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【音響初心者必見】ハイブリッドワンオペ配信には必須?!ハウリングサプレッサーでハウリングを撃退!

最近のセミナー・式典配信は、会場にオンライン参加者とリアル参加者が混在するハイブリッド配信が当たり前になってきました。
会場の音響も管理しつつ、配信側の音響も管理しながら、スイッチィング、テロップ出し、カメラ操作等、ワンオペ、または少人数で行うにはやることが多くなってきています。
私は、音響に関してそこまで詳しくないので、セミナーとか式典程度の音響までしかできませんが、それでも、会場が体育館だったり交流センターだったりすると会場の設備が配信に向いていなかったり、そもそも音響設備がないなんていうところも珍しくありません。
そんなときは、音響機材も一式持ち込むのですが、配信で使用している簡易のミキサーではチャンネルも機能も足りず、パワードミキサーを持っていったり、アンプだけ追加して、いつもの簡易ミキサーでなんとかするという場合もあります。


ワンオペ卓は、スポーツ競技

ワンオペや少人数だと荷物が増えるとかなり大変になるのですが、もっとも大変なのは、配信中の音響オペレーションです。
卓に自分1人の場合、スイッチングが頻繁にあるときに、ハウリングが起きたりすると反応が遅れてしまいます。ハウリングはいつ起こるかわかりませんし、進行が予定通り進まない場合もあるので、手がすぐに動けるようにスタンバっておきます。もうこれってスポーツ競技ですよねw

前置きが長くなりましたが、今回は、ワンオペや少人数で配信を行う際、ハウリングを自動で止めてくれる「ハウリングサプレッサー」を使ってみました。完璧とまではいかないまでも、予想よりも止めてくれるのでご紹介したいと思います。

ハウリングサプレッサーとは

ハウリングサプレッサーは、ハウリングをおこす周波数を自動で検知し、できるだけ違和感がない程度に抑制してくれるフィードバックサプレッサーです。デジタルミキサーで高価なものには結構内蔵されている場合がありますが、とにかく高価なので、なかなか使う機会がありません。よく使っているミキサーがアナログミキサーなので、これにハウリングサプレッサーを連携したら、ハウリングの心配をしなくて済んじゃないかという邪まな考えで使ってみました。音響に詳しい人にこの機材の話をすると、パラEQとかグラフィックEQを使えば、そんなものはいらん!とバカにされますw
しかし、人数が少ないと準備時間をかけられなかったり、とっさにフェーダーを下げたりやってる暇がない場合がほとんどです。ワンオペや少人数でも回せる!と豪語する人もいますが、トラブるリスクも上がります。

DBX AFS2ハウリングサプレッサー

今回使用した機材は、DBXのAFS2というハウリングサプレッサーです。
この機材の初代は、ディスプレイがなかったのですが、この世代からディスプレイを搭載し、各段に使いやすくなりました。

ハウリングサプレッサー 正面
ハウリングサプレッサー 背面

2チャンネル使用できます。ステレオまたはモノラルで使うことができます。細かく設定すれば、パラEQ並みの動作も可能ですが、今回はデフォルト設定でも使えちゃう内容を紹介します。

チャンネルあたり最大24フィルターを使用可能、最小帯域幅の狭い(1/80oct)ノッチフィルターを採用していて、フィルターはライブ、またはFIXED(固定)、どちらでも使用できます。
固定フィルターモードを使用すれば、ほぼパラEQやグラEQのような使い方もできそうです。
固定フィルターは、会場に合わせて予めシステムをハウリングが起きないように設定できますが、おすすめは、ライブフィルター。
ライブフィルターは、ライブ演奏中に音に追従して自動的にハウリングを防ぐように働きます。
ただ、完全にハウリングを出さないということではありません。
音に追従するので、ハウリングが起こると、瞬時にハウリングを抑えてくれるという感じなので、ハウリングは、少しですが聞こえてしまいます。

ライブフィルターモードのデフォルト設定でハウリングを抑制

設定が大変では、意味がありません。しかも、音響に詳しくないと使えないのでは意味がありません。できるだけ知識不要ですぐに使えちゃう方法を探りましたw
このAFS2のライブフィルターモードは、一度ハウリングがおきた周波数を抑制すると、その周波数は自動的に減衰された状態を継続します。
この機能を逆手にとって、会場で、事前にハウリングが起きるような使い方をしたり、コンプレッサーを多めにかけたり、すべてのマイクをゲイン高めにして話してみたりすると、ハウリングを起こした周波数を自動で抑え込んでくれるので、プロがやっているようなEQのチューニングをある程度省けます。
※ハウリングの初動で止めましょう。ハウリングの放置はNG!
セミナーや式典の場合、音質にこだわるよりも、ハウリングを出さないようにするほうが重要です。
下記のような感じで、ハウリングを抑制してくれます。

電源をいれた初期状態(ライブフィルターモード)

スピーカーの前に行って、2本のマイクで会話したり、コンプをしっかりかけたりして、ハウリングを起きやすくすると

少しハウリングを起こしてみた状態

さらに、スピーカーにマイクを向けてみたり(壊れるのでやめましょうw)

ハウリングをしっかり起こしてみた状態

このような感じで、自動でハウリングがおきた周波数を抑制すると、その部分のフィルターナンバーが点灯します。
どの程度抑制されたかどうかは、ディスプレイで確認できます。

中央のダイヤルを回すと、フィルターの部分のカーソルが動きます。
選択された部分でどの周波数をどの程度減衰させたかを数値で見ることができます。白く反転して「L」となっているところが、先ほどいろいろ試した際に自動で周波数を減衰させた部分です。

DBXマニュアルより

プロは、これを自分の耳だけで判断してるんですからすごいですよね。
私の場合、数値で見ないとわかりませんw

接続方法例

私が試した接続方法は2通り。

ミキサーにINSERTジャックがある場合

DBXのマニュアルより

INSERTジャックはインサーションケーブル(Y字ケーブル)で接続します。

赤い線がマイクケーブル。黒い線がインサーションケーブルです。
INSERTジャックには、TRSフォンを挿します。

1チャンネルでY字1本使用。
上記の場合はY字を2本使っています。

サプレッサー側は、TSフォンTIP(黒)をINPUTSへ、RING(赤)をOUTPUTSへ挿します。

ミキサーのマスターOUT全体に使用する場合

DBXのマニュアルより

配信で使用する簡易ミキサーの場合、INSERTジャックがない場合があります。また、サプレッサーも安くはないので、チャンネル分数を揃えるのは厳しいです。そんなときは、ミキサーのマスターアウトを全部取り込むこともできます。ミキサーとパワーアンプの間に挟むだけです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
音響に詳しい人が必ずメンバーにいるとも限りません。
特にワンオペや少人数の場合や予算の都合上音響のプロにお願いできない場合があります。
そんなときは、ハウリングサプレッサーをレンタルして、ハウリングだけでも抑制できれば、余裕をもってスイッチングができますね。
この情報が皆さんの配信の一助になればうれしいです。

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