青うさぎ「FRAME」感想

母校の卒業生が立ち上げた劇団、
青春の庭のうさぎたち(https://linktr.ee/aousa_gi )の
第5回定期公演「FRAME」を見てきました。
ワクワクしました。枠だけに。

自己満足ではありますが感想を書かせていただきます…!

※ダブルキャスト、トリプルキャストがあるようなので、演者に関する話は見た回によって食い違いが生じるかもしれません。私は8/26の14時の回を見に行きました。


UNO土産


お笑い好きな身としてはダウ9◯◯◯◯を思い出してしまいました()

今回テーマの「枠」って捉え方が様々にできますけど、分かりやすい例として「物理的な枠以外に精神的な枠がある」ってのがありますよね。
僕はコミュ障なので大人数で居る時に自分だけ会話の枠に入れないことがよくあります。
このコントでは「残り1個のお土産を食べた、もしくは食べられた者だけが話題に参加できる=会話の枠に入れる」という構図ができていて、枠の紹介として面白いオープニングアクトだったと思いました。

個人的な要望を言うと、会話の優勢劣勢によって誰かが枠から追い出されたり、追い出し返したり、みたいな応酬も見てみたかったです。その枠が実際に見える、っていう形で表現されてたらめちゃくちゃ面白そう。

東京03の「何かありそうな日」というコントに似た手法があるんですよね。
言い争いの優劣によって立ち位置が入れ替わる表現。
YouTubeで見られるんですけど凄く好きです。

アイデアマネージャーズ

教授の声が平泉成さんみたいで面白かったです。
優しいけど話が分かりにくくて眠くなるタイプの教授なんだろうなあ、と声を聞いただけで想像できました笑

あと、思考課の2人が読んでる書類に「ラーメンなんたら」とか「おせじnet」とか「え」とか書かれてたのが好きでした。作りが細かいのも感動したし、ちょっぴり雑なタイトルの付け方なのが大学生の脳内って感じでリアルでよかった。

ただ見てる時に気になったのは「この演目に枠がある意味とは…?」という所です(良い意味で)。
枠があるおかげで思考課の部屋がハッキリ表されて、観客が見やすい、
というのは勿論あると思います。
けど、究極的にはこの話、枠が無くても一応成立はしますよね。
その上で敢えて枠を設置している意味を、自分なりに考えてみたくなったんですけど…。

人間が思考してる時の孤独さ、を強く感じられたかなあ。

今日あそこでああすれば良かったな、とか、
1人で脳内反省会する経験、誰でもよくあると思うんですけど、
振り返ってみるとめちゃくちゃ塞ぎ込んでますよね。
実際はきっとcode224と227以外にも何人ものメンバーがああだこうだ喧嘩してて、
全然周りが見えなくなってしまう。

脳内反省会なんてレベルじゃなくても、
髪をちょっと掻き上げるくらいの無意識な行動も、その一つ一つが
思考課の無数の会議と喧嘩の末に実現してて、
その瞬間の自分自身って、周りをシャットダウンして
めちゃくちゃ枠の中に閉じこもってるんだろうなあと思います。
普段意識しないそういう部分が、枠の存在によって浮き彫りになって見えて面白かったです。


突発性運命過敏症候群


アンケートでも書かせていただきましたが、
医者と患者のキャラクターがとても好きでした。

医者の淡々と、でも間髪を容れずにツッコむ様が凄く好みです。ここまで間を開けない切り返しはリアルじゃ中々できないので、演劇ならではの楽しみポイントだと思います。
患者の方は、明転した瞬間の表情とポーズ、あれでコミカルな風にも見ていいと観客に伝わりますよね。しかも全体を通して振り返ると、彼はレプリカントの中でもまだ性能は低い方で、そうであるが故のわざとらしい(ロボットらしい)演技だったんだなってのも感じられました。
いやあ上手くできてるなあと個人的に感動していました。

あと、僕は「恋愛は病気だ」と思っているのでこの話は面白かったです。
恋愛は病気。あるいは呪い!←
人は脅迫されたかのように社会的なステータスを必死に求める。
寂しさを埋めて、承認欲求を満たしてくれる存在に依存する。
そのステータスや寂しさを、恋愛と一体どう区別できようか。
理想的な恋愛の在り方はそもそも人間には無理があって、
結婚してパートナーと幸せに一生を終える人はたまたまその病気が、呪いが一生続いただけ。
そんな思いがあるので、いい皮肉だと心の中でニヤニヤしながら見てました。

すみません自分の思想が出ました()
しかしまさかここから100年後、200年後まで飛ぶとは…。


運命の人・オートマチック運命論


上手く分けられなかったので
この2つはまとめて感想を書かせていただきます。
まず、研究員さんの話し方とっても好きでした。
あと所長のキャラクター。
僕はどうやらちょっと自惚れていたり、お調子者っぽいキャラが好きみたいです。

内容について感じたことは…

全て運命が決まっていたら、それって幸せなんでしょうかね。
あるいは、運命に逆らうことは幸せなんでしょうか。

大学生の時、とある授業で教授がこんなことを言っていたのを思い出しました。

「古典力学では説明がつかない現象が発見されて、それを説明する形で量子力学が発展し始めた。量子力学は、不確定性原理によって粒子の物理量が同時に定まらず、確率的な広がりを持っている。対して古典力学は、ニュートンの法則によってあらゆる物質の任意の時間における状態が式で定まる。つまり、もし古典力学が100%正しかったら、俺達の未来は全て決まっていることになる。お前らはそれを良いと思うか?」

人類は、世の中の真理を全部解明して、完璧を目指そう目指そうと社会を発展させてきた。
そういう側面があると思うんですけど、それを突き詰めた先に「人間らしさ」って、果たして不要になっちゃうのでしょうか。
想像もつかないことですけど。

そんな想像もつかない世界を、こうやってSFとして舞台で描いてくれて、
それも母校の後輩達が作り上げてくれて、
目の当たりにできたことがとっても面白かったです。

ハイネが生き延びたことは、果たしてハイネにとって幸せだったんでしょうか。
まあ、ハイネ本人は「運命なんとか装置?」が働くから、そんなこと考える由も無いんでしょうけど。

…と思いきやですよ、考える由がありそうな描写を1番最後にチラつかせてましたよね。
僕はそこに少しだけ、恐怖を感じました。


他にも色々思ったことはあるんですけど、
言葉にできそうな感想だけ書き散らかさせていただきました。

最後に…
第3次世界大戦、300年後も起こってないと良いですね。

素敵な公演をありがとうございました。

我ら青春の庭👊

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