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【Poker/MTT】10~12BB CO~BTNの3Bet jam レンジ


この記事ではMTT 10~12BB CO~BTNにおける3Bet jam レンジについて、その傾向について解釈を加えて考察していきます。Solutionに対する理解と相手に合わせたrangeの構築方法について理解していきましょう。
参考:GTO Wizard MTT ICM



Introduction

10BB~12BBのIPからのアクションにほとんどコールはなく、Fold or 3Bet jamで構成されている。
バブル付近の特定の状況では刻み3Betも採用されている。

3Bet jamレンジを考察するにあたって考慮すべき事項としては
・相手のopレンジの強弱
・相手と自分のバブルファクター(BF)
・インマネまでの距離(残り人数)

などが挙げられる


Main

【GTO Wizard ICM 37%left】

残り37% avg 35BB レジクロで入るとこんな感じ
BFとRP
UTG(29BB) op → CO(11BB) 3Bet jam

29BB UTG(avg↓)のopに対しては、A9s+, KJs+, 55+, AJo+を3Bet jam
EVの分布から、ATs+, KQs, 66+, AJoは積極的に採用して問題なし
相手のコールレンジにA9s+がピュアに入ってるので、Aハイはコールレンジに対してエクイティが高い順に強いとこから採用
Kハイはほとんど採用されていない

CO(11BB) 3Bet jam → UTG call

3Bet jam レンジの下限少し上の66+からディフェンス
対UTGの3Bet jamはかなりリニアなので、UTGもリニアレンジで対応

相手(UTG)が、
・ブロードフェイでかなりコール(KJs、QTsなど)
→ポケットの下限を上げて、Axsをより多く3Bet jamに採用(A5sまでは広げて大丈夫そう)
・Axsをほとんどコール
キッカーの強いAxoを多く採用(A9oくらいまで)
・ポケットは絶対降りない(UTGレンジ外のポケットまでopしてる人)
ブロードウェイのスーテッド強いとこから採用
この辺はあくまで解釈なので、過信しすぎないように😂

LJ(59BB) op → CO(11BB) 3Bet jam

59BB LJ(avg↑↑)のopに対しては、A5s, A7s+, KJs+, 44+, ATo+を3Bet jam


59BBのLJ opレンジはやや広いので、Axsを広く採用(相手の強いコールレンジをブロックかつコールされるブロードウェイにお気に入り)

CO(11BB) 3Bet jam → LJ call

COの3Bet jamレンジとほとんど同じレンジでディフェンス
それゆえに、コールされたら運力勝負


【GTO Wizard ICM 25%left】

残り25% avg 35BB
BFとRP
UTG1(50BB) op → BTN(10BB) 3Bet jam

50BB LJ(avg↑↑)のopに対しては、A9s+, KQs+, 55+, ATo+, KQo+をjam
EVの分布から、ATs+, KQs, 77+, AJoは積極的に採用して問題なし
前述のケースに比べるとバブルファクター(以下BF)が高くなっているため、コールされた時にエクイティの低いポケット群はあまり積極的に採用しなくてもいいのではと考えられる(solutionよりも狭くする)

BTN(10BB) 3Bet jam → UTG1 call

UTG1はA7s+, KJs+, QJs, 66+, ATo+, KQoでディフェンス
よりリニアな3Bet jamレンジに合わせてコールレンジも狭くしている

ずらし方に関しては基本的に前述の通り
相手が、
・Axsのほとんどでコール
→コールレンジのAキッカー少し上まで広げてAxoで3Bet jam(ニュアンスはブラフ、コールするAxsを2種類ブロック&コールされても強キッカーでEQが高い)

CO(20BB) op → BTN(10BB) 3Bet jam

Axsを多く採用、KTs,QTsが下限
ポケットは33から3Bet jam
相手のopレンジに合わせてjamレンジも広くなっていることがわかる

BTN(10BB) 3Bet jam → CO call

opしたレンジの40%でフォールド
Axs, 44+, ブロードウェイスーテッドで広くディフェンス
感覚的には、20BB前後のCOのopレンジはsolutionよりも狭くなっているので、jamレンジももっとリニアに寄せた方がいいかもしれない。


【GTO Wizard ICM 16%left (ほぼバブル) 】


残り16% avg 25BB
BFとRP
UTG1(37BB) op → BTN(12BB) 3Bet jam

RPが13.5%(クラシックMTTのバブル時のRPは約14~16%)のため、かなりのリニアレンジでjam
ポケットペアは77+から採用
AAのみピュアで刻み3Bet

BTN(12BB) 3Bet jam → UTG1 call

UTG1はopレンジの68%をFold
jamレンジとほぼ同じ強さのレンジでディフェンス


LJ(19BB) op → BTN(12BB) 3Bet jam

相手のop → foldのT, 9, 8を押さえていないかつコールされるA強キッカーに対してもエクイティの高いAxsでjam
(
この辺りはバブル付近特有のレンジの変化なのかなと思います)
ポケットは99+を採用
AAのみ刻み3Bet

BTN(12BB) 3Bet jam → LJ call

見ての通り強いハンドだけでディフェンス
71%foldを取れるので、相手に強いハンドが入っていないことを祈りましょう


【GTO Wizard ICM 10%left (after ITM)】

残り10% インマネ後 avg 15BB
BFとRP
LJ(22BB) op → BTN(12BB) 3Bet jam

ITM後はかなり広くポケットを採用
Qスーテッド、Jスーテッド、ATo+を採用

BTN(12BB) 3Bet jam → LJ call

opレンジの53%でディフェンス
特筆すべき点はなし


Conclusion

  • 残り人数が少なくなるにつれて一般的に3Bet jamレンジは狭くなっていき、ITM後に広くなる

  • 相手のopレンジに応じてjamレンジも広くなる(Axs, Kxs, ポケットを強い順に採用)

  • チップ量が多い、IPに近いほどopレンジは広くなる

  • AAはバブル付近では刻み3Betを使う(本来はブラフハンドもここに組み込むべきであるが、ROIにはあまり影響しなさそうなので余裕があれば)

MTTは飛ばないことが重要ですが、同時にチップを減らさないこと(増やすこと)もかなり重要です。
ICMを理解し始める頃は直感的なレンジをいかに狭くするかに着目しがちですが、ROIを少しでも上げるためには適切なハンドでAIをすることも必要となってきます。

コールされにくいレンジを見つけて、積極的にスチールを敢行できるようになると、自ずとトーナメントで生き残ることが多くなります。
覚えるべきことはかなり多いですが、効率的にカテゴライズしてできるだけ再現性の高い学習方法を確立しましょう。


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