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海外で売れるには?人気クリエイターに海外展開について聞いてみた


2014年5月からサービスを開始したLINE Creators Marketも9年目になり、日本を飛び出し、海外でも人気を集めるLINEスタンプも増えてきています。

今回は、LINEスタンプクリエイターの皆さまから寄せられた「海外で売れるスタンプについて知りたい」「海外展開のコツを教えてほしい」というご要望にこたえるべく、日本のみならず海外でも人気のあるクリエイターにお話をうかがいました。ぜひ参考にしてみてくださいね。



今回お話をうかがったのはこちらのお二人!

ーQ1.海外向けにスタンプを販売しようと思ったきっかけを教えてください。

たきむらさん
日本での売上が伸び悩んでいた時に、少しでも販売の機会が増えればと思い海外版の制作を始めました。

くにのいさん
スタンプのサービスが始まった最初の頃、認知度を広めるため一週間無料でスタンプを配布しませんか?とお誘いをいただき、ありがたくお受けしたところ、それが日本だけでなく海外を含めたものだったため、図らずも海外の方々、特に台湾の皆さまによく知られることになりました。
最初は「細々とでも売れてくれれば」という望みだけで、海の向こうのことは頭に無かったのですが、海外の方々にも喜んでもらえることがわかり、それなら可能な限り海外の方にも便利なものをつくってみようかな、となりました。

ーQ2.海外向けにスタンプを展開している方の多くが“英語版”のみ制作しているところ、くにのいさんは“繁体字版”も制作されています。その理由は?

くにのいさんの繁体字翻訳例

くにのいさん
先にも触れたとおり、ありがたくも台湾の皆さまによく使っていただいているからです。私のスタンプはほぼすべて犬を描いたものなので、犬好きなお国柄なのかなと思っています。また、少々違いはあれど漢字の国なので、訳さえしてもらえば文字も書きやすい、という理由もあります。
とはいえ、つくる苦労はもちろんあるのですが、今までの私のスタンプを全て揃えたスクリーンショットと共に、応援メッセージなんかいただいた日には、ああ、次も頑張ってつくろう…!と思わずにはいられません。

ーQ3.スタンプの翻訳はどのようにおこなっていますか?

たきむらさん
Google 等の翻訳機能を使いつつ、より詳しい解説をしている英会話のページを探して表現に誤りがないか確認をしています。また、スタンプのタグ設定で日本語・外国語を切り替えて参考にしたりもしています。

くにのいさん
これは幸運としか言いようがないのですが、私のスタンプを好んでファンレターをくださった台湾の方が、翻訳のできる方だったのです。ですので台湾で使われている中国語繁体字への翻訳は、その方にお願いしています。日本語ならではの表現(特にオノマトペはスタンプ上で多く使う上に日本語特有のものなので大変そうです)をいつも丁寧に紐解いて訳してくださるので、感謝しかありません。
台湾以外の国用のスタンプは文字なしにするか、google翻訳やDeepL翻訳ツールを使い一部英語にしています。

ーQ4,海外向けにスタンプを制作する上で工夫していること・注意していることなど、成功の秘訣があれば教えてください。

たきむらさん
どの国の人でも使えるよう、テキスト無しでも伝わる絵を心掛けています。直訳が難しいものなど、場合によっては日本版とはまったく違う意味のテキストでつくり直すこともあります。

お二人ともテキストが無くても感情やシーンが伝わるスタンプを展開

くにのいさん
例えばお正月用のスタンプで、日本語版では鏡餅を描いたものを、台湾版では逆さの福の字の飾りにするなど、日本語版そのままの絵柄では使いにくいものはできるだけ海外の文化に沿ったものに直すようにしています。先の翻訳者さんにはそういったこともご相談しますね。
昨年、冬用のスタンプを描く際、私は雪国住まいなので雪遊びのシーンを沢山描こうとしたのですが、台湾は温暖で雪がほぼ降らないと知り、慌てて数を調整したりもしました(笑)。

ーQ5.海外の方へのスタンプ販売告知はどのようにおこなっていますか?

たきむらさん
インスタグラムの投稿でおこなっています。普段の投稿も常に英語のハッシュタグを付けて海外のフォロワーが増えるよう意識しています。

たきむらさんのInstagram投稿には海外の方からのコメントも多数

くにのいさん
これが一番難しいかもしれませんね。海外に声が届きそうなお知らせツールを今のところFacebookしか知らないので、Facebook上で片言の英語でお知らせしています。なんとか届いてはいるようですが、もしかすると、もっとお知らせに適したツールがあるのかもしれません。
新作リリースの通知の際にLINE上で作者からひとこと添えられればいいのに~と、LINEさんに機能的なおねだりをしたい気持ちがあります。

ーQ6.海外向けにスタンプを制作・販売して良かったことはなんですか?どのような反響がありましたか?

たきむらさん
テキストを直すだけの少ない手間で収益の機会が増え、中には日本より多く反響をいただいたスタンプもあるので、そういうチャンスに出会えることも海外向けスタンプを制作するメリットの一つだと思います。

くにのいさん
ネットを通じて海外の方から「スタンプ使っていますよ!」と声をかけていただけるのが一番嬉しいです。自分の描いたものが、想像もつかない遠い所で役に立っている…という不思議な感動を覚えます。
反響といえば、「あなたの犬の絵が大好きなので、タトゥーにしてもいいですか?」と尋ねられたことがあります。文化的にタトゥーのハードルが低いお国の方だったようですが、ジャパニーズの私はオロオロし、なんともふんわりしたお返事をした気がします。その後、その方は本当に入れちゃったと記憶しています。


いかがでしたか? 国内外から人気を集めているお二人に貴重なお話をうかがうことができました。

海外展開するとなるともちろん労力はかかりますが、新しい発見があったり国を越えて応援してくれるファンができたりと、今後のクリエイティブ活動にきっとプラスになるはずです!

皆さんもすでに販売中のスタンプを翻訳・アレンジして、販売してみてはいかがでしょうか?

◆たきむら りゅうさん
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◆くにのい あいこさん
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