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Loupedeck Liveレポート(平瀬 友喜 /平瀬楽器)

はじめに

弊社はいわゆる田舎の町の楽器店。ヤマハ音楽教室をメインに楽器の小売や修理などの事業を行っています。で、ぼく自身は経営者兼調律師という立場で、営業から楽器の修理、ピアノの調律まで、まぁなんでも担当をしています(笑)

8年ほど前に突然思い立ってYouTube をスタートし、現在までで985本の動画をアップしています。

2019年。コロナの影響で近隣の学校がすべて休校になりました。それに伴って音楽教室も全てストップしてしまい、売り上げもガタ落ち。前年度比5%(95%マイナス!)という月もありました。で、そんなときに何をしていたかというとライブ配信の勉強をしはじめていました。

コロナになって色んなものが止まりましたが、個人的に一番最初に考えたのが音楽家たちの活動の場所がなくなってしまうのではないかということでした。それをなんとかライブ配信という技術を使って場所を作ることができたら、少しはヘルプが出来るんじゃないかと考えたのがきっかけです。

うちは楽器屋なんですが、地域で行われるイベントの音響の業務もさせていただくことが多くあり、そのおかげで音響機材がひと通り揃っていました。それらの音響機材と、これまでやってきた YouTube の知識とをかけ合わせたらライブ配信ができるんじゃないかとぼんやり考え、取り組み始めたのがこの頃です。

一番最初に手掛けたライブ配信から現在まででちょうど1年と5ヶ月経ちました。現在まででクラシックやポピュラー、演歌のコンサート、講演会やセミナーなどの配信もさせていただき、なんやかんやで約80回ほどの本番を経験させてもらってきました。

とにかく本番をたくさんやらないと技術が上がらないと考え、意識して本番を作ってきました。この80回が多いか少ないかはわかりませんが、それなりの数を経験してきて今ではいざ本番といってもそんなにオドオドせずに取り組めているように思います。

しかし課題もあります。それは配信関係の作業がぼくしかできないことです。特定の人しかできない仕事があるというのは組織としてはダメなことです。なので、どうやって今やってる作業を伝えていったらいいのかというのが最近の悩みの種でした。

そこで色々調べていると、ショートカットを記録して操作するいわゆる左手デバイスというのがあるらしいというのを知り、Streamdeckを購入しようかな〜と考えていたところに今回のLoupedeck Liveのモニターの話があり応募させていただいたという流れです。

前置きが随分長くなりましたが今回のLoupedeck Liveをモニターさせていただきましたのでその使用感をお伝えしたいと思います。

Loupedeck Liveの起動画面


Loupedeck Liveを使ってみて

まずLoupedeck Liveが届いた箱の中に一緒に入っていたのがロゴの入ったトートバッグ。

ロゴがかわいいのでこれは何かに使えるなと思ってニヤニヤして眺めていたのですが、隣でミキサーのセッティングをしていた弟に早速奪われました。やっぱり誰が見てもかわいいんでしょうね。このトートバックは弟が気に入って使っています。

速攻で奪われたトートバック。ロゴがかわいい

で、Loupedeck Liveを実際に触ってみた感想です。

まず写真で見ていた感じだとプラスチックプラスチックしたガジェットという印象だったんですが、実機に触れてみると金属パーツも多く、ちゃんと重量もあり、高級感があるなぁと感じました。そして最も大切なボタンの部分がすべて液晶になっていて発色も美しいので、アイコンや文字が表示されている様子は見ていてもわかりやすいし楽しいなぁというのが第一印象でした。

文字だけでなくアイコンも表示されます。発色もいい感じです

しかし見た目のカジュアルさとは裏腹に若干のとっつきにくさがあったのも事実です。

Loupedeck Liveのソフトをパソコンにインストールして色々なソフトのショートカット等を設定して行くのですが、このLoupedeckLiveは初期設定ではほぼ何も使えず、サイトからプラグインをダウンロードしてきてインストールするという一手間が必要です。

しかもそのプラグインは一般的によく使われているような Adobe 系のソフトなどは提供されているのですが、あいにくぼくはそこらへんのソフトを全然使っておらず、いくつかのプラグインの中から見つけたのが Chrome と GarageBand のみ。

ぶっちゃけChromeに関して言うと、別にこんなデバイスじゃなくても普通に使えますので必要性を感じませんでした。GarageBand に関してはつまみを回すことでスクロールしたりするのはなんとなく直感的にわかりやすくていいなと思いましたが、実際の編集でこれ便利!というのはあまり感じませんでした。

