沖縄にあてのない旅に出た話

はじめに

11月22日の夜、私は那覇空港にいた。いつも仕事に行く時に背負っているリュックサックのまま、業務用のパソコンと下着と洗顔剤など諸々を詰め込んだだけのバックパッカー仕様で、関⻄国際空港から2時間のフライトで沖縄に向かったのだ。
那覇の風は11 月とは思えないほど暖かく、むしろ暑く感じた。おそらく、旅に出ることに対して久々に感じた高揚感から体感温度が上がったのかもしれない。
そんなことを考えながら、ゆいレールに乗り込み那覇の市街地へと向かった。

那覇空港にて 歓迎された

久々の高揚感

最近、全く旅に出ていないわけではない。春から大阪に住み始めた私だが、夏には札幌に行ったし、11 月に入 ってから東京にも行った。2 月には広島や静岡に行くつもりである。
とはいえ、これらの旅の主目的は某イベントにへ裏方として参加することなので、丸一日時間と体力を拘束される。自由に動ける時間も短いし、制約も多い。それは好き好んでやっていることだから構わないのだが、全く目的なくフラフラできるような旅ではない。ある意味で出張に近いのだ。
だからこそ、全く目的なくフラフラできる楽しみから気持ちは昂っていたのかもしれない。

ただ、フラフラと

実際、この旅はほぼ下調べなしで行った。この「カンメラーのリスト」メンバーにも、とりあえず沖縄のおすすめスポットを教えてもらったが特にメモを取るでもなく、 ホテルのロビーにある沖縄地図を眺めて、「そういえばこの施設、誰かに聞いたな」と思い出してとりあえず行き方を調べる。そんな旅である。
ひめゆりの塔、平和祈念公園、琉球ガラス村、国際通り、美ら海水族館、首里城……、結果的に沖縄観光ど定番の場所巡りになってしまったが、反面普段の生活では経験できないこともできた。バスの乗り換えにミスって糸満の街で 2 時間彷徨ったり、たまたま入った 24 時間営業の沖縄料理店が当たりだったり、国際通り裏の屋台村でハブ酒をしこたま飲まされたり。
最後の最後にここでは書けないようなエピソードもあったが、まさに「旅の恥は掻き捨て」で、それも含めて非日常を味わうことができた。人生で一番面白かった旅だったと思う。

たまにはあてのない旅を

旅は、非日常を経験できることが楽しいし、面白い。
できれば隣にそれを共有できる人がいてくれたら良いのだろうが、一人だとどんなことがあっても涼しい顔をして過ごせる。それもまた良いものだと思う。
最近、私はどうやら旅に疲れてしまっていたみたいだ。目的がある旅も決して悪くはないし、行く意義も大きいのだが、やはり旅はあてのない方が楽しいのかもしれない。
そんなことを沖縄で撮った写真を眺めながら考えている。

青い空、白い雲、白い砂浜 それだけで十分だ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?