シナリオ案(大麦こむぎさんの『月がきれいですね』から)

【テーマ】

「すき」がなくなった世界。
主人公は「すき」以外で気持ちを表すのではなく、「すき」を新しい言葉として誕生させ、好きな人と協力しながら世界に発信することを決意します。
『自分の気持ちをうまく伝えられなかった主人公が、言葉を作りあげていく過程で自分自身や周囲の人達と向き合う姿』を描いた、成長ドラマの側面を持った恋愛ドラマです。

【あらすじ】<第1話>

内気で自分の気持ちをうまく伝えられない高校生のゆかりは、ある日、
緊張しやすい性格が原因で気を失ってしまう。
目を覚ますとそこは、好きという言葉が存在しない世界になっていた。
言葉の重要性に気づいたゆかりは、想いを寄せる登也に気持ちを伝える
ため、再びこの世界に好きという言葉を誕生させることを決意する。
登也と東(古典教師)の協力を得て漢字や言葉の成り立ちを調べ、好きを
作りあげていくゆかり。
少しずつ明るくなっていくゆかりと登也の距離は徐々に縮まるが、
登也の幼馴染であるカナが邪魔をするように2人の間に入り始める。
そして、カナがゆかりにある事実を告白する。
「好きを知っているのはあなただけじゃない」と・・・。(第2話に続く)

【登場人物】

崎本ゆかり(17)・・・高校2年生。緊張しいで内気な性格。
中条登也(17)・・・ゆかりのクラスメイト。文武両道で物腰柔らか。
墨田カナ(17)・・・登也の幼馴染。登也に想いを寄せている。
東奈津美(38)・・・古典教師。ゆかりのクラスの担任。

【シナリオ】<第1話>

〇高校・ゆかりのクラス(授業中)
   隣の席に机を寄せている崎本ゆかり(17)、ソワソワしている。
   「ドクン、ドクン」とゆかりの鼓動。
   隣は中条登也(17)で、一冊の教科書を一緒に読んでいる。
   古典の授業中。黒板には『伊勢物語』の『すける物思ひ』。
   東奈津美(38)、黒板に書き込みながら。
東「だからこの『さるすける物思ひ』っていうのは『気を失ったりしてし
 まうほどに打ち込んだ恋』ってことだね」
ゆかり「(登也をチラッと見る)……」
登也「(気づいて)?」
ゆかり「っ!(目を逸らす)」
   「ドク、ドク、ドク」とゆかりの鼓動が早まる。
東「じゃあこの『すける』の活用は?教科書忘れた崎本さん」
ゆかり「あ、は、はい。『好く』の已然形と完了の『り』の連体形です」
東「はい。今では好きっていう使い方をするけど、『好く』には打ち込む
 とか恋愛に熱中するという意味があります」
登也「(ゆかりに)今の好きにも色んな意味があるよね」
ゆかり「へっ……?」
   「ドッ、ドッ、ドッ」とさらに早まる鼓動。
東「(聞こえていて)確かにそうだね。言葉って不思議だよね。短い単語
 にも色んな想いを込められるもんね」
ゆかり「(ひとり言)好き……」
登也「え?」
ゆかり「あ、ちが、今のはっ(登也と目が合う)……っ!」
   「ドッ、ドッ、ドッ、ドッ、ドッ……!」鼓動は最高潮に達して。
   ゆかり、白目をむいて倒れる。
登也「え!?崎本!」

〇同・保健室
   ベッドで寝ているゆかり。パッと目を覚ます。
   そばに養護教員がいて。
養護教員「あ、崎本さん大丈夫?救急車呼ぶか迷ってたのよ」
ゆかり「……すみません、ご迷惑をおかけしてしまって」
養護教員「今日はもう授業出ない方がいいと思うけど」
ゆかり「(起き上がり)い、いえ大丈夫です。ありがとうございます」