もっともっと使い込めば便利さも感じるのかもしれませんが、GaregeBandは音声をまとめる程度の作業にしか使わないぼくのようなカジュアルなユーザーだとLoupedeckLiveをわざわざ使わなくても大丈夫かなと思ったのが正直なところです。

でも、このつまみが搭載されているのがLoupedeckLiveの特徴で、このつまみ自体も上から押すことでボタンとしても機能しますし、メインの液晶ボタンの下には各ページに移るためのボタンがあるのですが、これにもショートカットを当てることができます。

ですので、いじろうと思うといくらでもいじれるのがLoupedeckLiveのおもしろさかも、と思ったりもします。

ライブ配信での活用を模索

現在はATEM television Studio HDをATEM Softwear Controllで操作してWeb PresenterHDで配信を行っています。残念ながら Loupedeck Liveには Blackmagic 関係のプラグインが提供されていなかったのですが、カメラのスイッチングのためのショートカットをLoupedeck Liveに入れることで、パソコンのトラックパッドを操作してカメラをスイッチングするという作業がボタン1つ押すだけで出来るようになったのはとても便利なことでした。

プラグインがなくても自分でショートカットを登録することは可能です

これから配信の技術を伝えていこうとすると、プレビュー画面とプログラム画面の説明からしないといけないのですが(これが結構こんがらがるみたいです)、ボタンで直接選べるというのは思いのほかわかりやすかったようで、実際に未経験のスタッフに本番で少しスイッチングを経験してもらいましたが、直感的でわかりやすかったと言っていました。

しかし残念なことに ATEM Softwear Controllにはショートカットキーがほとんどなく、ショートカットをLoupedeck Liveに入れて便利に使おうと思っていたのですが、それが一切できませんでした。組んだマクロをボタン一発で再生するとか、ワイプを瞬時に表示するとか、いろんなやりたいことがあったのですが残念ながら出来ずじまい。

ATEM Softwear Controllにショートカットキーさえあればもっともっと便利に使えたのかなと思います。

Loupedeck Liveにはショートカットキーを記録して再生すると言うだけでなく、音を鳴らすショートカットを埋め込む機能もあります。

これはもしかしたらポン出しアプリの代わりに使えるのではと思い、色々触ってみたのですが、Loupedeck Liveにデフォルトで用意されていた音源はボタンをぽんと押すと間髪入れず再生されたのですが、自分の音源でやるとなぜかうまくいきません。

音源の位置が悪かったのかと思い、フォルダの場所を変えたり色々やってみたのですがうまく行かずじまい。結局、この件に関してメーカーのヘルプに問い合わせをさせてもらいました。

メールを送ったのが金曜日の夜中だったこともあり、返答は翌週の火曜日ぐらいに届きました。おそらく本国からの対応だと思うのですが、ちょっとハイテンションな日本語で書かれたメールが届き、結局のところ先方もいまいちわからなかったようで解決には至りませんでした。

ボディやつまみの部分は高級感があります。音声の再生は結局わからずじまい

しかし、その後もあの件はどうなったのかというメールが数日おきに届き、サポートの方の姿勢はすごくキッチリされているなぁという印象を受けました。

実際のところ、個人的には便利に使いたかった配信の部分ではそれほど大活躍はしなかったLoupedeckLiveですが、逆に言うとプラグインがなくても工夫をすればそこそこ便利に使えるんだなということはわかりました。

そしてプラグインが提供されているソフトを日頃から使っていらっしゃる方にとっては、きっと作業効率がぐんと上がる便利なガジェットだと思います。

やっぱりプラグインの提供がこのLoupedeck Liveの普及のキモの部分かなぁと思いますので、そこらへんはメーカーの方々もがんばって増やしていってもらいたいなぁと思います。

今回は貴重な経験をさせていただきありがとうございました。

全然わからないものを組み立てていく感覚はとても楽しかったです。はいどーぞと提供されるのではなく、自分で色々調べて取り組んでいける人にとっては非常に攻略しがいのあるアイテムかなと思います。ぜひ機会があれば触ってみてください。

サイズ感はこんな感じ。小さすぎず、大きすぎず。いいサイズだと思います。 無線だったらもっと便利かも

ライブ配信部とは

「ライブ配信部」はFacebookで活動している、ライブ配信に関わる方々の交流や情報交換を目的としたコミュニティ。キャリアや立場を超えてノウハウを共有し合い、ライブ配信に取り組むすべての人が活躍の場を広げていくための学びの場を目指しています。気軽にご参加下さい。

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