訪日ガイドライン

これって本当に旅行業に携わっている人が作ったんでしょうか?

一応業界歴20年、内インバウンド歴15年の私ですが、とてもそうとは思えない。

何かよく分かってない人が、判断の基準や表現は出来るだけ曖昧に、旅行業者に対しては責任を押し付けて厳しく、最悪社名公開するからね!と脅しをかける。

そもそも今時、全行程添乗員付きパッケージツアーって何やねん。
こんな条件で観光渡航再開させたの日本くらいでしょう?
人数は1名〜制限なし。
個人旅行なのか団体なのか、旅行業法的には結構ポイントなのに曖昧で、こちらも対応に困る。

実際、私がいる国では、この場合は通常であれば添乗員付きでも個人旅行にあたるけど、こっちの政府もガイドラインに翻弄されたのか、今は団体旅行は販売禁止やで、罰金やでとの事。

自由行動は添乗員の目が届く範囲で30分までが目安らしい。
海外の人にとってはショッピングも日本旅行の大きな魅力の一つなのに、マツキヨで1時間買い物とかもアウト?
数名のグループなら、全員一緒に添乗員がべったり付いて動けばOKなのかも知れないけど、お客様的にも嫌じゃない?
周りの日本人は好きに買い物してるのにね。

食事も基本的な感染防止対策が取られた場所で、と曖昧に書いてありますが、マスク着用、食べる時は黙食でいい?と聞いたら、基本的にパーテイションがある所、もしくは各席1m離せ、との事。
日本のレストランって今、ほとんどパーテイションがあるんでしょうか?
1m離すのも非現実的でしょう。
それがなかったら、陽性者が出た時には即、濃厚接触者認定しまっせ、らしい。
でも、隣の席で普通に食事してる日本人は関係ない。あくまで同行者間の話ですから。

外国人は日本人より感染しやすい?うつしやすい?
添乗員が見ていたら感染しない?
とされている謎。

現状こちらでは、ガイドラインで必須項目とされてるコロナ補償対象の旅行保険もない。
コロナは流行性の伝染病扱いですから。

日本現地で外国人観光客が入れるコロナ補償保険を使うしかないけど、ピンキリで数万円かかるものも。そこまでして行きたいか疑問。

ちなみに外国人観光客で陽性になった場合の医療費は、お客様は各自の保険補償範囲内のみ負担で、あとは自治体持ち。
伝染病法上では、外国人観光客も自治体が全額負担となるものの、何で日本人の税金で負担せなあかんねんという世論を汲んで、コロナ補償保険必須とした訳です。
多分、コロナを伝染病から外せば、自国の普通の旅行保険でも補償できると思うのですが。
そういった事が整ってからオープンさせれば良かったのにね。

あと、海外の旅行業者に向けて出した資料なのに、なぜ日本語のみ?
数日後に後追いで英語版が出るとありましたが、不可解な日本語版を読んだだけで、もう英語版を見る気も失せた。
あれを翻訳させられる人も気の毒。

必ず守るべき規則なのか、推奨なのかハッキリしない項目が多い上、「必要に応じて」、「自治体に確認」ばっかり。
自治体とは、都府県?市?町?村?
外国語が通じる病院を事前に探しとけ?
いつどこで、どんなシチュエーションで、何か熱っぽいとか喉が痛いとか言うお客様が出るか分からない。
ポイント、ポイントで先に調べたはいいが、夜中に車でその病院まで一時間かかる場所にいたらどうするの?旅行業者も後で自治体から責められたら面倒なので、微熱でも救急車を呼ぶの?

濃厚接触者かどうかの判断は保健所がするって何?どこの保健所?
保健所だって責任逃れで、何言ったって濃厚接触者と言うだけでしょう。

それを言われた旅行業者は、陽性者と濃厚接触者を離団させて待機用のホテルを手配。発覚した場所によっては、ホテルまでどうやって連れて行くの?
他のお客様もいる場合は、添乗員も付き添えないし。タクシーで数時間とかの場所だったら、お金もすごくかかる。

あとは他のお客様は引き続き案内する中、航空券の変更手続き、医療保険の確認等はもちろん、必要に応じて、病院での通訳まで手配しろと言う。

濃厚接触者がホテル待機中に仮に途中で帰国したいと言ったら、大使館に出向けと。これだってお客様に勝手に行って下さいとは言えない。何かしらアテンド要るでしょ。

都府民から叩かれるのを心配して断られたのか大都市はスルー、地方滞在のみの謎の実証実験。
わずか数人のグループで、陽性者が出ても、手配もお金の心配もない実験。
何の意味もない。

しかも陽性者が出て、実証実験ツアーは即中止しましたって、本物のお客様だったらそれじゃ済まないんですよ。

数人での検証だったら、
既に開放されてるビジネスビザと同じやん。
こちらは添乗員も不要で、ある程度規制はあれど、自由度は高くて、ほぼ自己責任。

いきなりオープンは出来ないのも分かるけど、
建前上の茶番に付き合わされる旅行業者の身にもなって欲しい。

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