弥助推しが天伝を見に行ったレポ

 こんにちは、山伏の女(ショタコン)です。
 先日「舞台刀剣乱舞 天伝 蒼空の兵」に行ってまいりました。今回は弥助というキャラクターがどれだけ私の心を揺さぶったのかを伝えたさせてください。

Q.もうすでに无伝 夕紅の士 の上演が始まっているのに何で今更大阪冬の陣の方の感想を話すの?
A.メンタルがお釈迦になって書けなかった

 というわけで、今更ずびずびと涙を流しながら、無い文才を絞って感想をしたためました。

 今回の公演は、本当なら友達が行くはずだったのにコロナで東京に来れなくなってしまったため、私がチケットを譲り受けました。友達が見るはずだった分の感動を届けられたらと思います。駄文ですが最後までお付き合いいただけると幸いです。

●記憶に刻まれたジョ伝
 最初の自己紹介でもあったとおり、私は山伏好きの粟田口箱推しです。常日頃からプロテインを飲み、短刀がいつ私の部屋に来てもいいように、たべっこどうぶつをストックしています。
 ある日、なんとジョ伝に山伏と博多が登場するとの情報が舞い込んできました。回想と戦闘セリフをガムのように何度も何度もかみしめてみていた山伏が動く姿を想像するだけで胸のときめきが止まりませんでした。当時、今にも飛び出してしまいそうな心臓を抑えながら、配信の日を今か今かと待ち望んでいたことを覚えています。

●山伏、藤四郎を押しのけて弥助
 山伏の女(ショタコン)である私ですが、ジョ伝で思わぬ沼にはまりました。

画像①

  弥助の強烈な記憶が私の中に刻まれました。
  ジョ伝なんて山伏でめちゃくちゃときめくポイントあっただろうに!でも私は、奴隷として虐げられてきた弥助が献上“品”として信長の元に来て、信長から地位を与えられて、歴史から消えた後もずっと信長への恩義を返そうとしている弥助が健気すぎて好きにならざるを得ませんでした。

 そして、弥助への思いをこじらせた結果、溢れ出る感情を抑えきれず弥助視点の二次創作も書きました。

画像②

 パソコンを新調したせいでこの話は残っていないのですが、ジョ伝から3日間は弥助のことしか話してなかったことは覚えています。

●それから3年
 衝撃の配信から3年。この度初めて生で刀ステの舞台を見に行くことになりました。しかし、悲伝までは舞台を追っていたのですが、実生活が忙しくなり刀ステから離れた生活を送っていました。刀ステの情報が一切入ってこなかった結果、私は観劇2週間前まで弥助が出ることを知らなかったのです。

画像③

 それまでチケットを譲ってくれた大阪の友達から粟田口のすごさは聞いていました。何度もいち兄とずおの回想を見返して当日の準備はばっちりだったところでした。

なのにまさか弥助が出るとは思わないでしょ!!!

 嘘だと思い刀ステのホームページを確認すると(ここで始めてホームページ見た)、そこには髪が白くなり、渋さが増した弥助の姿がありました。

弥助、お前生きとったんか。

 既に号泣です。
 信長がなくなって黒田に仕えてから大変なことがあっただろうに。それでも健康にその年齢まで生きてくれている推しの姿にホッとしたのは束の間。そこに弥助の姿があるということは、ここで弥助は亡くなることを察しました。いや、むしろ弥助の最後を見届けられてよかったじゃないか。そう言い聞かせながら当日を待ちました。

●はやく見てほしい友人
 前日までの私は実に醜いものでした。直前までジョ伝の私をよく知る友達と話してどうにか不安を取り除こうとしていたのです。

画像④

 ジョ伝での山伏の破壊、悲伝で知らされる三日月の秘密。末満さんとゴールまで手をつないでハイキングしていたと思えば、急に崖に突き落とされることを私は知っていました。今回は何が待っているのか怖くて、日付が近づくにつれて、いろんな友達に心配されました。「大丈夫?」といわれる度に、どんどんと怖さが募ってきました。

 そして前日に友達に言われた一言。
「夜から予定あるけど、昼公演なら介抱できるから」
 私はつくづく友達に恵まれたのだなと思う反面、若干楽しそうに言ってくるのを見逃しませんでした。私のリアクションが楽しみで仕方ないという顔が隠せていないよ。 

●来たれ当日
 前日に焼肉で英気を養い、震える足で大地を踏みしめながら、やってきた当日。友達がチケットと一緒に送ってくれた手紙をしっかりと握り占め、ジョ伝では買い逃した弥助のブロマイドも購入して、いざ会場へ。

 友達の手紙によれば下手隅っこの席だから上手が見えにくいかもしれないとのことでした。それだけを聞いて席を探すと、

最前

 いや、そんなことはないだろう。もう一度よく調べてみようと会場をうろうろしていると、スタッフさんが声をかけてくれました。


「こちらの席になりますね」

最前

 友達、端っこってそういう端っこですか。心臓が飛び出てしまうかと思うほどびっくりするからそれ先に書いてほしいです。(調べてない私が悪いけど)下手からのキャストの出入りがよく見えますとかじゃなくて、私の隣をキャストがすり抜けていきます。直火で私が燃えます。