〇同・ゆかりのクラス(昼休み)
   登也、戻ってきたゆかりに気づいて。
登也「崎本。大丈夫?」
ゆかり「だ、大丈夫、です。ごめんなさい」
登也「別に謝らなくても。あ、ごめんノート勝手にしまっちゃった」
ゆかり「あ、ありがとうございます」
   ゆかり、自分の机の引き出しからノートを取り、パラパラと。
ゆかり「あれ……?ない……」
登也「ないって?」
ゆかり「『すける物思ひ』がないんです。さっき書いたはずなのに」
登也「すける?なにそれ?」
ゆかり「さっき授業でやった『すける物思ひ』です。伊勢物語の。あれ?」
登也「そんなのあったっけ?」
ゆかり「さっき好きの意味を先生が……あ、あの、教科書を……」
登也「(教科書を差し出し)すき?……ってなに?」
   ゆかり、登也から教科書を受け取り、慌ててページをめくる。
ゆかり「ない……なんで?」
登也「大丈夫?もう少し休んだ方が」
   ゆかり、電子辞書を出し、『すき』を検索する。
   が、検索結果に『好き』は出てこない。
ゆかり「あ、あの、これなんて読みますか?」
   と、ノートに『好き』と書く。
登也「なにこれ?女子?き?」
ゆかり「そんな……じゃあこれは?」
   今度は『すき』と書く。
登也「す、き?」
ゆかり「そうです!意味……知ってますよね?」
登也「……すきやきの、すき?」
ゆかり「……嘘って言ってください。好きがなくなってる?なんで?」
登也「ちょっと崎本まじで休んだ方が」
ゆかり「もしかして気絶したから?これ、これは夢ですか?」
登也「落ち着いて」
ゆかり「あ、あの、もう一回気絶させてください」
登也「なに言ってんだよ。いい加減にしろって」
ゆかり「殴ってもらって大丈夫です。我慢します」
登也「そんなのできるわけないだろ」
ゆかり「じゃ、じゃあ……階段から転げ落ちてきます!」
   登也、行こうとするゆかりの腕を掴み、引き寄せて抱きしめる。
ゆかり「!?」
登也「大丈夫だから。な?落ち着いて」
   「ドッ、ドッ、ドッ、ドッ、ドッ、ドッ……!」
   ゆかり、白目をむいて気を失う。

