2013年9月11日愛媛県 伊方原子力発電所環境安全管理委員会 原子力安全専門部会(2013.09.12)

会議の詳細はこちら。配付資料も公開されています。

【ご注意】発言の正確性は担保できませんので後日公開される議事録を参照してください。また全ての質疑を書き起こしているわけではありません。

事務局より望月委員の委員就任紹介、岡村委員欠席の案内

●部会長・部会長代理の選任

新部会長の選任(委員による互選)

宇根崎委員より望月委員を推薦する意見

理由として放射線医学が専門・地元大学であることなどを挙げる

異議なしで決定

部会長代行の選任

部会長による指名で宇根崎委員に決定

●今後の開催について

事務局「原子力規制委員会による新規制基準適合性審査が順調である点を踏まえ、今後は月1回程度開催したい」

【事務局による資料1の説明後、質疑へ】

森委員「今後の審議の進め方についてという資料だが、この『今後』というのはどのくらいの期間を指すものか。当面なのか、今後ずっとなのか」

事務局「今回の伊方3号機適合性審査について限定したものである」

森委員「議論の進め方3(当部会における論点)についてだが、『当部会において議論の必要があると判断したもの』を追加すべきではないか」

事務局「もとよりそのつもりだが、追記したい」

望月部会長「全ての論点を議論している時間はとれない。重要な事項と、伊方に特徴的な事柄について集中的に議論したい」

渡邉委員「今後の開催方針についてだが、現地調査など、地元でしかできないような事項を集中的に行うべきではないか」

奈良林委員「伊方に特有の事項を優先して議論ということだが、各プラントに共通の事項についても規制庁側に説明を求めるべきではないか」

事務局「前回規制庁に出席してもらって説明を受けた」

(奈良林委員は前回欠席しています)

森委員「前回規制庁の説明があったのだが、回答に満足していない。持ち帰って次回回答ということだが、いつ回答してもらえるのか不明である。毎回出席してもらうことはできないのか」

事務局「検討する」

【資料2について四国電力より説明後、質疑へ】

●基準地震動について

森委員「基準地震動の考え方について確認したい。より長距離の活断層の連動を検討するように規制庁から指示されているが、その考え方を説明して欲しい。連動域が長い方が大きな加速度が発生するのか。そのようなモデルは30年以上も前の地震学である。地震動の専門家が未だにこのようなことを言っているのか。

地震動に関して無知な一般の国民に対して安心をアピールするためにそのような説明も必要という判断なのか」

四電「そのような古い地震学に基づく指摘ではないと理解している。個人的な想像だが、3.11において、誰も想定しなかったような地震が起こってしまったことを踏まえ、そのようなことが発生しないようにしたいとの考えによるのではないか」

森委員「連動域が長くなった場合、強震動生成域(アスペリティ)の大きさ、位置が変わるのか」

四電「面積が変わるかもしれない。位置はほとんど変わらないのではないか。

実際のシミュレーション結果はまだ出ていない」

●火山の影響評価について

高橋委員「火山の影響評価について確認したい。過去どれくらいの期間を念頭に置いているのか」

四電「具体的には覚えていないが…最も影響するのは阿蘇山である。宇和海?宇和盆地?でボーリングした結果を参考にしている」

高橋委員「Aso4はもっと古いのでは?評価対象リストにあるのは「現在の」火山だけではないか」

四電「ボーリングでは85万年?前くらい前の地層まで掘って、火山灰の堆積があるかないかを確認した。その結果、敷地内に最大5cm火山灰が積もりうるという結果を得た。また審査申請書においては半径160km以内の第四紀火山(約180万年前以降)を検討対象としている」

高橋委員「(鬼界カルデラ)アカホヤ、姶良(カルデラ)についても評価結果を示して欲しい」

四電「了解した」

●今後の進め方について

吉川委員「資料1,今後の開催方針2についてだが、規制委員会による処分が行われた場合…という点について確認したい。この場合の処分とは何か。従来は設置変更許可と工事認可(工認)を別々に審査していたと思うが、今回は一括なのか。そうであれば再稼働は相当先になるのではないか。」

事務局「規制委員会の取り扱いとしては設置許可・工認・保安規程はそれぞれ別であるが、今回のみ一括して審査をするように理解している。認可されれば使用前検査が行われるのではないか」

●原子炉主任技術者について

吉川委員「次に原子炉主任技術者(炉主任)について確認したい。役割はよくわからないが…炉主任試験の内容について、法令遵守とかであるように聞いている。このような炉主任を増員して配置することに実効性はあるのか」

