テクノコンピレーション「UNCOUNTABLE POSSIBILITIES」ライナーノーツ
テクノコンピレーション「UNCOUNTABLE POSSIBILITIES」について
現在、コンピ参加者のKOTORI MAJESTYが勤める
東京中野のヨーロッパ古着店LITTLE BIRD店頭にて、
税込み2000円で販売中です。
中野古着屋LITTLE BIRD
KOTORI MAJESTY参加曲はこちらからご試聴いただけます。
「UNCOUNTABLE POSSIBILITIES」ライナーノーツ
「UNCOUNTABLE POSSIBILITIES」、計り知れない可能性という意味。
大人になると、とかく色々諦めがちですが、
だれでも、いくつになろうとも、無限の可能性があり、その追求を創作によってなし得ようという思いから、このタイトルを思いつきました。
我々であれば、それは音楽を作ることで果たすこととなります。
このアルバムにはプロ、アマ問わずに、エレクトロニック・ミュージック、特にテクノを愛してやまず、自分たちで曲を作っている有志8名による楽曲と、気鋭のイラストレーター/デザイナー、おっとりヘップバーンex.阿部ポリブクロウさんによるジャケットイラストによって成り立っています。
音源での参加メンバーは
プロハンバーガー a.k.a 高野政所
MEEBEE a.k.a KAZUHIRO ABO
COZY-D From DUB SQUAD
DJ +ATARI a.k.a 崇山祟
KAMATA MAN a.k.a フランク重虎 ( DOTEC-AUDIO,vidaraudio)
discsystem
○
KOTORI MAJESTY
参加メンバーのほとんどはいい大人ではあるけれど、創作の虜になって、未だに自分たちの真価と成長を音楽に託している面々です。
企画当初は、デトロイト・テクノに影響を受けたテクノでまとめようということでしたが、時間がたつにつれ、決してそれにだけこだわらない、バラエティーに富んだ個性とクオリティーを併せ持つ楽曲の作品集となりました。
「ベッドルームからダンスフロアまで」、陳腐な常套句ですが、音楽性とフロアでの機能性を併せ持った楽曲ばかりです。
以下に私KOTORI MAJIESTYによる簡単な曲解説と、作者による自作へのコメント、影響を受けたエレクトロニック・ミュージックを挙げてあります。
アルバム鑑賞のお供に、ぜひご活用いただければ幸いです。
1.NATURAL DRIVE / discsystem
KOTORI MAJESTYによる曲解説
アルバム冒頭のdiscsystemさんによるフュージョンテクノから、
このコンピの高いクオリティーは約束されてる。
出自がテクノではないと謙遜されていたけれど、
どっこい、皆が好きだったあの頃のテクノ、
すなわちHITECH JAZZを継承しているかのよう!
しなやかに弾む四つ打ちと、ふくよかなベースの心地よさ!
加えて、CROSSOVER / FUSIONからの影響大とおっしゃるdiscsystemさんならではのきらめくメロディーが、めちゃくちゃロマンティック!
コメント
YMOをCROSSOVER / FUSIONと勘違いしたあの日から始まった私の音楽人生。
中盤のソロはマイク・マイニエリやロイ・エアーズっぽい何かをちょっとだけ意識してみました。
影響を受けたエレクトロニックミュージック
YELLOW MAGIC ORCHESTRA / Computer Game "Theme From The Circus" 〜Firecracker
SQUAREPUSHER / Problem Child
DJ ZINC / 138 Trek
4 HERO / Hold It Down (Bugz In The Attic's Co-Operative Mix)
LARS BARTKUHN & HIS PASSION DANCE ORCHESTRA / Treasure Everywhere
2.MEIOUSEI / DJ +ATARI
KOTORI MAJESTYによる曲解説
個人的に鬼リピートしてるのは、
DJ +ATARI a.k.a 漫画家崇山祟先生によるクラシックなテクノ愛に満ちた一曲。
808STATEもかくや、オールドスクールフレイバーの美メロテクノ。
ほんのりあしらわれたブレイクビーツが、
90年代頭のUKテクノハウスを感じさせる傑作!超大好物!
*追記
不動前のインド料理屋でDJ +ATARI a.k.a 崇山祟先生、
discsystemさん、私KOTORI MAJESTYの三人で飲んだ時に話した、
808STATEの代表曲「Pacific State」の影響から、
UNDERGROUND RESISTANCEの名曲「Jupiter Jazz」(崇山先生、後述のフェイバリットにも挙げてらっしゃいます)が出来たって説からインスピレーションを得て,作られたそうです。
で、崇山先生の使用してるDAWソフトableton liveのソフトシンセ音源の中に「PACIFIC」っていう808STATEそのまんまのPADのプリセットが入っているのに崇山先生が気づいて、こちらの「MEIOUSEI」一気呵成に仕上げていらっしゃいました。
本人にも伝えたけれど、
俺が作ったことにしたい!っていうくらい良い曲!!!
ぜひ、沢山の人に聴いてほしい!