●開戦の合図
 やわらかく明かりが消えていき、会場が静まり返る。舞台が始まる直前のこの高揚はたまらなく好きです。

 キャストがいつ出てくるかわからないけれど、徐々になれていけば大丈夫だろうと思った矢先、しょっぱなから、いち兄が隣を擦りぬけてきました。出てきた瞬間から駄々洩れるロイヤルオーラに圧倒されて、いち兄の言っていることの半分も覚えてません。もう魂ぬけてて「西暦2205年」しか思い出せない。
 魂が半分抜けた状態でオープニングが終わり、舞台装置が起動しました。ここから、客席を回転させながら場面が展開されていきます。この舞台設計がすごいのは言わずもがな。計算されつくした演出には言葉も出ません。
 舞台が始まる前の胸を突き上げるような高揚に、ジェットコースターに乗る前のような緊張感はまじ舞浜。

ここからは個人的やばやばポイントの一部を箇条書きで失礼します。

●鯰尾の声帯斉藤壮馬がすごかった。癖のあるしゃべり方してるわけじゃないのに声が完全斉藤壮馬。

●ばみたその美しさが半端ない。流れる髪の毛、形のいい頭、完成されたスタイル、そして誰も目が離せないまなざし。一度ばみちゃんが視界に入ると一生見てしまうマジック。

●開始早々丸太担いで出てきた宗三さん見て笑わなかった私をめちゃくちゃ褒めたい。あれはほんとにびっくりした。すれ違う人に二度見されなかった?もしかして今回の宗三さんの獲物はそれなの?丸太で戦うの?すっごいフィットしてるんだけど合いすぎて逆に動揺するわ。

●清光のギャル。あざといのにあふれ出る色気。軽いのにどっしりと構えてる姿勢。それでいて世界一かわいい。呼吸するたびに加州清光の良さがあふれ出てくる。頭がくらくらしそうだった。
 そんでもってこの清光殺陣がめちゃくちゃうまい!この人本当にうまいぞ、やっば!毎回3手ぐらい多いし、一つの動きで二つぐらいのことこなしてるよ。清光の殺陣だけであと5億回見たい。

●家康と太閤くんのやりとりすごい好き!家康が怖いおじいちゃんな元のキャラクターを壊さないまま茶目っ気を出してくるから、キャラクターから面白味があふれてるって思った!それが太閤くんとめちゃ合ってて、会話としてのやり取りが楽しかった。

 もう一瞬一瞬目が離せなくて大変でした。

●そして舞台は真田丸へ。
 敵の罠に引っ掛かり、急に戦うことになった刀剣男士たち。なんとそこに出てきたのが弥助です。会場でブロマイドまで買ったのに、弥助出演はこの瞬間まで半分嘘かもしれないと疑っていました。弥助!ほんとに弥助出てきた!
 そして響き渡る弥助の第一声。
 「ボンジョルノ」
 その一言に歓喜!めちゃくちゃ流暢な日本語で「こんにちは」っていわれたらどうしようとか思ってたけど、何年たっても変わらない弥助の登場に胸が高鳴りました。
 そして黒田の従者として紹介される弥助。ジョ伝の最後、弥助がどうなるかわからず、もしも武士としての身分がなくなってしまっていたり、身寄りもないままどこにもいけてなかったらどうしようかと思っていました。だから、白髪になるまで「武士として」「生きててくれて」それだけで私は十分でした。それに異国の者だからとか、元奴隷だからとかではなく、信繁に武士として紹介されててもう私は感無量です。ありがとう。ありがとう。ここからもう何も起こらなくていいよ。帰って一緒に金平糖食べよ。その両隣の見た目やばい友達も一緒にさ、ゆっくり話そうよ。

 そんな願望もむなしく弥助は再び刀剣男士と敵対します。その理由もずっと変わらず信長のためだったんです。ここで、再び私の涙腺が破裂します。この何十年の間、弥助はずっと信長のことを考えていたんだよね。白髪になるまで。歴史の概念も刀剣男士のことを忘れてしまっても、信長のためならいつでも刃を振るう覚悟はずっとできていたんだよね。一人でずっと信長を想っていた弥助を救ってほしい。どうかこの舞台で弥助の想いが昇華されるよう、祈るような思いで刀を振るう弥助を見守りました。

●最高の1部
 キャラクターが抱えるそれぞれの思いが繊細にかつ大胆に表現され、緊張とわくわくが最高潮に達したところで1部が終了。特にいち兄が自らの本当の名前を明かすシーンは鳥肌が止まりませんでした。(最初いち兄が名前聞かれたときに、この青髪の兄弟も「いっちゃんと申します」とか言い始めたらどうしようかと思った)

