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学校教育って なんだろう ③

ジェネラリストとスペシャリストのはざまで 
悩み続けた 小学校教員はどれだけいるのだろう

中学校からの教員免許状は科目ごとに授与される
そのため専門科目が明記されるが、
小学校は全科または特別支援教育の免許状があるのみだ

小学校にも専修免許状も存在はするが、
わたしが出会った限り、専修免許を取得済の同僚はたったの一人であった


免許状通りにいけば、小学校教員はジェネラリスト一本で良かった

ただいざ理科専科として配属されれば
理科主任から呼び出され
「あなたの専門分野について話をきかせてもらいたい」と言われたり

書写(国語科)の非常勤講師として派遣されれば
「昨年までの担当教員は書道毛筆の師範で、1枚ずつお手本を作ってくれたのよ」などと、ジェネラリスト以上のことを求められるケースもある


産休代替職員として任用されたときは
「〜先生は、社会科の部会でも、すごく頭の切れる人だった。
 〜先生ならこんなことも、言わなくても、どんどんやってくれたのに」と

完全なクローンのような代役を求められているのか、
と受け取めざるを得ない発言まで職員室ではどんどん飛び出す


もちろん フルタイムの正規職員でない以上
いいとこどりをして働かせていただいている面は否めない



ただ、実態としてはジェネラリストなのだから
そこまでの教科別の専門性を求められても、
パンクして終わるのではないか


小学校は、
「クラス担任制」つまり、学級単位での教科・教育活動が軸になるので

一部の教育大学付属小学校を除き、
非常勤講師が専門性を維持するのは極めて厳しい状況だ


たとえば、本人が理系科目が得意で
理科専科を第一希望、家庭科は自信がないのでできれば避けたいという
希望を正式に出していたとする

それでも配属先で
家庭科と特別支援教育を担当されていた正規職員が産育休に入れば
その先の3年間は、理科専科ではなく家庭科専科または特別支援教育の担当となる可能性が極めて高い

さらにその3年間の任期が終了したあとに、理科専科を希望したとしても
その希望が通る可能性は極めて低い

なぜなら委員会が、各講師の専門性の維持より優先すべき人事上の問題を
多く抱えているからだ

すなわち 空いてしまった教科、担当を埋めることが最優先事項である以上
職業的な教科指導の専門性を、現場の授業実践を通じ維持することは極めて
困難な状況である


ここで付け加えるのが適切かは わからないが
小学校では就学前健診なども校内で半日をかけて
職員総出で実施している

わたしが担当したのは 視力検査 だったが
言葉が未発達な子どもたちの視力を測定し記録をつけ
同伴の保護者の案内をする という流れだった

この視力測定に必要な機器の搬入や後片付けも
すべて個々の教員に任せられる

少なくとも半日はかかるので
午前授業で給食なしの日の午後に行われることが多い

すべての片付けと反省会を終えると18時をまわり
そこから ようやく通常の校務分掌や授業準備にとりかかれる、
といった具合だ

午前中の授業で理科の実験などがあり
片付けを手伝う理科支援員さんの出勤日でなかったときには
18時から実験室の後始末を行うことになるのだ


さぁ 毎日の睡眠時間はどうなるのかな



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