ゼロスタートのイラスト初心者が「イラストが描けるようになること」を言語化してみました。

どうも、リトマスピーナッツです。

イラストの勉強をしながらずっと考えていることがありました。
どうやったら絵心が無い人にイラストを描くことを再現させられるか?」
ということです。

自分のように勉強している人間が
描けるようになるのはよくある話ですが、
全く描いたことのない人はもちろん
イラストなんて大嫌いだけど仕事で嫌々描かなければならない人が
コツを掴んでスラスラ描けるようになったら面白いな、と考えていました。

実際のところ自分は
イラストを描く感覚がイマイチ掴めていませんでした。
「どうやったらできるかな?」と考えていて
しゃがんでいる人の後頭部をぼーっと眺めていて
答えが見つかりました。

「頭の中で物体を3Dでイメージができるかどうか」です。
これが万人が理解できる答えだと確信しました。
順番に解説していきます。


頭の中で物体を3Dでイメージができるかどうか

まずは簡単な2Dイメージから行きましょう。


「正面から見た円を描いてください」

この形が頭の中に浮かんだと思います。
2Dかつ簡単なイメージなので描けた人が多数のはずです。



では次。
「机に突っ伏した状態から見た、パースの掛かった円を描いてください」

この写真のように、紙に対して斜め15度くらいから見たイメージです。
これも頭の中でなんとなくイメージが付いたかと思います。

こんな感じの歪んだ円になります。
より正確に言えば楕円になります。
イメージが出来なかった・出てこなかった人は
実際に紙に円を描いて机に伏せて見てください。


ここまでは理解できる話かなと思います。

徐々に複雑化させる

さて次からが本題です。
この話のレベルを上げていくことで
「分からないこと」が「分かる」に変わり、
「描けない」から「描ける」に変わっていくと思います。

「ちょい斜めから見下ろした円柱を描いてください」

「鋭角に見下ろした円柱を描いてください」

「ちょい斜め横から見下ろした円柱を描いてください」

「真横から見た円柱を描いてください」



このレベルも頭の中に物体がイメージできたかと思います。
そしてそのイメージを描くことができたと思います。

イメージが出来なかった人、出てこなかった人は
100本入り綿棒のケース、トイレットペーパー、缶など
円柱の物体をいろんな角度から眺めてみてください。
そうすると同じようなイメージが見えると思います。


さらに複雑化させる

実際に見えるもの、皆さんに付いてるもので描いてみましょう。
利き手ではない方の手を見ながら描いてみましょう。

うっすらと透かしてありますが
先ほどの円柱を参考に腕を描いています。

「ちょい斜めから見下ろした左腕を描いてください」

「鋭角に見下ろした左腕を描いてください」

「ちょい斜め横から見下ろした左腕を描いてください」

「真横から見た左腕を描いてください」

腕の形はこうやって観察してみると
安物の花瓶、台形の円柱に近い形をしています。
僕の腕は脂肪が多いので折り曲げた時に関節周りが潰れて変形します。


この捉え方で物体(今回であれば自分の左腕)を
頭の中に3Dでイメージすることができれば
参考資料無しでもある程度描けるし
参考資料から形状を読み取って頭の中に3Dでイメージすることで
さらに自由に描けるかなと思います。

人によって精度のバラツキが出るのは
鏡でポージング、美術解剖学、モデルの写真集を見た等
観察の経験、人体構造の知識、特定パーツへの思い入れ(フェチ)
があるためかなと思います。

かなり極論を言っている自覚ありますが、
これが答えと考えました。


以上を踏まえてどういった練習をするべきか?

デッサン

頭の中に3Dでイメージするにはどうするか?
目で見て立体形状を理解して
それを絵として描くのが
一番早くて分かりやすいかなと思いました。

イラストは
・立体物
・色彩、光(反射)、陰
上記の構成要素でできています。

2次元、3次元で描き方や捉え方が違うと思われがちですが
どっちであってもこの要素は揺るぎないものです。


デッサンで意識するべきは
・光源の角度、反射、陰の出来方
・材質、質感ごとの反射や陰の出来方(例えば、目、髪、肌の質感)
・物体の凹凸
上記がメインになるかなと思います。

自分が目指しているアニメ塗りでは
忠実に再現できていなくても
記号化されたマークを付け足すことで
「そうである」と認識することができます。

記号化されたマークの一例


2次元のイラストから描き始めた人で
記号として覚えがちになるのが眼かなと思います。

男性らしい横長の眼に
女性らしいまつ毛を足してみました。
これに限らず
物の形状や配置の比率が合っていないのに
記号だけを頼りにイラストを描いていると
人間が違和感を覚える原因になります。



イラスト・写真鑑賞

大事なのは表面の線をなぞるのではなく、
「どんな立体構造になっているのか」
という中身の形状に着目すること。

例えばですが
伸ばした腕と、力こぶを作った腕では形状が変わります。
伸ばすとどんな形をしていて、
力こぶはどのあたりが膨らんでできているか。
そういったことに着目するといいかなと思いました。



パーツの三面図

アウトプットするなら
適当なポーズを取らせた一枚絵を描くより、
キャラ設定画によくある
三面図を描くのが有効かなと思いました。

まだまだ人体が上手く描けないので
関節人形風のイラストを描きましたが
アニメやゲームの設定画が分かり易いかなと思います。

三方向から見ているので
より立体構造を意識しやすくなるかなと思います。


余談ですが横顔を描く時に
縦長の楕円に犬の口みたいな記号を付け足すと
ざっくりいい感じに描けるような気がします。


箱人間を描く


これが一番効果的だなと感じました。
痩せていても太っていても人間の体を観察していると
つくづく「箱人間だなぁ」と思わされます。

箱人間を描くメリットとして
・体の陰影の目安になる
・顔や身体がどこを向いているのか分かりやすくなる
・アオリ、俯瞰、パースのイラストが描きやすくなる
といったものを個人的に感じます。

単なる模写やトレースをするよりも、
箱人間トレースをしたほうがイラストを分解・解析できます。




こちらのイラストに練習がてら箱人間を乗せてみました。


余談ですが
「箱の中に入っているイメージ」というのは
俯瞰(アオリ)の絵はカメラに遠いパーツほど小さくなることを
分かりやすくするために必要な説明だと思います。

ただ箱人間も描かかずに
「断面を意識しよう!」と断面を塗っているのは
初心者向けの説明にしては段階が飛んでいるなと個人的に感じました。


最後に

以上が「イラストが描けるようになること」を言語化した内容でした。

いま現在の感覚になってからは
人の絵を研究するのが非常に楽しくなりました。

一枚のイラストから
箱人間トレースをしたり
ざっくりラフトレースをしていると
新しい発見、気が付かなかった違和感に気づくことができます。

落書き気分で絵を描きつつも
上手な絵を分解・分析しながらなぞっているので
技術や描き方を吸収できている感覚があります。

ある程度研究が終わったら好きなイラストを描いてみて
投稿してみたいと思います。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


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