■
崇山祟先生の漫画作品はこちらから。
Gペンマジック のぞみとかなえ 崇山祟
崇山祟先生の才能は漫画のみならず、音楽でもすごく発揮されていて、
こちらでたくさん聴けます。
https://soundcloud.com/takayamatatari
こちらで購入もできます。
https://djtatari.bandcamp.com/?from=search&search_item_id=3463959202&search_item_type=b&search_match_part=%3F&search_page_id=2605231913&search_page_no=1&search_rank=1&search_sig=63030b32d44f2e92a83370c6ef697f57
コメント
90年代バイト代をほぼ全部機材に投入していたあの頃から
今はパソコンになってもやっぱり心は機械!わたしのロマン!
影響を受けたエレクトロニックミュージック
Moebius Plank Neumeier Zero Set
μ-ziq within a sound
Underworld Rez
Hardfloor Acperience 1
Underground Resistance Jupiter Jazz
3.GLIDE OVER THE WAVES / KOTORI MAJESTY
この項のみdiscsystemによる曲解説
映画『七人の侍』で例えるならば、島田勘兵衛のような
インテリジェンスと優しさが光るKOTORI MAJESTYさんによる逸品。
タイト且つアグレッシブなビートとワイド感のあるシンセが
疾走感を盛り上げてくれるこの曲を聴いたならば、
きっと貴方は亜空間飛行(またの名をデスドライブ)でデトロイト〜東京を軽やかに音楽旅行できるはず。
コメント
中年クライシス2050を迎えるにあたって、
精神的な安寧のために昔好きだったテクノを作ってみようと一念発起。
楽器全くできない上に、音感も超絶皆無(未だに音の高低差すらわからない)の中年でしたが、
友人諸氏の「叱咤抜き!激励マシマシで!」のおかげで,
試行錯誤とスッタモンダの末に
なんとか積年のぼんやりとした憧れを曲という形に昇華することが出来る様になりました。
参加曲は、90年代当特に好きだったメロディアスでロマンティックな
デトロイトテクノや日本産のテクノを自分なりに鳴らしたいと思って作りました。
太陽が反射して輝く波の上をカモメが高速で滑空しているイメージを曲に託しました。
疾走感とグルーヴを共存させるのに苦心し、特にドラムの打ち込みに力を使いました。
曲後半にようやく出てくるきらめくシンセの音色が気に入っています。
ぜひ、聴いてやってください。
影響を受けたエレクトロニックミュージック
LTJ BUKEM & PESHAY / 19.5 REPRISAL
UNDERGROUND RESISTANCE / JOURNEY OF THE DRAGONS
CHEMICAL BROTHERS / STAR GUITAR
ORBITAL / LUSH 3
RHYTHIM IS RHYTHIM / ICON
Drawing Future Life / The Day Of Return (With Dolphins)
808STATE / PACIFIC STATE
Balil / 3/4 Heart
Prism (Susumu Yokota) / Crystal Edge
Sun Electric / Entrance
4.SOLID-ASTER (Power of Knowledge) / COZY-D
KOTORI MAJESTYによる曲解説
プロハンバーガーさんが惚れ込んで、今回ゲストで参加をお願いした、DUB SQUADのメンバーCOZY-Dさんによるブレイクビーツダブテクノ。
煌めきを放つ音色が硬質なブレイクビーツの上を奔放に駆ける宝石のような曲。音質がまた最高!
コメント
1990年代初頭ロンドンのレイヴ体験を経てルーツダブからエレクトロニクスにシフト。
“DUB SQUAD” 結成。一時期“ROVO”にキーボーディストとして在籍。リベラリスト。
2021年頃より指関節の病のため楽器演奏が困難に。
それを機にスマホのアプリのみを使用してのソロ作品制作を開始。
コロナ禍でステイホームする人々に花束のように音を届けたいとの想いから各曲のタイトルは花にちなんでいる。
SOLIDASTERの花言葉は「知識」。
影響を受けたエレクトロニックミュージック
Way in My Brain/SL2
Warhead/DJ Krust
Towers of Dub/The Orb
W.H.Y./The Higher Intelligence Agency
Sexy Selector/Original Rockers
Bubble and Slide II/The Sabres of Paradise
5.NEW STORY / PROFFESIONAL HAMBURGER
KOTORI MAJESTYによる曲解説
やはりプロハンバーガーさんは一味違う(ハンバーガーだけに)。
重量級のキックとベースが生み出すグルーヴは、さすが百戦錬磨のDJならでは。
十八番の刻まれたワードサンプリングがパーカッシブに鳴り響くなか、
催眠的なシンセのリフが繰り返される、シカゴハウスの影響も強い一曲。
一年以上前、コンピ企画当初に誰よりも早く仕上げられたのがこちら。
「真面目なテクノ」というキーワードから作られた本作は、
ふんだんの作風とは一味違う(ハンバーガーなのに)、シリアスな側面が大きくフィーチャーされた、とても美しい仕上がりに。
