911フライヤー表

瞬き、について

久々のnote更新。

9/11(金)に久々の企画ライブをやることにしました。

これまでもたくさんライブの宣伝・斡旋などしてきましたが、ありがたいことに最近はいただくお話の方が多くなって、完全に最初から自分で発注して・・・というライブはだいぶ少ないのでした。

で、今回のライブは、とにかく中村佳穂ちゃんをエスケリータ68に連れてきたい!ということが念頭にありました。

佳穂ちゃんは、私が各種サポートをしているシンガーソングライター・ハシケンさんのつながりで出会ったアーティストで、顔を知ってからの期間はもう2年くらい?になるのですが、実はライブで関わるのは初めてです。

動画を見たり評判を聞いたり、ご本人とお話したりしていて、これはぜひエスケリータ68のみなさんにも紹介したいし、エスケリータ68に集まるお客様との相性も良さそうだなあと思い、今回の招致に至りました。

彼女はまだ現役大学生。

うたもピアノも、ほとばしるようなパワーときらめきに溢れています。

「エスケリータの4大“ひろし”」である(?)高野寛さんも「彼女はこのままいくと思うな~いってほしいな~」とコメントされているほど、勢いを感じる、瞬発力あるアーティスト。

そして彼女に「共演したい人はいる?」と聞いたところ、出てきたのが「樽木栄一郎さん」。

樽木さんはソロ弾き語りでも原田茶飯事バンドのドラマーとしてもエスケリータに出演していて、もう既に常連組アーティスト。店主の後藤さんとも相性バツグン。

言葉遊びのようなうたと、確かに響くギターの演奏、そして即興性の高いライブ構成。佳穂ちゃんとも非常に相性が良さそうだとすぐに思いました。

これはいい共演になりそうだと連絡したところ、わりとスムーズにことが運び、さらに「近藤康平さんもぜひ・・・」とお願いしてみたところ、こちらもスムーズにOKとなったのでした。

近藤康平さんは、今や多くのミュージシャンと共演する大人気のライブペインター/絵描きさんであるわけですが、いろいろなところでライブペイントが行われるようになった今でも、やはり康平さんのライブペイントは唯一無二だなぁと思うのです。

康平さんのパフォーマンスは、ライブの中で一枚の絵を完成させる、というわけではなく、共演者の音楽やその場の雰囲気など、そのときに起こっているすべてのことを受け止めて、目の前のキャンバスに描き続けていく、本当のライブペインティング。

映画のようだ、という評が多いように、真っ白なキャンバスからはじまった風景が色づいていくうちに、ストーリーが展開していきます。

共演者が変われば風景はやはり変わっていくし、同じ共演者でもその日の雰囲気で全く違ったものになる、まさに瞬間、瞬間の出来事。


・・・と、そこで、今回のライブのキーワードは「瞬」になるのでは、と思ったのです。

普段、ライブを企画したりセッティングしたりしても、あまりタイトルをつけることはありません。

そこに出演者がいて、エスケリータ68という個性あるお店が存在するだけで十分で、あとはそこに集まる方々の自由な受け止め方でライブを楽しんでいただきたい、ということもあり、あまりタイトルをつけたりすることに気が向かなかったのです。

ところが、なんだか今回は、無性に、タイトルをつけたい気分になりました。

もしかしたら、佳穂ちゃんや樽木さんがもつ言葉の力に引っ張られたのかもしれません。

「瞬き」と書くと、「またたき」とも「まばたき」とも読めます。

「まばたき」・・・起きている間、不定期?にしている動作。

起きている時間の1割は暗闇、という話もあるくらい、人は頻繁にまばたきをします。

まばたきの役割は複数あるようですが、そのひとつに「見ているものに区切りをつける」ということがあるとのこと。

たとえば、「車が走ってきて、止まって、人が降りてきた」という映画のシーンを複数の人で見たとき、ほとんどの人が「車がとまった」「人が降りた」という動作の大きな区切りとなるシーンでまばたきをするそうです。

まばたきで、目の前のお話を区切って、記憶しているのでしょうね。

そうだとすると、まばたきをする、というのは、記憶のための動作なんだなあと思ったのです。

目の前で生み出され続ける音や風景を、見ている私たちがまばたきをして、記憶する。そしてそれが、いつかどこかで、ふと思い出されたりする。

音が鳴っている時は一瞬で、絵も次々塗っていくと同じ絵にはもう二度と出会えないけれど、そのどちらも、観ている人の中に、もしかしたら、残っていく。

そんな可能性のことを想って、「瞬きの記憶」というライブタイトルにしました。

「瞬き」は”光が明滅する”またたき、でも、”目を閉じたり開いたりする”まばたき、でも、どちらでも。

フライヤーの裏面には、こんな言葉を書きました。


「目映い空間に現れては消える音

 まばたきの暗闇と暗闇の間に映る像

 生まれて、消えて、また生まれる

 この音は、この景色は、どこまで私のなかに、残るんだろう」


実は、7月20日にリリースされた中村佳穂ちゃんの「どこまで」を意識した言葉が入っています。


佳穂ちゃんのブログに、このシングルのことが書かれています。

http://meganegirl-nk.jugem.jp/

表題曲の「どこまで」では"歌は残る"と高々に歌っていますが、
歌だって"生まれて死ぬのではないか"と思っています。
今私が思っている歌においての「死」は
誰の心の中にも残らなくなった時だと思うのです。
どれだけ売れた うただって
どれだけ売れない うただって
生きたり死んだりするのです
生きていく歌になるのかは
あなたも私もまだ分かりません。
それが楽しみなのです。
(中村佳穂ブログ「となりにすわりますね」より)

「どこまで」の歌詞はこちら→ http://nanos.jp/nakamurakaho/page/13/


フライヤーの文章は、私なりの、佳穂ちゃんへの呼応、でもあるのかもしれません。

きっとのこるよ、見ている人の、まばたきとまばたきの間に挟まれた時間の中に、と。


というわけで、久々の企画ライブ、樽木栄一郎さん、近藤康平さん、中村佳穂さんの共演、ぜひ目撃していただきたいと思います。

ライブ詳細はこちらから→ http://esquerita68.at.webry.info/201507/article_9.html

ご予約はこちらから→ http://esquerita68.jimdo.com/ticket-mail-form/


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