〇タイトルバック

〇高校・生徒指導室(翌朝)
   東の向かいに座っているゆかりと登也。
東「体調は?もう大丈夫なの?」
ゆかり「(俯いて)はい」
東「昨日のこと中条君に聞いたよ。もし悩みがあるなら先生に相談して」
ゆかり「(言うか迷う)……」
東「崎本さん。言いにくいこと?」
ゆかり「言葉が……言葉がこの世から消えることはあり得ますか?」
東「……えーと。ごめんね、それは哲学的な意味かな?」
   ゆかり、手帳を取り出して、空いたページに『好き』と書く。
ゆかり「これ、なんて読みますか?」
東「ちょっと分からないかな。作ったの?」
ゆかり「違います。あったんです昨日まで。みんな当たり前に使ってて、
 授業でも先生が説明してくれました。これです。好き」
東「すき……」
ゆかり「気絶して、目が覚めたらなくなってたんです。どうしてですか?」
東「……崎本さん。一度ご両親を交えてお話を」
ゆかり「わ、私おかしくなってません。本当にあったんです」
東「おかしくなったって言ってるわけじゃないんだよ?ただ、少なくとも
 私はこの言葉を知らなくて」
ゆかり「素敵な言葉なんです。好きがなかったらみんなどうやって気持ち
 を伝えるんですか?」
東「(困惑)……」
ゆかり「好きがなかったらどうやって……。私この言葉で気持ちを伝えた
 いんです。いつも緊張してちゃんと話せないけど、でも伝えたいんです」
   ゆかり、はっと我に返って、登也を見る。
登也「……?」
東「(察して)これは、その、相手に気持ちを伝える類の言葉なの?」
ゆかり「……」
東「(少し考えて)よしわかった。この言葉を作ろう。崎本さんが」
ゆかり「え?私が……?」
東「崎本さんの中ではこの言葉のイメージがちゃんとあるんだよね」
ゆかり「はい」
東「じゃあ作ろう。先生も協力するから。作って、世の中に発信しよう」
登也「そんなことできるんですか?」
東「難しいだろうね。仮に一時的に流行ったとしても、一般常識として認
 知されるまでになるのはかなり厳しいと思う」
ゆかり「……」
東「でも明確な想いを宿せば、言葉は作れるし、きっと伝わる」
ゆかり「……私、やります。作ります。作って……伝えます」
登也「あの、それ俺も手伝っていいかな?」
ゆかり「え、あ、えと、でも中条君は部活とか色々ありますし」
登也「昼休みとかなら俺は大丈夫。迷惑?」
ゆかり「迷惑なんてそんな。でも……どうしてですか?」
登也「だってこんなすごい事に関われる機会めったにないし。あと、崎本
 がそこまでして作りたいのがどんな言葉なのか気になる」
ゆかり「じゃ、じゃあ……(どんどん小声に)よろしくお願いします」
登也「よし。一緒に作ろう」
東「まずはこの言葉を意義のあるものにしないとね」
ゆかり「意義のあるもの……」
東「漢字って古代から伝承されてきたものだから、化学的な発見がされた
 時くらいしか新しい漢字は生まれないんだよね。元素とか」
ゆかり「じゃあ私たちも化学的な発見を……」
東「それは現実的じゃないかな。これは感情を伝える言葉なんだよね?」
ゆかり「主にはそうです」
登也「そもそもなんでこの字なの?女偏に子」
ゆかり「分かりません……どうしてだろう?」
東「じゃあまずは女偏の成り立ちとか言葉の生まれ方を調べていこっか」
ゆかり「は、はい……!」

○同・図書室(以下、言葉作りに励む日々)
   一緒に調べものをしているゆかりと登也。
ゆかり「(登也を見る)……」
登也「(気づいて)?」
ゆかり「!(本を読むフリ)」

○同・ゆかりのクラス
   机に本やノートを広げて、一緒に弁当を食べているゆかりと登也。
登也「やっぱり女偏の漢字は女性の行動とか関係性を表したのが多いね」
ゆかり「はい。これは子どもに対する母親の愛情を表してるのかな……」

○同・生徒指導室
   ゆかり、登也、東の3人。ノートを見ながら。
東「読み方が多いと浸透しづらいから、すきで統一したほうがいいかもね」
ゆかり「わかりました。活用形も好きで統一したほうがいいですか?」
登也「(驚く)そこまで考えてなかった」

○同・屋上
   ゆかりと登也、一緒におにぎりを食べながら。
登也「じゃあこれは人に気持ちを伝えるだけじゃないんだ?」
ゆかり「物に対しても使います。おにぎりが好き、とか」
登也「万能な言葉だね」
ゆかり「確かに……」

○同・図書室
   踏み台を使って上の方にある本を取るゆかり。
   バランスを崩すが、登也が支える。
ゆかり「(白目になりそうなのを耐える)……っ」

〇同・ゆかりのクラス
   机に本やノートを広げて、一緒に弁当を食べているゆかりと登也。
登也「そういえばヤバいって江戸時代から使われてる言葉らしいよ」
ゆかり「え!そうなんですか?……好きもずっと使われるといいなぁ」
登也「(ゆかりを見つめる)」
ゆかり「ご、ごご、ごはんつぶついてますかっ?」
登也「いや、なんか崎本変わったなって思って」
ゆかり「そ、そうですかね?髪はしばらく切ってないんですけど」
登也「(笑う)そういうことじゃなくて」
   (言葉作りに励む日々、終わり)

