけあれば、もっとゆったり生活できるよね。」 「そうだな、サ

ボクのライフワーク 第4話

 加藤さんはついに音を上げて、前田助教に助けを求めたが、前田助教にも分からない。結局、大橋教授にも話を持っていったが、大橋教授も図面のすごさには感心していたらしいが、結局どうやったらうまくいくのかわからなかったみたいだ。 「もう、これが解けるのは、あんたしかおらへん。」 「それ、ライフワークにする?」 「あほか、一生考えてられんわ。」 「わかった、3ヵ月あげるから、がんばってみてよ。」 「くっそ~、負けへんで。」 加藤さんはかなりの負けず嫌いのようだ。見てて、飽きないよ。

ボクのライフワーク 第5話

「大手企業の内部ネットワークに侵入して、誹謗中傷を暴くこともできますが、いかがしますか?」 それは・・・まずいだろ。でも、その企業のいじめを受けている社員はかわいそうだよな。 「ちょっと、考えさせて。」 「わかりました。」  痕跡は残らないようにできる。さて、どうするかな。ボクは、誰もが知っている大企業の内部ネットワークを見てみた。フィルタをかけてみると、この会社もひどいものだ。多分、上層部は知らんのだろうな。下手すると、上層部が隠し立てしている恐れもある。それなら、知って

ボクのライフワーク 第6話(終)

     

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