#667 個人の能力ではなく,能力が発揮できる環境をつくる
今日は,同ゼミの後輩に研究指導をする日でした。その後輩は,ソーシャルキャピタルの研究をしています。
日本語では社会関係資本と呼ばれ,提唱者パットナム(1993)によると,「人々の協調行動を活発にすることによって社会の効率性を高めることのできる,『信頼』『規範』『ネットワーク』といった社会組織の特徴」を意味します(よくわからん)
僕の専門領域(教育社会学)でも,ソーシャルキャピタルは語られることが多く,例えば,「自分の周りに大学進学者が多ければ,自分も大学に行く確率が高くなる」そんなことを,ソーシャルキャピタルと言っています。
最近の日本社会は,「個人主義」であり「自己責任論」があまりにも強いように感じています。個人の独立や自律が重視されています(Ogihara,2014)。もちろん個人の独立は重視されるべきです。しかし,あまりにもその風潮が強いと,個人は私利私欲に走り出してしまう。
ご自身が「人の助けを借りてなんかない,自分の力だけで成功したんだ!」と思われるなら,僕は本当にそうでしょうか?と聞きたい。それは,まさにソーシャルキャピタルで,自分の能力を最大限発揮できたからでは?と,僕はそう思うのです。
「能力がある,能力がない」ではなく,「能力を発揮できる環境があるか,ないか」が,これから重要なんじゃないかなと思うこの頃です。
2021年7月2日 こにしりょう
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