○同・生徒指導室
   ゆかり、登也、東の3人。
東「うん、だいぶ固まってきたね。改善点はあるけど、でもいいと思う」
ゆかり「(照れて)中条君のおかげです」
登也「俺はなにも。一緒に楽しませてもらってます」
東「広め方も考えていかないとね」
ゆかり「広め方」
東「(頷く)この言葉をどう広めるか」
登也「やっぱりSNSとかですかね?」
東「それが広まりやすいだろうけど、一過性のリスクもあるからなぁ」
ゆかり「(思うところがある)……」

○同・廊下
   生徒指導室から出てくるゆかりと登也。
   すぐそこにスマホをいじっている墨田カナ(17)が立っていて。
登也「カナ?なにしてんの?」
カナ「登也がここに入ってくの見たから、怒られてんのかなーって」
登也「違うよ相談事」
カナ「(ゆかりを見て)えーと誰だっけ?」
登也「同じクラスの崎本」
カナ「ふーん(何かを見定めるような視線)」
ゆかり「(少し怖い)ど、どうも……」
カナ「ねえそれより見てよこれー」
   カナ、登也の手を取って自分の頭を触らせる。
登也「うわでっかいタンコブ。どうしたの?」
カナ「このまえ体育の時に頭ぶつけちゃって」
登也「気をつけろよ」
カナ「ねえ今日弁当?お昼一緒に食べようよ」
登也「今日はちょっと崎本とやることあるからまた今度ね」
カナ「最近付き合い悪い。(ゆかりに)今日は私が借りてもいいよね?」
ゆかり「あ、私は……」
カナ「いいって」
登也「いや言ってないだろ」
ゆかり「……今日は、お休みにしましょうか?」
登也「崎本」
カナ「ほら。行こ行こー(と、登也を連れて行く)」
登也「悪い崎本。また明日から再開しよう」
ゆかり「あ、はい……」
   ゆかり、その場に立ったまま。
ゆかり「(モヤモヤ)……」
   生徒指導室の扉が開き、東が出てくる。
東「あれ?まだいたの?」
ゆかり「あ、その、お昼ごはんどうしようかなと。考えてました」
東「ここで?」
ゆかり「ちょうど今歩き始めようと思ってたところで、はい」
東「崎本さんは」
ゆかり「?」
東「ごめんね、本当はこういうこと聞くべきではないんだけど。崎本さん
 は、その、中条君のこと……」
ゆかり「……わかりますよねやっぱり。バレバレですよね私。中条君にも
 たぶん気づかれてて」
東「いや本人気づいてないみたいよ?」
ゆかり「え?そうなんですか?」
東「直接聞いたわけじゃないから分からないけど。あれはたぶん気づいて
 ない。ああ見えて意外と鈍感みたいだね」
ゆかり「よ、よかった~」
東「いつか伝えられるといいね、崎本さんの気持ち。好き、で」
ゆかり「(嬉しい)はい。ありがとうございます」

○同・ゆかりのクラス(放課後)
   1人でノートを見ているゆかり。
   廊下を通りかかったカナ、ゆかりに気づいて教室に入ってくる。
カナ「(ノートを覗き込んで)なにしてんの?」
ゆかり「あ!これは、その」
カナ「好き」
ゆかり「え?どうして……中条君から聞いたんですか?」
カナ「ううん。崎本さんとなにしてんのって聞いても教えてくんないんだ
 よね、あいつ」
ゆかり「じゃ、じゃあ」
カナ「最近2人仲いいみたいだねー」
   カナ、黒板の前に行き、『好き』と書く。
ゆかり「(状況が理解できない)……」
カナ「崎本さんさ、登也のこと好きなの?」
ゆかり「あ、あの……」
カナ「(振り返り)私も好きなんだよね登也のこと。しかも幼稚園の時か
 ら。すごくない?一途が過ぎるよね」
ゆかり「ちょ、ちょっと待ってください、どうして」
カナ「自分だけだと思ってた?この言葉知ってんの」
ゆかり「……」
カナ「崎本さんだけじゃないから」
ゆかり「……」
カナ「別に作るのは勝手だけどさ、この言葉で登也に気持ち伝えるのは私
 だから」
ゆかり「……!」
   対峙するゆかりとカナ。

