赤い公園の曲を世界11ヶ国3万曲と比べてみよう!
海辺の公園さん発案の赤い公園アドベントカレンダー2021(19日目)の記事です。海辺さん伊藤さんの記事もぜひ!
この記事について
何書いてもいいとのことだったので迷ったのですが、最近集めた世界11ヶ国の楽曲データがあったので、赤い公園の曲と世界の曲を比べて、赤い公園が唯一無二の存在であることを証明してみようかと思いました!
方法
①Google ColabとSpotify APIで集めた世界11ヶ国のヒット曲約3万曲のデータと赤い公園の楽曲データを比較する
※11ヶ国・・・日本、アメリカ、ロシア、ドイツ、イタリア、フランス、ブラジル、韓国、インド、サウジアラビア、南アフリカ
※ヒット曲・・・Spotifyデイリーチャート200にランクインした曲
②数値的に赤い公園に似ている曲を調べる
世界の曲と比べてみよう!
Spotifyが楽曲を分析したデータは
danceabillity(踊りやすさ)
energy(エネルギー、アクティブさ)
loudness(全体的な音量)
valence(ポジティブさ)
さらにはspeechiness、acousticness、livenessなどといった項目が数値化されています。
今回は赤い公園の曲と世界の曲を項目ごとに比較してみました。
danceabillity
図の右端が赤い公園、隣が日本です。各国と比べると日本の曲はダンサブルでない傾向にあり、赤い公園はさらにその傾向が強いことがわかりますね。確かに赤い公園の曲で踊るイメージはないかも。
energy
今度は左端から赤い公園、日本、ブラジルです。日本の曲は世界の中でも特にエネルギッシュで、ダンサビリティー同様に赤い公園はよりその傾向が強くなっています。あくまで傾向の話ですが、ブラジルより生き生きしているのはなんだか意外。
loudness
ラウドネスも同じです。このように、他のlivenessやvalenceのような項目でも、赤い公園は日本が持つ傾向をより強く持っています。ちなみに曲の長さは日本が各国の中では最も長い傾向にありますが、赤い公園は日本全体よりは短いようです。
日本は各国の中でも一番高いものや低いものが多いので、いかに日本の音楽が世界の中でも特殊であるかが伝わってきますね。まさにガラパゴス化。そして赤い公園はそんな中でも特にその傾向を大きく受けている、まさに日本色の濃いバンドであることがわかりました。
赤い公園に似ている曲を探してみよう!
このような多くの条件から、数値的に赤い公園の曲に近い曲を探してみます。
塊(透明なのか黒なのか)
まず2万曲の中から、danceabilltyとloudnessとtempoが近い曲を絞り込むと、Saucy Dogの「いつか」など54曲が残りました。しかしここでenergyに着目してみると、この54曲の中でも「塊」は最も低い値0.399をとっていて、2番目に低い「いつか」とは大きく差がありました。
何言ってんねん!!って感じだと思いますが、これはつまり、赤い公園の楽曲が特異であることを表しています。簡単に言えば、先に挙げた3条件で似ている曲は世界に数十曲あるけど、もう一つの条件に着目すると「塊」は世界のどの曲とも似ていない、ということです。(説明が下手、、、)
ちなみに総合して見て数値的に最も「塊」と近い曲はこちら。
うーん確かにこのビートに「三十六度のKATAMARI」って乗らなくもなさそうですが、別に似てるわけではない感じ。。というか全然似てない。
透明(透明なのか黒なのか)
「透明」はenergy、loudness、valence、tempoの4条件で絞ってみましたが、上の通り、日本の曲が少ないことが分かりました。というか日本でヒットしたBTSの曲なので実質日本の曲はゼロ。先ほど赤い公園は日本色が濃いといいましたが、「透明」は海外の曲にばかり似ているようです。ちなみにこの傾向は「ランドリー」や「今更」でも見られました。
また、「透明」は絞った中でdanceabillityが断トツで低く、これは「塊」同様に赤い公園の楽曲が世界のどの国でも見られない特異さを持つことが現れています。
「透明」に最も近かったのはこちら
ロシアの曲。はっきり言ってこれも似てないと思います。やっぱり数値じゃ決まらないんですよね、、、。
「ランドリー」は海外曲が多く見られつつも、Official髭男dismの「異端なスター」が数値的に近い曲として挙がりました。どうなんでしょうか。似てる気はあまりしないですが。
本当は「今更」「交信」とかも調べたので近い曲を並べようかと思ったのですが、どれも似てないって感じの海外の曲ばかりなので割愛します、。
猛烈リトミックで流れが変わる
NOW ON AIR(猛烈リトミック)
「透明」のところで述べた通りここまでは類似曲は海外のものが多かったのですが、「NOW ON AIR」の類似曲を数十曲まで絞ると、三分の一が日本の曲になりました。どうやら「猛烈リトミック」以降は以前に比べて日本の音楽に寄ってきているようです。かと言ってそれが赤い公園に似ているかと言われるとそうではなく、「ワガママで誤魔化さないで(THE ORAL CIGARETTES)」や「Kiwi(Harry Styles)」などが挙がりましたが、ぱっとしません。
「もう似てる曲なんて見つからないのか、、、」
「やっぱり赤い公園は唯一無二、、、!」
「こんな企画やめよう、、」
と思ったところで・・・
絶対的な関係(猛烈リトミック)
なかなかにびっくりしました。結論から言うと、「絶対的な関係」に最も数値的に近い曲は「絶対零度」です。!!