デトロイト・テクノへの憧憬と愛がつまっています。
コメント
疫病、戦争といった人類に不幸をもたらす出来事が続き、
真実が嘘かも分からない情報に日々脳を掻き乱され、
時代の空気の断片に触れたり時には直面しながら
我々の人生は変化を強いられました。
そうした変化は我々の人生に新しいストーリーを書き加えていきます。
その新しいストーリー達が少しでも皆さんや私にとって希望に溢れた物であることを祈って作りました。
影響を受けたエレクトロニックミュージック
2unlimited-Tribal Dance
Underground Resistance - Punisher
R-Theme - R.tyme
The Prodigy - Music Reach(1/2/3/4)
Bandulu - Crisis A Gwan
6.ICY ROAD / ○
KOTORI MAJESTYによる曲解説
静岡の若人クリエイター、○さんによるICY ROADは、このコンピの中で最もフロア向けのアシッドサウンド!パーカッシブなリズムと、グニグニグニ、ビキョビキョいってるベースラインが絡みあってて、最高にクール。
コメント
静岡市清水という地方都市に住みながら曲を作っております。
◯(まる)と申します。
参加曲は路面凍結をイメージして作りました。
スリッピーな感じに仕上がっております。
影響を受けたエレクトロニックミュージック
Lemonade/SOPHIE
Bax/Mosca
Dancing Box /Modeselektor
2D Or Not 2D/P-model
ホワイトナイト/nakano4
7.HAMMER HEAD / KAMATA MAN
KOTORI MAJESTYによる曲解説
蒲田のマン、KAMATA MANさんによる真夜中を疾走しているようなアグレッシブなテクノは、デトロイト・テクノのダークな側面からの影響を感じさせる傑作。ゴリッゴリのベースラインが凶暴!
さらに、プラグイン製作者の真骨頂、神がかったミキシングとマスタリングで、ずば抜けて音が良い!
コメント
数々の同人即売会の発祥の地ゆえにアンダーグラウンドの最先端が集まる、
第一京浜と環八のクロスエッジにあるインナーシティ、それがKAMATA!
そんな街で思春期を過ごしたKAMATA MANによる京浜シリーズ第四弾。
横浜ハンマーヘッドの巨大クレーンが大回転する極太ベースサウンド。
打ち付ける波の偶数倍音がTR-909のシンバルをヤスリに変える。
MACKIEのレベルメータが真っ赤に燃える時、新たなデトロイトの伝説が始まった!
影響を受けたエレクトロニックミュージック
1.Good Life/INNER CITY
2.Time To Express/Eddie "Flashin" Fowlkes
3.Injected With A Poison/Praga Khan feat. Jade 4 U
4.The Love Bus/Loads Of Acid
5.Beat Dis/Bomb the Bass
8.SQUID CITY 2 MOTOR CITY FEAT Yocotasax. (Vidar mix) / MEEBEE a.k.a KAZUHIRO ABO
KOTORI MAJESTYによる曲解説
アルバムを締めるのは、MEEBEE a.k.a KAZUHIRO ABOさんのデトロイトテクノへの愛が炸裂したディープな一曲。
この曲のためにゲストを招いて生サックスを入れる力の入れよう。
727のパーカッションが快活に弾む中、生サックスの雄叫びが響く、新しいマスターピース!
個人的にはこの曲のドラムとベースラインめちゃくちゃやばいと思ってます。
コメント
Yocotaさんのサックスが冴えわたっています!
影響を受けたエレクトロニックミュージック
1,Ryuichi Sakamoto - Riot In Lagos
2,Rhythim Is Rhythim - Kaotic Harmony
3,Underground Resistance - Journey Of The Dragons
4,Candido - Thousand Finger Man
5,BANGO - MYSTICAL ADVENTURES
ジャケットイラスト+デザイン担当 おっとりヘップバーンex.阿部ポリブクロウ
KOTORI MAJESTYによる感想。
圧倒的に美しい色彩で描かれた、まじで意味が分かんないモチーフの連なりが放つインパクトの強さよ!
見る人によって、めいめい様々なストーリが喚起されるであろうドラマティックなイラストは、コンピとの相性抜群!
個人的にはデトロイト・テクノを代表するイラストレーター、アブドゥル・クァディム・ハックっぽいなって思いました。
コメント
様々な人類の脅威が襲いくる昨今、「カニ型U.F.O」が地球を襲ってくる可能性もゼロではありません。そんな時に世界を救うのは、中年とおじいさんとデトロい奴らかもしれません。
影響を受けたエレクトロニックミュージック
Maurizio / M04A
Takkyu Ishino / Ghost in the Shell
HARDFLOOR / Ain't Nothing But Format Thang
KRAFTWERK / The Robots(THE MIX ver)
P-MODEL / SOLID AIR
UNCOUNTABLE POSSIBILITIES / VARIOUS ARTISTS
クリエイターによる創作の総合マーケット BOOTH
#中年デトロイトテクノ隊SHOP
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