トリックマジック備忘録【445位 最高1736/最終1689】


初めまして、Gakuと申します。
今回はポケモンSVの公式大会、トリックマジックに参加してきました。
詳しいルールはこちらをどうぞ。

まあ早い話がゴースト統一パ限定大会。
実は十年前、六世代のころにもほぼ同種の大会がありました。
あれのためにいろいろな人に声をかけてフレ戦させてもらったのもいい思い出です。私の統一戦、その源流ともいえるのがこのゴースト統一のミラーマッチ、ここでは霊ミラーと称させてもらいますが、それなのです。

前置きはほどほどにして構築紹介。
2万6千人もいた参加者の中で500位以内といえば聞こえはいいですが、レートは1689。二度ほど1700は超えましたが陥落しました。
連敗するとほんとごっそり減りますね。
一応初日13-2
二日目が9-6
三日目も9-6
ではあったもののラストで三連敗をしてしまったのが悔やまれます。

最終成績
最大風速1736

パーティ紹介

まず初めに大前提として、
これは私の特殊な事情なのですが、霊ミラーというものを先述した六世代の大会以降、ずっと十年間やり続けてきました。
それに基づく経験則とやや偏ったメタ知識において私はパーティを構築しており、そこを説明するときりがないためそういうものだと割り切ってください。
ざっくり言えば、メガヤミラミが存在せずミミッキュおよび先制技に支配された対面構築前提のメタゲーム。というのが剣盾末期までの認識です。

そのうえでこの程度の戦績なのは、テラスタルやサーフゴー、ラウドボーンらがこのメタゲームに与えた影響が大きいということで一つ。
もっと強くなりたいものですね。

ミミッキュ

積みエース、メタ枠

ミミッキュ@ラムのみ NN:くれむつ
ばけのかわ
テラス:あく
いじっぱりH4-A252-S252
じゃれつく
かげうち
つるぎのまい
くさわけ

シンプルなASミミッキュですが、あくテラスとくさわけが目を引くでしょうか。
くさわけはシンプルにゾロアークの下から加速して処理するためのものです。副産物として水テラサーフゴーなんかに命中安定をとれるがえらかったですね
あくテラスの意図は後述しますが、ゲンガーヤミラミ構築をハメるためのものです。おそらく練習会でのトップメタとなっていた構築でしょう。
ラムなのもそういうことですね。
加えて電磁波にやられた思い出がかなりあったので本番直前で妖精の羽根からラムへとチェンジしました。

結果的にサーフゴーへの安定性が格段にあがったのでこちらは正解でした。
選出率は初日や二日目までは比較的高かったものの、対戦数が増え上位帯とあたるようになってきた三日目からは流石にミミッキュで押し通れるほど甘くない構築が増えてきて勝ち進むごとに選出率は下がっていきました。
ゾロアークとラウドボーンとサーフゴーがいると厳しいのはさすがに出せませんね。
積まなきゃサフゴに勝てないけどラウドいるし、なによりゾロアーク出てくると無駄になりかねないっていうのが。

ハバタクカミ

特殊アタッカー、メタ枠

ハバタクカミ@ブーストエナジー NN:ヌレハ
こだいかっせい(S)
テラス:あく
おくびょうH4-C252-S252
ムーンフォース
シャドーボール
あくのはどう
みがわり

こちらもシンプルなCSハバカミ
ただやはりあくテラスとみがわりがテンプレ外でしょう。
ゲンガーヤミラミ構築メタの採用ですが、その前にゲンガーヤミラミの基本的な動きを説明しますと
スカーフゲンガーでトリックやどくびしを行い、その後ヤミラミで金縛りアンコールを決めるというもの
決まった時のロックは凶悪で無策だと蹂躙されかねません。
そこでラウドボーンとこの子の採用を決行しました。これもわりと直前のこと。
ラウドボーンを採用することとゲンガー、サーフゴーを採用していないことで毒菱の有用性が一気に上がります。

こんな面子ですから毒を撒けるに越したことはない。
まずもって先発にゲンガーが出てきます。
ならばそれを迎え撃つのがこのヌレハちゃん
S活性でスカーフゲンガーの上を取り身代わりを設置
あちらはゾロアークかもしれないゲンガーに対しシャドボができないことをわかっているので悠々と毒菱を展開
しかしこれでハバタクカミは身代わりを残すことができます。
あとはシャドボで消し飛ばせばいいですね。
カシブや襷、ノマテラやゾロアークバックを疑うならば悪波でもいいのですが、そこはお好みですね。
二日目までは悪波をしてましたが耐えられるわ怯まないわ呪われるわで散々な挙句、反撃してくる人はおらずみんな毒菱連打だったのでもうスカーフと決め打ちして終盤はシャドボで沈めておりました。

