その中古レコードは相場なのか?

ある特定のレコードや、とあるジャンルのレコードの値段が一気に高くなったり、徐々に安くなったなぁと感じることが数年間中古レコードを買ってきた人には何度となくあると思います。
最近であれば、70年代〜80年代の日本の洗練された都会的なポップミュージック「シティポップス」の中古レコードが高騰し、その代表的なアーティストである山下達郎や大貫妙子のあるタイトルのレコードは5、6年前の2倍〜3倍ほど(高くなったという事実だけがポイントです)の値をつけるようになりました。
では、なぜそのように値上がりしたのかということですが、それは単純なことで、そのレコードが人気があるからです。
人気の要因は、
・良い曲が入ってるから
・ジャケットが良いから
・DJで使うと盛り上がるから
など様々ですが、多くは「良い曲が入っているから」でしょう。
しかし、一口で良い曲とは言っても、良さにもいろいろあります。例えば、「聴いていて気持ちがいい」。これにもいろいろあります。先ほどあげたような都会的で洗練された音楽を聴いていて気持ちがいいと思う人も、歪んだギターやデスボイスに心地良さを感じる人もいます。
また、演奏の上手い下手についても、単純ではなく、演奏が上手いこと=良い音楽ではありません。ヘタウマと言って、下手でも味がある演奏に良さを感じる場合もあります。
つまり、良い曲というのは人それぞれ違います。高いレコードは人気があるから高い。そのレコードを良いと感じる人が多いということです。

やっとここでタイトルの「その中古レコードは相場なのか?」についての話です。中古レコードを買う時には「これは高いかな?それとも安いかな?」ということをほとんどの人が気にすると思います。「高いから止めておこう」だとか、「安い!ラッキー」とか色んなパターンがあるわけです。
では、まったく前情報を持たない中古レコードはどう判断しますか?試聴してみたり、webで相場を調べみたり、これも色んなパターンがあると思います。しかし、レコードの相場というのはネット上では意外とわからないものです。
なぜなら、webで値段が残っているものは売れていない物が多いから。また、ある程度の値段の付く物しかネット上には情報が載らないこともそうです。
となると、つまるところ、自らの感性でそのレコードの価値を判断するしかないんですね。「このレコードにこの値段は高いなぁ。でも欲しいなぁ」と何日か悩むことも、「こんな最高なレコード、相場なんて関係ない!」と盛り上がって、その場の勢いで買ってしまうこともあるでしょう。そして、中古レコード屋やwebで何度かそのレコードに出会うことでその時買った値段が相場よりも高かったことを知って落ち込むこともあります。
しかし、自らの感性によって判断したことであればそんなに深く落ち込むこともないはずです。だって、自分が「良い」と思ったんですから。
では、その中古レコードが相場であるかどうかだけを判断材料に買った場合はどうでしょう?おそらく後悔すると思います。良さを見出すことも、後悔しながら聴くようでは不可能でしょう。
つまり、「その中古レコードは相場なのか?」ということよりも、自らの感性を頼りに購入した方が中古レコードを楽しめる。僕としては当たり前のことではあるのですが、忘れてしまうこともあるかもしれないので記録しておきます。

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