わたしは"ハンドメイド"という言葉が好きではない
突然ですが、わたしは可愛らしいイラストが描けません。
美術や芸術系の学校を出ているわけではありませんので、個性的な発想はありません。
Photoshopは使えますが、illustratorは使えません。
ハンドメイド作家としてお客様にわたしの作品を購入していただく機会をありがたいことに頂いていますが、特出したセンスや技術があるわけではありません。
ただわたしが、おびただしい数の布の中から"この色すてき!ときめく!"と感じた生地を組み合わせ、縫製し、形を仕上げ世に送り出しているだけのことなのです。
時に、目ざましい活躍をされている作家さんの作品を見ると圧倒的センスに驚かされることがたくさんあります。
作品というより、もはや芸術品の域だと感じています。
こういう作品じゃないと続けることは難しいのかな…活躍している方はこんなにセンスのある素晴らしい作品を作るのに、自分の作品はこの程度でいいのかな…と落ち込むこともあります。
――染色から自身の手で行い型紙づくり、縫製、梱包まで全てを一貫して自分の手で行ったものこそがハンドメイドだという声もあります。
私自身、じゃあどこからがハンドメイドでどこからがハンドメイドとは言えないのか。問われても答えることができません。
だって、既製品だって人の手で作り上げているのだから。
自分で手を動かしているかどうか?という点においてハンドメイドというのであれば、ハンドメイドではないモノってこの世に存在するのかな?
ハンドメイド作家として、"ハンドメイド"という言葉に踊らされ、苦しめれることがたくさんあります。
買った布を縫っているだけの私の作品は、ハンドメイドと言えるんだろうか。
自分の手で最初から最後まで作らないものなんて、ハンドメイドって言えない。
ハンドメイドっていうと軽く聞こえて、作品に込めた思いがちゃんと伝わらない。
ものづくりをするという方向性は同じなのに、ハンドメイドという言葉がちらつくと芯がブレるような気がするのです。
だからハンドメイドという言い方はあまり好きではありません。
誰かセンスのある人が、"ハンドメイド"という言葉に変わる素晴らしいワードを世に生み出してくれることをここから期待しています。(←人任せ)
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