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不確かな言葉を携えて

 少しばかり気が早いですが、なんだかんだ今年もたくさんnoteを書きました。結局今年も愚痴やら悩みを吐ける人が特にいないままだったので、noteにでも書かないとやってられないことばっかりでした。
 今年は特に、ずっと同じような内容のことを書いていた気がします。ずっと同じことで悩んで、結局、欲しかった答えは出ませんでした。

 今年はずっと、誰かに必要とされるための「自分でないといけない理由」を探していました。どうやったらこの探し物に落とし所をつけられるかで悩んで、そのヒントになりそうな内容の小説やエッセイをこれでもかと読んでみたりしました。その結果導き出された答えは欲しかったそれとは真逆で、「自分でないといけないことなんてない」「代わりなんていくらでもいる」というものでした。今自分が座っている椅子にだって別に誰でも座れて、自分がそこからいなくなろうと何事もなく進んでいく。多くの人間は「オンリーワン」になんて初めからなれなくて、別に「ナンバーワン」にもなれない。オンリーワンでもナンバーワンでもないけど、事実として今は椅子に座らせてもらえている。そこには感謝する以外ない。
 ただ、これでは「誰かに必要とされる」という根本の目的を達成したことにはなりません。そもそもなんで「自分でないといけない理由」を探していたのかというと、それが人としての自信やアイデンティティに繋がっていると思っているからです。「(明確な理由の上で)誰かに必要とされている」という事実を手にした人生を、味わってみたいんです。

 「誰かに必要とされ」てみたい欲を満たす方法として一番最初に”恋人”が浮かびましたが、”一時的に満たしたとて”だろうなという気がしています。同級生たちの恋愛の話を聴いていても「楽しいんだろうな~」とか思いますが、自分がそちら側へ参画する未来は見えてきません。
 高校生の時は男子の多い学校だったので「モテない」って言うだけでも言い訳になったのに、大学生になるとそれが言い訳にならなくなりました。みんな当たり前のように恋愛をしていて、何もできないまま、意気地がないまま、若葉マークを大事に握りしめている自分が滑稽で惨めでかける言葉も見当たりません。
 小学生の時の「足が速いから」から始まり、「運動神経がいいから」とか「顔がかっこいいから」みたいな何かしらの参加条件がずっと恋愛にはあってきたはずなのに、それで決められたカーストの中での居心地の悪さがあったはずなのに、いつの間にか制限が解除されていて、することが当たり前になっていて、いつのどのタイミングでそこの価値基準は変わったんだろうと不思議でなりません。その仕様変更はみんな教えてもらえてるものなんでしょうか?
 「やらなきゃ始まらない」みたいな言葉には反吐が出るのですが、メンタルが最高に上向きの時、その言葉になんか納得している自分もいたりします。恋愛に関して自分から行動したら変わるのかな、とか思った何日かが1か月前くらいにあったのですが、結果的には、行動に移してなくて、心持ちを変えてなくて、本当に良かったです。


 人が当たり前にこなしていることを、諦めたい。それに正当な理由をつけたい。


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 ここまで書いて下書きに置いておいたのですが、寝かせてる間に新型コロナウイルスに罹ってしまいました。絶賛療養期間中なのですが、計8日間の療養期間で5日間もアルバイトに穴をあけてしまっています。「代わりなんていくらでもいる」とは言ったものの、「迷惑をかけていい」のとは違います。何もなければクリスマスイブとクリスマスを挟んだ4連勤になっていたので、本当に迷惑をかけています。お客さんがとんでもなく多い2日間はロングだったのでさらに申し訳ないです。「バイト先の人にどう謝る」かしかもう考えられていません。
 この世には「失態がなんか許してもらえる人」がいます。その人の”人となり”がそうさせているのだと思います。自分が人間性でもってそういう人になるのが無理なのは、いい歳なのでさすがにわかります。
 バイト先の人の「今日バイト来れますか?」という電話には97%「いけます」と答えてきた自信があります。恋人がいるわけじゃないのでおおよそのの予定が一人で完結します。誰に拘束されるわけでもない買い物や読書やテレビやラジオを予定と言い張る自信がなくて断れなかった部分もありますが、こういったところで人としての点数を稼いでおかないと僕みたいな人間は「失態がなんか許してもらえる人」に近づけません。
 日々一生懸命積んだ徳を切り崩すことで許してもらう生き方しかできないんです。もっとも、失態をしないのが一番です。徳を積むだけ積んでちょっと有難がられる生き方が一番理想です。
 コロナに罹ってバイトに5日分の穴を空ける失態は、1年半のバイトで積んできた徳や信頼で払いきれるのでしょうか。「これまで電話したらだいたいバイトに来てくれてたのはありがたいけど、コロナになるのは違うわ」と失望されてるだろうし、普通に恨まれてると思います。


 とにかく今僕にできるのは、療養期間を最短で終えて、残された2022年をアルバイトにささげることです。


#327  不確かな言葉を携えて



0:31頃

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