んで問題になってくるのがこのあと。
シャドボでゲンガーを落としてしまうと意気揚々とやってくるのがヤミラミです。
ノーマルテラスを切りながら上からアンコールで相手を封殺する。基本の動きがぶっささるわけです。
もっともそれは
相手があくタイプじゃなければ。
の話ですが。

そう、悪タイプにはいたずらごころによる変化技は無効となります。
したがってヤミラミの放つ妨害はこのハバカミには一切無効
そして悪になることによりおそらくワンウェポンが主流であろうイカサマも半減。
そしてハバカミは非常に攻撃種族値は低いポケモン、CS振りとはいえど半減イカサマで身代わりを割れるほどのダメージにはなりえません。
そうなってしまえばヤミラミを下げるほか選択肢はなく、こちらはムンフォでも悪波でも連打しているだけでイージーウィンが決まります。
この手法で実際上位勢相手にも3タテが決まったり、そうでなくとも2.5タテぐらいはしてくれることが多々ありました。

またはじめはかなり耐久に振っていたのですが、Sを削ると活性の都合Cも削ることとなり、さらに同種ミラーで上を取られるとあくテラスであることが致命傷になるためおとなしくCS特化になりました。
これが怪我の功名とでもいうべきか、HBサーフやラウドボーン相手に押し込む役割もこなしてくれたのでいい判断だったと思います。
選出率はゲンガーヤミラミ相手には100%
そうでなければゾロアークと特殊アタッカー枠で相談といったところで4~5位ぐらいでしょう。
ミミッキュがワーストなのは確定ですが、ゲンガーヤミラミ特効を考えると4位ぐらいですかね。


イダイトウ♂

先発、スイーパー

イダイトウ♂@きあいのタスキ NN:わだつみ
てきおうりょく
テラス:みず
いじっぱりA252-B4-S252
アクアジェット
アクアブレイク
おはかまいり
こわいかお


こちらもどシンプルなタスキイダイトウ
面白ポイントの怖い顔は不意打ち回避用でしたが、そもそもコイツより早くふいうちをしてくるのはドラパルトぐらいであり、透かしたところでクリアボディでした、なんてオチが想定でき使えたもんじゃなかったので、ここはおとなしく高速移動かいっそクイックターンやかみ砕く、あるいは電気テラバなんかがあってもよかったのかもしれませんね。

イダイトウ自体はシンプルなのですが、ゾロアークと併用していることでタスキへの警戒が甘かったような体感を受けます。
実際どれだけの効果があったのかはわかりませんが、ゾロアークのタスキを警戒されるような小突かれ方をよくしていたのでおそらくは効果があったのでしょう。
役割としてはタスキを盾に先発で荒らす動きと、逆にタスキを維持してスイーパーをやる役割の二種類を両立していました。
ただやはりお墓参りの存在もあって終盤のスイープがとにかく強かったです。最終日の選出はほぼ、ミカルゲ先発、ゾロアーク、イダイトウの並びで戦っていました。
一度1800帯の人とあたって先発以外ほぼ同じ動きしていたのは笑いましたね。ゾロアーク同速ゲーにさえ勝てていれば……!

ゾロアークとのシナジーは他にもあるのですが、それは後述するとして
ASであったことで耐久サーフやソウブレイズなど、本来Sで負けているはずの相手にも上を取ることができたのが非常に有用でした。
相手が水テラを切ろうとも、150になった適応力お墓参りは痛いので、それまでにどこまでサーフゴーを削れているか。みたいな勝負ばかり終盤はやっていましたね。
選出率は堂々の2位。スイーパー枠だったミミッキュが動きにくかったのもあり大活躍でした。

ゾロアーク(ヒスイのすがた)

特殊アタッカー、削り役、中継ぎ

ゾロアーク@ナモのみ NN:いなり
イリュージョン
テラス:ゴースト
むじゃきH4-C252-S252
かげうち
はたきおとす
シャドーボール
きあいだま

満を持してヒスイで登場した最悪のノーマルゴースト
耐性だけでも優秀なのにイリュージョンのせいでゴースト技が打ちにくいったらありゃしない。
正直言ってこれのいるいないで読みあいの質が変わってくる気がしていたマスト枠。
だと思ってたんですけど、一位の人いれてなかったんですよねたしか。
たしかに慣れてくるとそもそもゴースト技の採用率自体が落ちてきたり、ってのもありましたが、偶発的な事故をケアするためにもよほどの自信がない限り入れたい枠だと感じました。
イリュージョンによる心理的効果を抜きにしても、
ゲンガー相当のCSにかげうち、そしてゴースト無効はあまりに無法。
あくまで私は、となりますが採用したかった一匹です。