 ここまでの感想
・弥助のキャラクターが最高に発揮されてた
・粟田口好きでよかった
・清光の色気にやられた
・青春以来の鼓動の高まり

 この時の私は最高に浮かれていました。その時友達に送ったLINEがこちら。

画像⑤

 この瞬間末満さんへの愛があふれていることがわかりますでしょうか。弥助をありがとう。粟田口をありがとう。そして友達、ここに連れてきてくれてありがとう。世の中のすべてがいとおしく、道端に咲く花にも愛をささやいてしまおうかと思えるほど、私はこの時満ち溢れていました。
 
●地獄の2部
 私は忘れていたのです。
 刀ステから離れている時間が長すぎたせいで、私は油断していたのです。このストーリーが辛い結末を迎えることを、あんなに友人たちに忠告されていたのに私はすっかり忘れていたのです。

これが観劇直後の私です。

画像⑥

 世界のすべてを呪っている姿が見えますでしょうか。野に咲く花々は枯れ、思い出は焼け落ち、涙も声ももう出ないのに頭上の空だけは青く輝いている。そんな理想郷にいる気分でした。

 それから2部の記憶があいまいで、思い出そうとしても胸が苦しくなり、喉で言葉がつっかえてしまい何も言えません。ただすべてが終わった後、縋るように友達に電話したことは覚えています。ただ、その時も泣きながら震えた声で「弥助、、、」としか言えませんでした。

私に対し、電話越しの友達は大笑いでした。

「その反応を楽しみにしてた」

 準備しているときから何やら楽しそうにしてる友達を見て、何となくそうかなとか思っていたけれど、大爆笑をかます友達に絶対仕返しをする覚悟を決めていました。

「でも見てよかったやろ?」
「よ``か``った``ぁ」

●刀剣男士と弥助
 私はジョ伝を観た時から弥助の境遇と刀剣男士の存在が似ているように感じていました。
 弥助は元奴隷であり、献上品として信長様の元へ訪れます。そこで弥助に人間としての価値を与えたのが織田信長です。
 弥助は劇中山姥切国広に「お前は失ったことがあるのか」と問いかけます。では弥助が失ったものは何だろうか、私は今でも考えています。故郷で暮らせること、自分の価値を決める自由、自分の命の在り方。それらは奴隷になった瞬間に失いました。けれど、それを弥助に与えてくれたのが信長です。
 弥助が失ったものは、自分自身に命を吹き込んでくれた人です。それって刀剣男士にとっての審神者に似てるなと、何となく思いました。刀剣男士にとっての審神者、弥助にとっての信長、この二つが重なっているが故に二人とも譲れないのだと思いました。

●弥助の最後
 クライマックス、弥助はやり切ったかのような、朗らかな顔をして舞台から消えました。
 ほんと…もう…勘弁して。今回弥助が出てくるっていう時点で予想はしてたよ。あなたが死んでしまうことを。どうしても弥助の最後が見たいからここに来たっていうこともあるよ。でもさ…自刃って聞いてない。聞いてないよ。最後まんばちゃんと決着をつけて華々しく散るような最後だったじゃん…どうして弥助がそんな最後を迎えなければいけないの?
 でも弥助は自分の命に代えてでもいいから信長を守りたかったんだよね。私が時間遡行軍になるやん???そんな命差し出すなら私が行くやん・・・・そんな・・・。
 それでもって出てきた弥助の刀剣男士、顕現した瞬間崩れていったじゃん・・・・震え上がって悲鳴上げるかとおもったよ。マスクの下にさるぐつわしててよかった。

 自刃は宗教によってそのとらえ方は違うし、武士にとっての自刃も意味が異なりますよね。もしも弥助に信仰する神がいたとしたら、お願いです、信長のそばに連れて行ってくれませんか。それが天国だろうと地獄だろうと彼は信長の側にいられたら、それだけで素敵な笑顔を見せてくれるはずです。弥助は刀剣男士のように時間を遡ることはできなかったけれど、彼は人間だから信長と同じ黄泉の国には行けますよね。私はそれを願うばかりです。

 最後に、こんな素敵な舞台に招待してくれた友達、ありがとう。君に誘ってもらわなければこんな舞台を見ることはできませんでした。そして弥助ショックで介抱してくれた友達。ありがとう。お陰様であと2週間ほどでこのショックは収まりそうです。そして最後に末満さん、素敵な作品を世に出してくださりありがとうございます。かみしめた口の中に広がった血の味で、私は生きていることを実感しました。演劇でこんなに心を揺さぶられたのは初めてです。すごい世界をつくり、そこへ審神者を招待下さりありがとうございます。これからも楽しみにしています。

 これで冬の陣は終わってしまいましたが、夏の陣が始まりましたね。弥助がストーリーに刻み付けた想いを見届けたいと思います。

お付き合いいただきありがとうございました。よく寝るんだぞ。


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