すごいなー中国。平安保険 / 顧客とのデジタル接点作りアイデア

僕の得意先が生保業界ってこともあり、昔調べたことのあるこの会社が改めて企業として戦略面白いなーと思ったので、情報まとめてみました。

日本はこういった動きがまだまだだから、生保業界の永遠の課題である、マイページ活用とかのアイデアにもなり得るとおもうんだよなー。

ご参考までに。


平安保険の「平安好医生(=グッド ドクター) 」アプリ
3億1,520万人登録モバイル医療アプリ(2014年~2019年末の時点で)

<このアプリのすごい点>
コロナ禍で、コロナにかかったかも?となったら、自治体サービスとして電話で「症状を伝えて、近くの病院を教えてくれる」仕組みがありますよね。日本でも、保険会社の特約サービスで「T-Pec(上記と同じような仕組み)」がついてる保険もありますね。

これ、中国だと人も多くて、日本以上に病院に患者が溢れるのってキツくね?ってなって、この会社が無料アプリを作ったって背景です。

​できるのは、
・チャットで病気の症状を伝えて、病院に行くべきかどうか把握(病院の一次請け)
⇒​チャット相談後、行くべき◯科(内科、整形外科とか)の優秀な医者を紹介(客側が選択できる「ぐるなび」タイプ)
⇒お医者さんを直接予約可能(チャットの内容も連携済みなので、病院の受付必要なし)
​⇒処方箋ECサイトも連携され、薬もらうための待ち時間も無し(自宅へ宅配も可能とのこと)

めっちゃ便利ですよね!中国すげーなと。

​<保険会社がやる理由>
​じゃー、なんで保険会社がやってるかというと、ここもよく考えられてて、
生保営業職員が「保険」売るのしんどい!ってなったんですって。必要性が極端なものをノルマのために売るのが辛いと。

それなら、「保険」じゃなくて、この無料アプリを​売りなよ!ってなったそうで。​

裏の仕組みは、
・顧客がアプリで問い合わせした/ 医者に行った​という情報が営業職員に入る
⇒営業職員が、顧客に対して「大丈夫ですか?何かありました?手伝います?(子供の迎えとか、車出すとか、ポカリ買ってくるとか)」
⇒営業職員としては、家族のような信頼性が醸成できるのと同時に「家族構成」や「病歴」なども把握できる
⇒​信頼があるため、今後こういった保険が必要かもしれませんねー。みたいな世間話の中で保険提案ができる

というような流れのようです。
​※彼らいわく、「商品」ではなく、「体験」を売っているそうです。日本でも聞く話ですねw

この会社の戦略も面白いので、興味ある方はぜひ記事漁ってみてください。
一応触りだけ下記に記載しておきます。

中国平安保険とは
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​データ×保険で金融に革命を起こす
中国のFintechをけん引する金融コングロマリット「平安保険」
   ▷ 1988年に社員わずか13名の小さな保険会社として創業
   ▷ 以来30年間で、中国全土に180万人以上の職員
   ▷ グループ総資産は、約121兆円、個人顧客数は1億8,400万人
   ▷ Fortune500で21位に位置する世界的案金融機関に
   ▷ 世界の保険会社の自家総額ランキング1位

競合は、他金融機関ではなく「テクノロジー会社」と認識
グループに約10万名の医療テクノロジーの従事者
+約3万人の研究開発技術者を集め、「先端テクノロジー」×「既存事業」との融合を図っている

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ニッセイの基礎研究所がわかりやすくまとめてますので、もっと知りたい方はこちらもどうぞ↓
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=53625?pno=2&site=nli​

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