動きとしては先発ではなく中継ぎ以降で繰り出す削り役。相手にゾロアークがいないならば先発から出してそれこそイダイトウなどゴースト技以外で攻めるポケモンに化けて出ることもありましたが、基本は削りと影うちやそもそものSをもってうち漏らし処理がメインです。
ミミッキュ相手に叩きを入れることで皮をはがしたうえでじゃれを耐え、テラスされなければそのままもっていくことができます。
ノーマルテラスを切られると返り討ちだったのですが、そのための気合玉。
まあ対面でうつ勇気も機会もついぞありませんでしたが、採用していてよかった技ではありました。悪やノーマルテラスに上から勝てる手段がある。
というだけでも絶望的な詰みは回避できますからね。
問題はよりどころが気合玉であり、命中率の問題が突き刺さってくることなんですけれどもね。

じゃあASにして瓦割でも積むか、といえばそういうわけにもいかず、
このパーティ特殊アタッカーがハバタクカミとゾロアークであることがネックです。
練習会を経てHBサーフが強いことが発覚するとたちまちそれは数を増やします。
それに対処するためには特殊アタッカーは必須といえました。
シャドーボールを採用しているのも偽装目的というよりは純粋な威力目当てのものです。

これが役立った試合が結構多く、イダイトウと絡めた動きがサーフゴーの相手をする上で非常に便利。
みずタイプのイダイトウ相手にサーフゴーはゴールドラッシュを即決しにくい。
であればシャドーボールを打ちたくなるのが人の性。まあ10万がすっとんできたこともありましたが、無邪気とはいえその程度は耐えます。
シャドボであったなら万々歳、こちらはゾロアーク。それは無効です。
いなりってNNにしてしまったがために変態仮面がたまによぎったのは本当に申し訳ないとも思ってる。バカめそいつはわたしの…

HBサーフに対してシャドボが入ればまあそこそこのダメージにはなります。
等倍になっていたらまあ4割弱程度でしょうかね。
さてここで火を噴くのがゴーストテラス。
裏に控えているのは適応力のタスキイダイトウ
相手はすでにテラスを使用済み。であればここでテラスを使ってしまったとてなんら困ることはありません。
強いて言えばタスキゾロアークが控えていた場合詰む。ってぐらいです。
受けきれると思っていた相手に突如として威力の跳ね上がったシャドボが突き刺さるわけです。
それ以外の場面でもまさかゾロアークとわかった状態で相手はかげうちを打てませんから、テラスシャドボをねじ込んで勝つ試合も少なかったですがなくはなかったですね。
選出率は終盤一気に伸びて3位。特殊アタッカー兼中継ぎの枠をハバカミに任せるときもありましたが、やはり影うちの存在は大きいものがあります。

ミカルゲ

先発、削り、対耐久

ミカルゲ@ロゼルのみ NN:ダミー
すりぬけ
テラス:あく
のんきH252-A60-B100-C4-D92
かげうち
ふいうち
しっぺがえし
どくどく


※調整意図
臆病カミのムンフォ+臆病ゾロアークのシャドボ耐え
意地ドラパの1舞珠ドラゴンアローを最高乱切り耐え

堂々の選出率1位。ミカルゲです。
ロゼルにより実質弱点無しとなったこの子はまずもって対面でワンパンされることがない。
なんなら一人で1~2匹持っていく有能っぷりを存分に発揮しています。
もともと実は悪テラスのカミに勝てないということで今世代は微妙かなぁなんて思っていたのですが、
某ましましなシンオウ統一勢から意見をもらい、怪訝な顔をしながら試してみたらやれそうだったのでこねくりまわしてみたのがこの型でした。
感謝ましまし。
まず想定と違ったのは悪テラカミ自体がほぼいなかったことでした。
私と一部のゴースト統一組が頻繁に霊ミラーをやっているとしょっちゅう出されていたのでてっきり主流かと思っていたのですが、どうにも同じメンツでやり続けたあまり個人メタのきらいもある独特のメタゲームになっていたのが敬遠の発端だったことが練習会で発覚しました。
この型の前身としてHB特化で毒の代わりに嫉妬の炎を採用したものを使っていたのですが、まあ強い。ただ嫉妬はそれほど使わないしBが過剰。
そのうえ過去作からの流用個体でテラスがゴーストだったため新規育成。
ちょうどそのころラウドボーンが練習会で出没しはじめそれのメタにソウブレイズが提案されていたあたりでした。
そしてそのソウブレはやけどが効かないうえに、あまつさえミカルゲをビルドアップの起点にしようとしてくる始末。
そうだ、どくどくを積もう。
これが大正解。
サーフゴーにだけ通らないのがネックでしたが、ラウドボーンやソウブレイズ、ヤミラミにミカルゲミラーは毒が大安定。
すりぬけで身代わりも貫通ですし、いたずら変化技は無効。
ゾロアークだったとしてもあちらはこちらを2発で倒すことはできず、どうせタスキでしょうから毒でも十分。殴ってくるならふいうちで沈めます。
挑発されても結局殴るだけですからね。何もないターンというだけでディスアドはない。

