ゆめ日記

素敵な夢を見た。

そのマンションの1階にはテレビ付きのロビーがあった。
ロビーは住人の共用スペースになっており、皆それぞれ好きに利用していた。

私はその日、中年男性の顔がプリントされたシャツを着て、ただジャンプをする運動をしていた。
縄跳びの要領で何度もジャンプすると、見た目の滑稽さと裏腹にしっかりとした強度の運動になる。

テレビ画面に映った芸能人の洋服の黒い部分に、私のシャツの上の、中年男性の顔が犬に見えてきたりして、そこに吸い込まれるような感覚に陥った。
気付けば、3m程隣にaikoがいた。
彼女もロビーや部屋で飛び跳ねる事が日課だとLIVEのMCで言っていたことを思い出した。
私が慄いている間に、なんと、彼女はにこやかに近付いてきたのだ。
やはり私がLIVEグッズの抹茶Tを着ていたからだ。気付けば身に付けていたシャツが変わっていたのだ。
「目指してるものあんの?」
そう質問してきた。言葉の意図が全く分からず、口ごもっていると
「まっちゃんとかさ!」
と補足してきた。体型の話か。
私は憧れの人物と話せた高揚感を押し殺し、平静を装い
「えー!でも筋肉で脇閉まらんよ、こんなんやん!」
と、おどけた。彼女は眩しい笑顔でにやついた。目が挑戦的だった。
暫くの無言。彼女も飛び跳ね始めた。近くで飛び跳ねる二人。
ファンです、大好きです!
そう言おうとしたが何故か私は
「人間の一番大事な物ってなんですかね!?」
と悲観的な質問をした。犬のような困り顔だった。彼女から重要な金言を引き出そうとしたのだ。彼女はにやけ顔のまま
「そら男も女もこの辺についてるアレに決まってるやん〜」
と言った。隠部周辺を指差しながら。
私は真剣な話が聞けると思っていた。そんな暗い性格を嘲笑う太陽のような態度に笑えてきて、自分の矮小でつまらない性格に泣けてきて、
「カタカナ3文字か4文字の?」
と返すしかなかった。

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