見出し画像

2014年のこと。

らいおんまるです。

このタイミングできちんとノートを使おうというギリギリ感(笑)

2014年のことをちょっと振り返ろうと思います。

今年はなんといっても生まれて初めて海外に行ったことが一番の出来事だったんじゃないでしょうか。

それも、フランスの、カンヌというところ。

大都会のパリをすっとばして、南フランスの観光地へ行ってしまったわけです。それも、国際映画祭が開催されているさなかに。

初めての海外は、思ったよりも驚きはなくて、なんだか寝たり起きたりしている間に、よくわからないまま到着してしまった感じがしました。飛行機の中であんまり映画見たりもしなかったし。見たのは「The Artist」だけ。周りは「FROZEN」(アナと雪の女王)ばっかりでした。あんまりにたくさんの人が時間差で見るものだから、だいたいのストーリーは映像で把握してしまった(笑)けれど、自分では見る気にならなかった。「The Artist」は心地良い映画でした。 あと、機内食、あんなに食べられないよねえ。

CDGを経由して、着いたNCE(コート・ダジュール空港)。泊まるアパルトマンのスタッフの方が車で迎えにきてくれて、高速道路を走ってカンヌへ行く間、ずっと窓の外を見てたけど、それでもなんだか異国に来たなぁという感じはなく、でも、きれいだなあと思ったり。

アパルトマンでは、宿泊費の支払いが終わっていると思ったら済んでいないと言われてやりとりに四苦八苦したり、いろいろあったけど、きれいだし場所もわりと良く(繁華街の真ん中で夜遅くまでうるさかったけれど)快適に過ごしました。

アパルトマンからは市場がものすごく近くて(徒歩1分)ほぼ毎日通いました。なんであんなにいろんなものがきれいな色に見えるんだろう。野菜も果物もとても美味しそうで、あれこれ買って食べました。トマトとかイチゴとか、おいしかったなあ。

フランス語で買い物できたのも嬉しかった。「Bonjour. Trois pain au chocolat, s'il vous plaît.」と「Merci.」しか言ってないけど。

…で、なにがメインかって、カンヌ国際映画祭です(笑)。

とても幸運なことに、映画「2つ目の窓」の一員ということで入れていただいたのですが、それというのも、音楽を担当したハシケンさんのはからいあってのことでした。

2011年末から「ハシケンmeets伊藤大地」のWebサポートを始め、2013年からは「ハシケン」のサポートを少しずつ開始。その積み重ねもあって、現地レポート要員も兼ねて、カンヌへ行ってみませんかというお誘いをいただいての参加だったのでした。

(2014年の総括のつもりがだいぶ前からの振り返りになってしまった)

思いがけず監督や出演者、映画スタッフのみなさんと一緒にレッドカーペットを歩いたり、大きな大きなパレ(メイン会場)のスクリーンで映画を見たり、生まれて初めての船上パーティーに参加したり、少し前では考えもしなかった体験をたくさんしました。 あの大きな会場で見た「2つ目の窓」、あんなに素晴らしい会場で映画を見ることもなかなかできないことだと思うので、ずっと忘れないでいたいなと思うのです。音が、すごくよかったなあ。波の音も風の音も、自然に聞こえてくるのです。

1週間の滞在はあっという間で、帰るのは少し寂しかったのを覚えています。 旅先からすぐ帰りたくなるのが常でしたが、あのときは、もうちょっといたかったなぁと思ったのです。なぜでしょうね。

カンヌ国際映画祭中には、「2つ目の窓」のスタッフさんたちをはじめ、楽しいひとびとにたくさん出会えました。 その中で、フランス語通訳のアンヌさんが印象的でした。アンヌさんは黒沢明監督や北野武監督の通訳も務めてきたベテラン通訳さん。私が初めての海外渡航だというと「私たちは普段離れているけれど、1本の映画でこうして出会うことができた。私は映画で世界のいろいろな人とつながれると信じている」と語ってくださり、アンヌさんの仕事に対する誇りを感じたのでした。

それから、もうひとつ大きな出来事は、初めてレコーディング現場にいられたこと。

カンヌから帰ってきてすぐの6月に行われたハシケンさんの新譜レコーディング。

ここでも記録やその他庶務でお手伝いしていたのですが、憧れのミュージシャンのみなさんを間近にして、その仕事を見ることができたのはとても光栄なことでした。

1枚の作品がこんなにたくさんの労力をかけてつくられていること、なかなか想像だけではわからないことばかりでした。ひとりひとりの参加ミュージシャンが同じ曲を前にして考え、自分の引き出しを開け、音にしたり言葉にしたりして、耳を澄ましてつくっていく…そんな様子を見ていると、出来上がってくるひとつのCDにとてもたくさんの時間や想いが詰まっているのだと認識させられます。