これらの観点から先発で非常に腐らないポケモンになりました。
別パターンとしてはゲンガーヤミラミに対してテラスタルを切らずとも悪タイプであることと毒があることでヤミラミに強い枠として後続に控えてもらうこともしばしば。
テラスタイプに関しては、毒や炎でもいいと思いますが、そもそもミカルゲにテラスを切らされるような場面はそれ一枚で勝負を覆せるとも思えず、それであればあくゴーストを半減に抑え、しっぺや不意打ちの威力が上がる悪テラスの方が有用と考えました。
切ったのは一度だけだったので、運用とかみ合っていたのではないでしょうか。
文句なしにウチのエースでした、ダミーくん。

ラウドボーン

物理受け、対積みエース

ラウドボーン@食べ残し NN:フォーコ
てんねん
テラス:みず
ずぶといH252-B252-C4
フレアソング
シャドーボール
テラバースト
なまける

本番直前に採用された対炎枠
とにもかくにもソウブレイズが重く、返り討ちにする手段を考えていたら水テラに思い至った次第。
ゴールドラッシュを半減できるのは電気も同じであり、サーフゴーとソウブレイズを天秤にかけソウブレイズ対策に重きを置いたテラスタル
結果論的にいえば、電気だったらサフゴを見れたし、サフゴ多かったなぁ。という印象。
なんならソウブレイズはわりと草テラがいたのがもう悲しい。

まあとはいえミミッキュを封殺できる点は本当に信頼できるものがあったので今後もおそらく採用するだろう一匹、なによりワニ好きなんですよ。最初に選んだのもホゲタでしたし、かわいいし。
天然物理受けの圧倒的詰ませ性能と、ミカルゲの毒が相まって序盤、というか初日の13勝に超貢献してくれたのがとてもえらい。
連勝すればするだけ手早くレートは上がりますからね。
あえて悪い言い方をするならばメタ外の有象無象が多くいる下位層からさっさと抜け出してしまいたい。というのは常に意識していたので、
わからん殺しで詰ませられたのは感謝しかないよなぁと。
逆に終盤になるとこの子を見越してサーフゴーがやれ十万だのなんだのしてくるせいで撃ち合って負けるのがネックでしたね。
そういう意味では今回1位だった方のラウドボーンはお見事だったなぁ。と思います。
近いところまで発想はあっただけに悔しいものもありますがね。
選出率は終盤ほぼ出せなくなってしまい5位

改めて最終結果

今回の私の構築は長いことやってきただけあっておそらく最適解に近いものは持っていけたんじゃないかなぁ。とは思います。
そのうえで、足りなかったのは構築ではなくプレイング面での細かい動きだったり、甘えや日和見、欲をかいた結果などが招いたものでしょう。
もちろん、運負けもなかったとは言いませんが。
それから、最適解を持ってきたとしてもそれをメタる動きは当然あるもの。
上位陣の人たちはそれがお上手だったなぁと肌で感じました。
まあ、水テラ10万サーフゴーに薄いという部分は多いに反省すべきでしたし、あくまで最適解に近いだけで最適解じゃないのはそういうとこも含めて。

総括

十年ぶりのゴースト統一の祭典。
負けたくないの一心でこの二週間ほど死に物狂いで駆け抜けましたが、楽しかったですね。もう十年はやりたくないですが。
ここまで全力でやりきったら、結果に不満はあれど、悔いは残らぬものだったなぁと感じます。
最後に、長々と酔った頭で書き綴ったものを読んでくださった皆様と、
意見交換に付き合ってくれたスズさん、めいぷるさん
一緒に考えてくれたレシアさん、ゆぅさん、ステラさん、
練習会仲間大会を開催してくださった各位、本番を含めた対戦相手の皆様
ヌレハの悪テラスを代行してくれたねこいちさん

そしてなにより、この十年間ずっと霊統一として戦い続けた弟子であり、最高のライバルである霊統一かいはくへの謝辞をもって備忘録を閉じさせていただきましょう。

ありがとうございました!!

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