えーーーー!ってなりました
speechiness、instrumentalness以外の項目に関しては、ほとんどわずかな差しかありません。ここまで数値的に近付いているのは調べた中でもこの組み合わせだけです。
ライブで連続で披露されることも多かったようですが、SpotifyのAIがここまで類似していると判断しているなんて、同じ「絶対」を冠して曲を作った津野氏、恐るべしです、、、、、。確実に狙ってますよね?でも似てるなんて思ったこと無かったからすごい、、、。
2番目に近かった曲はONE OK ROCKの「Cry Out」でしたが、それと比べてみても、圧倒的に「絶対的な関係」「絶対零度」が近いことがわかりますよね。
ここまで調べてきて全然似てる曲に辿り着けず、「数値なんて信用できねぇな!音楽は数値なんかじゃねぇ!」とか思ってたのですが、この結果にはびっくりでした。逆に数値見なきゃ気付かなかった。
これ以上の発見が無かったのでここからは流そうと思います。
消えない(消えない - EP)
類似曲は
どっちも良い曲ですけど似てる気はあんまりしないですよね。
ヒゲダン、オーラル、ユニゾンと、津野さんと親交が深かったアーティストがここまで挙がってきていて、なんだか感慨深い気がしますね。
Highway Cabriolet(消えない - EP)
類似曲は
まあ分からんでもないけど、、って感じ。でもやっぱハイウェイカブリオレが一番ですね〜。本当に好き。
yumeutsutsuが「栞(クリープハイプ)」「Can You Keep A Secret?(宇多田ヒカル)」とか、オレンジが全然似てないとかあったのですがもう面白くならないのでやめます。
ところで、初期の類似曲は海外のものが多くて、猛烈リトミック以降の類似曲は日本のものが増えてきたということが気にかかっていたので、検証してみました。
時期ごとに世界と比べてみよう!
初めにやった検証を、今度は赤い公園の楽曲を「❶猛烈リトミック以前」「❷猛烈リトミック以降」「❸消えない - EP以降」の3時期に分けてやってみました。
energy、loudnessは、❷、❸、日本、❶の順番で高く、やはり猛烈リトミック以前以後で大きく音楽性が変化していることが数値からわかります。❷❸はとても日本的である、日本より傾向が強いの対して、❶は比較的海外のものに近いことがよくわかります。
ポジティブさを表すvalenceは海外寄りの❶と❷の間で大きく変化していて、各国と比べても最小値がとても高いことがわかりますが、❸へと移り変わる中で落ち着きがみられます。
一方でライブ感や生き生きとした様子が表れるlivenessは、❷、❶、日本、❸の順で高く、特に❷は中央値が他と大きく差があります。そんな中で❸の数値は日本全体より低く、楽曲自体が洗練されたのではないかと推測できます。
まとめ
長々と小難しい話をしましたが、ここまで読んでくれた方は本当にありがとうございました。やっぱり「絶対的な関係」と「絶対零度」の部分が驚きでした、、。また機会があればこの赤い公園自由研究も続けていけたらなと思いました。
ちょうど1年前、12月半ばに赤い公園と出会ったことが懐かしいです。。
それではまたいつか!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?