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2022年の春天を終えて

天皇賞・春 今年も開催!

タイトルホルダーが逃げ勝つ

5月1日(日)天皇賞・春が開催された。
3,200mで争われるGⅠ最長の長距離レース。
まずはお疲れさまでした。
出走した馬、騎手ともに目立った怪我無く終われたのは何より。

最長レースを制したのはタイトルホルダー。おめでとう!

タイトルホルダー 鞍上は横山和生騎手

昨年の菊花賞(GⅠ 3,000m)を逃げ勝ったタイトルホルダー。
今回も鮮やかな逃げ切り勝ちであった。
外からのスタートも、序盤に颯爽とハナを奪うとそのまま誰にも追いつかれることなく、2着に7馬身差をつけ圧勝。
しかし逃げ馬は見ていて爽快だ。タイトルホルダーだけでなく、宝塚を予定しているパンサラッサや、新進気鋭のジャックドールなど…

尚、騎手の横山和生も、祖父の富雄、父の典弘に続き、春天を制覇。この3代制覇は史上初のことである。和生もおめでとう!

2着は1番人気ディープボンド。
昨年の有馬記念では海外帰りから2着に捻じ込み、阪神大賞典では1着。
力のある差し馬である。
騎手の和田竜二とのコンビも最高だ。
(私の中で)和田は結構推し騎手である。TMOと和田のコンビ、最高…。

3着はテーオーロイヤル。
4着はヒートオンビート。
5着はアイアンバローズという結果であり、掲示板内は1~5番人気の馬のみ…

と、掲示板だけを見れば上位人気決着の荒れない競馬であるように思えるが
『競争中止』になった1頭がいる。

シルヴァーソニックの存在

気ままに一人旅のシルヴァーソニック 鞍上は川田騎手…だった

川田騎手はレース開始直後、シルヴァーソニックから落馬。
※川田騎手は無事なようです
カラ馬(騎手不在のこと)となるもそのまま走り続け、タイトルホルダーの後ろの位置につける。
そしてそのまま走り続け、幻の2着でゴール。

ゴール後は外ラチを飛び越え「あー疲れた」と言わんばかりにバテて寝だした。
現場は外ラチに激突して亡くなったんじゃないかとひやひやしていたが、暫く経つと立ち上がったとのこと。
正直シルヴァーソニックが全て話題を搔っ攫っていった
まず無事でよかった。
そしてこのふてぶてしさというか、自由な感じは、さすがステゴ→オルフェの血が入っているだけあるなぁ…と思った。

カラ馬は『邪魔』という事実

ここでの邪魔は、安全面とレース面において『邪魔』ということである。
「騎手がいなかったのに無事に走り切って偉い!」
「頑張った馬に対して邪魔は失礼!」
といった精神論は聞いていない。文句があるなら俺の金補填しろ

競馬に『もしも』は無いし、一発勝負だったということも分かっているし
だけどシルヴァーソニックがいなかったなら…と思う。
カラ馬は何をするかわからない。騎手の考えることが増える。
いきなり斜行するかもしれない。後続の馬は出にくくなる。
当然、逃げるタイトルホルダーをつつくことは容易ではない。

騎手の禁忌は、勝ちたいあまりに馬の安全を疎かにすることである。
そのため、カラ馬が前にいた時点で無理に行けとは言えない。
その馬にも、騎手にも次のレースがあるからだ。

但し、タイトルホルダー以外の馬にとっても
タイトルホルダー以外の騎手にとっても
タイトルホルダー以外に賭けた人間にとっても
シルヴァーソニックは『邪魔』である。

現に、2着のディープボンド騎乗の和田騎手はこう語っている。
「ロスなく運べましたが、カラ馬もいたし、内から張られて(走りが)浮いてしまう感じで、向こう正面から手応えがしんどかったです」

…今回のディープボンドはシルヴァーソニックに関わらずタイトルホルダーに勝てたとは思えないが、シルヴァーソニックがいなければ7馬身もつけられていなかったことは事実であろう。(この辺りは後述)

一番の被害者はタガノディアマンテである。
3コーナー過ぎからズルズルと下がり始め、結果17着。
しかも16着から大差でゴールした。
シルヴァーソニックに脚をぶつけられたのである。
タガノディアマンテがタイトルホルダーに競りかけていく可能性もあったが、それをカラ馬によって潰されたのである。

シルヴァーソニックがどうであれ、タイトルホルダーは勝っていたと思うが、シルヴァーソニックがタイトルホルダーを楽逃げさせ、アシストしたことは、レース展開を見る限り疑いようもない事実であり、何とも後味が悪い勝利となった。

後味の悪い春天と、タイトルホルダーのこれから

全馬・全騎手無事であったことに対しては何も異論はない。
そしてシルヴァーソニックがどうであれ、これもルールだし。
どうせタイトルホルダー勝っていたし。

但し、前年の借りを返すディープボンド VS
菊花賞を勝った4歳馬のタイトルホルダー
この構図にケチがついてしまったことは大変残念に思う。
もし、この2頭が次対戦するレースがあるのであれば、その時はまた真っ向勝負をしてもらいたいものである。

タイトルホルダーもそうだが、父ドゥラメンテの血が入っている馬はつい応援してしまう。(キタサンブラックのライバルなので…)
ドゥラメンテは皐月で末脚爆発、ダービーも完勝とかなりの注目株であったが、骨折により戦線離脱した。
復帰するも宝塚で故障発生し、ターフを去って種牡馬になるも急逝してしまった。
ドゥラメンテの急逝は、日本競馬会にとって大きな損失であるが、タイトルホルダーのように残された馬たちが活躍しまくっている。

ドゥラメンテ ポテンシャルはかなりのものだった

タイトルホルダー。その名に恥じない、春天獲得おめでとう。
これからも、父ドゥラメンテが獲得できなかったタイトルを
次々と獲っていってあげてください。

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