可能性を信じて


#映画にまつわる思い出

私が映画の素晴らしさを知り、趣味が映画鑑賞になったきっかけとなった作品が「今を生きる」です。全寮制の男子高校生が規律や両親の期待に縛られ、自分の存在価値を見いだせず、夢を抱くことすら許されない環境の中で、英語の新任教師と出会ったのをきっかけに、ある生徒は夢を叶えることを、またある生徒は初めて自分に自信を持つことで、生きることの素晴らしさに目覚めます。この英語の教師は奇抜な授業で最初は生徒にも「変わっている」と思われるのですが、生徒一人一人の心に寄り添い、うちに秘めた可能性を引き出していくことで、次第に生徒の気持ちを掴み魅了していきます。そんな中で、夢を叶えることを許されず絶望した学生の自殺という悲劇にも見舞われますが、それでも生徒たちの教師を慕う気持ちは最後まで薄れることはありませんでした。
夢を抱くことは素敵なことだし、夢があるという人生は生きることを豊かにします。もちろんそこには挫折や絶望があるかもしれません。実際私がそうだから。現実を生きていくのがやっとで夢を叶えようと思う気持ちが正直もう殆どありません。だけどこの映画を見ると、もう少しだけ頑張ってみようかなという気持ちになってしまいます。自分にしか出来ないこと、自分にしか思いつかない発想、創造力。自分を信じてみたい気持ちがまだ少しだけ残っているうちにやってみようかなと思ってしまうのです。
生きるということはやっかいです。大変です。疲れます。でも自分という人間はこの世でたった1人だから、自分にしかない可能性を信じたい。

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