2015年2月18日発売のハシケン『RERAMAKANI』(レラマカニ)、多くの人のところに届きますようにと、これから発売までの日々をしっかり過ごしていかなければと思うのです。

ちょっとした裏話ですが、トロンボーンの浜野謙太さんが、レコーディングの前々日、エスケリータ68でライブの手伝いをしている間に電話してきてくださって「あんまり練習できていないんだ…」と言うので「大丈夫です!浜野さんは素材がいいですから!」と励まし(?)たことが思い出されます。 浜野さんは私にとっていろいろなことの恩人。ハシケンさんとつなげてくださったことをはじめ、いろんなチャンスを与えてくださいましたし、今でもなにかあると親切にしてくださる良き先輩です。

エスケリータといえば、今年はなんといっても念願の高田漣さんのライブを開催できたことが一番の思い出。

高田漣さんは演奏はもちろん、お話もとっても面白い方で、きっとエスケリータのことも気に入ってくださるだろうと思ってずっと呼びたかったミュージシャンでした。 おそるおそる事務所・TONEさんにオファーを出したところ、丁寧なお返事を社長の是澤さんからいただき、ちょうど新譜を持ってのツアーの際に、ということでライブが実現しました。

しかも嬉しかったのは、エスケリータの店主・後藤さんもすっかり仲の良いドラマー・伊藤大地さんがサポートにいらしてくださったことです。これも、後藤さんのリクエストがあってダメもとで追加オファーしたところ、OKしていただき、さらにスペシャルなライブになったのです。

このときとても嬉しかったのは、大地さんが「エスケリータは自分も大好きな店だから、初めて訪れる漣さんにも気に入ってもらいたい」とお話ししてくださったことでした。大きな会場で演奏することも多い大地さんですが、小さなお店にも心配りを忘れない、本当に素晴らしいプレイヤーです。

そして漣さんは、エスケリータに初めていらしたとは思えない、リラックスした空気で私たちを和ませてくださり、ライブもアットホームで気持ちのよい空間となりました。 高田渡ファンの常連のおじさまも大満足。「アイスクリーム」を歌われたときは、受付をしていたその人が急に店内へ飛び込んできて「イエーイ!」と両腕をあげてしまったくらいでした(笑)。

終演後は、後藤さんと大地さんのドラム談義より、漣さんとマダムのレコード談義の方が盛り上がり、端から見ていた私にとってはその2組の様子が面白かったり。。

他に、今年はブッキングに関わった公演は少なめで、「ハシケン+太田惠資」「青葉市子」「ハモニカクリームズ+田中佑司」「Gentle Forest 5 & Gentle Forest Sisters」「ミナクマリ+清野美土」くらいでしょうか。

もちろんひとつひとつ、苦労したところも違うし、学んだことも違い、毎回のミュージシャンとの出会いも貴重なものでした。特に何の力もない私に声をかけてくださるミュージシャンの方々、本当にありがたいです。本当に。

年の中盤で、いろいろ同時進行で続けてきたことが一度停滞し、精神的にもかなりつらい時期を過ごしました。いろいろなところでうまくいかず、全部終わってしまうんじゃないかと思いました。

それらの問題がすべて片付いたわけではないのですが、とにもかくにも、今続けていることを丁寧にやるしかないと、また少しずつ進んでいるような感じです。

そのつらい気分のなかで、新しい出会いもありました。

来年は、その新しい出会いをどう活かしていくか、というか、そのときに助けてくれた人になにを返していけるのか、ということもひとつの動力になりそうな気がしています。

この1年で気がついたことは、結局、具体的な誰かの喜ぶ顔を目標にしないと、なんでもかんでもがんばれないということでした。

やることすべては、もちろん自分のためであるわけですけれど、でも、やっちゃうぞ、というパワーは誰かがいないと出てこないわけですね。あの人が喜んでくれたから、認めてくれたから、じゃあこれもあれもやっちゃうぞ、と気持ちが前に進んでいくのです。

自家発電できるのが一番いいのだとは思いますが、それもなかなか難しいということを素直に認めると、少し楽になる気がしました。人は、誰もが「認められたい」って思っているものなのだよ!と。


来年はどんな年になるでしょうか?今年よりいい年になるかしら?それとも…?

なにかひとつでも、前に進めることができたらいいなと思います。

以前頻繁に出ていたようなあの「馬鹿力」が出るようなことがあるといいな。と、個人的には、思っている次第です。

では、みなさま、良いお年を。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?