四電「炉主任についてだが、現場の経験やプラントの挙動理解が大事と考えている。所長に意見具申できる強い立場である」

吉川委員「今の回答は炉主任試験の内容とはだいぶ乖離しているように思うが…資格の更新とかはどうなっているのか」

四電「炉主任は炉規制法によって定められている。法律の理解のみならず、技術も試験されている。また当直長にも資格が必要で、こちらは3年で更新している。炉主任の資格を持っているものは他にもいるが、当社が原子炉主任技術者として任命しているのは各号機1名である。従来発電所全体で1名だったのを3名にした。うち1名は専任である」

吉川委員「有資格者の炉主任と四電における呼称が同じなので混乱する。変えた方がいい。また給料にも反映とかすればいい」

四電「法律上別の名称にはできなかったように思う」

森委員「クライシスマネジメントの観点から、炉主任の名称が紛らわしい点について同意見である。発電所長も炉主任の有資格者なのか」

四電「必ずしもそうではない」

森委員「緊急時対応において炉主任の意見と所長の意見が異なる場合どのようになるのか」

四電「所長は炉主任の意見を尊重すると規定されている」

森委員「1Fの事故対応においても吉田所長と炉主任との議論のうえ対応が決まっていったのか」

四電「細かく把握していない」

森委員「緊急時には本部とサイトとのホットラインが設置され情報の共有がなされると思うが、現場の雰囲気感を共有できないのではないか。現場と本店との判断が異なる場合の内規などを教えて欲しい」

四電「明確には決まっていない。事故の収拾は所長に責任がある。所長が炉主任のサポートを受けて判断する。本店に助言を求めることはあるかもしれないが、現場のオペレーションについては所長が一義的に判断すると考えている」

森委員「文書化しておくべきだと思う」

四電「保安規定において、『所長は…する』と書かれていると認識している」

森委員「今回問題となったSPEEDIのようなこともある。事前のルールがあってもその通り運用されなかった。明文化しておくことは最低限必要なのではないか。権力からの介入への抵抗という意味でも重要」

●タンカーの事故について

吉川委員「地域の特性を考えていたのだが、瀬戸内海はタンカーが通ったりしないのか。タンカーが事故を起こした場合は検討しているのか」

四電「タンカー火災は検討はしていないが、森林火災、構内燃料タンクの火災、松山での石油化学プラント火災は評価している。それで十分と考えている」

望月部会長「一言、検討した、と入れておくといいかもしれない」

(???)

●津波について

森委員「津波について。地滑り起因の津波が伊方における最大の津波であるとの評価は理解している。9ページの図2をみると圧縮性のジョグは少ないようにも見えるが、圧縮性のジョグにおいては局所的な上昇地形を生じると思う。この評価はしているか」

四電「引張性のジョグは陥没地形を生じる。規制委員会でも指摘があり、現在評価している」

(噛み合ってないような)

●中央構造線について

高橋委員「地質境界としての中央構造線をどのように評価しているか」

四電「地質境界としては30度寝ているが、活断層としては鉛直と考えている」

●格納容器再循環ユニットについて

吉川委員「30ページの図において、格納容器再循環ユニットの場所は配管破断したら水浸しになるのではないか。溶融炉心が落ちてきた時に有効に機能するのか」

四電「再循環ユニットは実際にはもっと上の方にある」

奈良林委員「もっとわかりやすい絵を示すべき。溶融物を斜めに流す構造もあるはず」

四電「原子炉容器下部にドリルホールを設置して確実に注水するようにしている。コアキャッチャーの設置には及ばないとの考えを持っている」

●竜巻について

森委員「竜巻について。基準竜巻69mだが越谷はこれくらいだったような気がする。竜巻の風そのものではなく、石つぶてのようなものによる重要設備の損傷評価はどうなっているのか」

四電「資機材の飛来による影響が大きいと考えている。タンク、ポンプ、燃料貯蔵庫は露出している。現状では対応できない。ネットを設置したり、衝撃吸収材を張るなどを考えている。窓ガラスは緊急時対策所には設置されていない」

宇根崎委員「竜巻については知見が少ないように思うが」

四電「69mは過去50年くらいの瀬戸内海を検討対象地域として想定したものである。台風起因による竜巻では100m超もあり得るかもしれないので影響については検討中である」

森委員「竜巻で配電線の倒壊があるのではないか。配電線は防護対象設備に入っていないように見える」

四電「倒壊してもすぐ回復できるという点を考慮して、バックアップ電源の一つとして設置したものである。復旧のための設備を構内に用意し、復旧訓練を実施している」

四電「送電線、非常用発電機があることが前提で、あくまで配電線はそのバックアップ。必要不可欠なものではないが代替電源の一つとして、当社独自に設置をしたものである」

望月部会長「帰りの飛行機の時間が迫ってきている委員もいらっしゃるので本日は閉会としたい」

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