(つづく)


【プロット】<第2話>

(※時を少し遡り、カナの物語からスタート)
ゆかりが気を失ったのと同時刻。体育で頭をぶつけ気を失うカナ。
保健室に運ばれ、ゆかりが保健室を出ていく音で目を覚ます。
友人達との会話に違和感を覚え、好きがない世界だということに気づく。
翌日、ゆかりと登也が生徒指導室に入っていくのを見かけ、盗み聞き。
ゆかりが好きを知っていて、登也と一緒に言葉を作るということを把握。
ゆかりと登也が調べものをしているところや昼食を食べているところを
見かけ、嫉妬心を募らせていくカナ。
登也を無理矢理連れ出して問い詰めるが、教えてもらえずイライラ。
そして1話目のラストシーンへ繋がる。(ここからはゆかりの物語)
好きを知っていることに驚くが、一緒に作ることをカナに提案するゆかり。
ゆかりをライバルだとみなしているカナはそれを拒否。
「部活で全国大会を目指している登也の邪魔をするな」と釘を刺すカナ。
自分のせいで登也に迷惑をかけていると思い、続けることを迷うゆかり。
さらに、幼馴染で自分とは正反対の性格のカナには敵わないと悩む。
翌日、「1人で好きを作る」と登也に伝えるゆかり。
理由を教えてもらえない登也は怒りながらもそれを受け入れ、2人の関係
はギクシャクしたものになっていく。
登也に好きを伝えるという目的を失ったゆかりは、1人で作ることもでき
なくなっていく。
それを見かねた東はゆかりを呼び出し、自身の経験を踏まえて「どんな形
でも学生時代に経験した後悔は一生ついてまわる」「化学の発見を超える
言葉を作り出せ」と鼓舞する。
東に励まされたゆかりは、ノートを読み返して登也との日々を思い出し、
再び好きを作ることを決意する。
翌日、ゆかりは登也への想いをカナに伝え、「自分勝手だと思われても自
分の気持ちに素直になる」と宣言する。
ゆかりの気持ちに動かされたカナは、ゆかりに負けまいと、好きを一緒に
作ることを申し出る。
そして、ゆかりは登也に謝罪し、また一緒に作りたいと伝える。
登也はこれを受け入れ、4人での言葉作りがスタートする。
カナが加わったことで議論が増えながらも、好きの意味を確立させていく4人。漢字では語源などの説明が増えて広まりづらいということで、「すき」で発信することが決まる。
そしていよいよ、言葉の広め方を決める時が来る。
現代の広め方としてSNSでの拡散を勧める登也、カナ、東に対し、
「軽い感覚で広まってすぐに忘れ去られるような言葉にしたくない」と
反対するゆかり。
ゆかりの賛成を得ない限り広め方が決められなくなり、一時中断する。
3人には感謝しながらも、やはりSNSには賛成できず悩むゆかり。
しかし、「明確な想いを宿せば、言葉は作れるし、きっと伝わる」という
東の言葉を思い出し、ゆかりは覚悟を決める。
ゆかりの賛成も得て、「すき」を発信する4人。
だが簡単にはいかず、何の反応もないまま1週間、2週間と過ぎていく。
失敗したと落ち込む3人を、「これは失敗ではない。別の方法を模索して
いこう」と励ます東。
広めることはできなかったが、登也がその意味を十分に理解していると
感じたゆかりは、勇気を出して「すき」で登也に想いを伝える。
ゆかりの想いを真摯に受け止めながらも、これまでの関係を続けたいと
伝える登也。
ゆかりの想いの強さを近くで見ていたカナは、好きだったことを登也に
伝えるが告白することはなく、これからも3人で一緒にいることを決める。
失恋をしてしまったが、初めて正面から言葉で気持ちを伝えられたゆかり
に後悔はなく、清々しい気持ちで溢れていた。
そして3人が気づかない間に、SNS上では「すき」が瞬く間に広まっていた。

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