久々の自分に挨拶できるか。
偶然入ったその喫茶店は、どこかに置いてきた自分の一部に出会うような空間だった。好きな作家や写真家の作品がここそこに並び、厳選された感じの酸味のある浅煎りのドリップコーヒーが美味しい。カレーに惹かれつつ有機野菜のスープを頼むと、クリーミーなサラダが付いてきた。炭水化物以外での腹具合も満たされ、視界の隅で厨房でひとりテキパキと仕事を捌いていくリズミカルなひと気がまたちょうどいい。
新しい波の中で、置いてきたものを取り戻しつつ毎日を生き進めているが、流れの中で、たまにふと、実らせ