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マイホームで後悔しないためのコツは「資産性」?「売りやすさ」?

マイホームは一生で一番と言ってもいいほどの大きな買い物ですよね。

何十年にもわたる住宅ローンの返済、面倒な各種手続きなど、できる限り失敗したくないイベントです。

しかし「家は三回建てないと理想の家にならない」と言われているように、納得のいく完璧なマイホームを買うのは非常に難しいもの。最初の一回で一切後悔のないマイホームを手に入れられる人はほとんどいません。

マイホーム購入で失敗を避けられない以上、重要になるのは「大失敗をしないこと」そして「失敗した時のリカバリーを容易にすること」の二点です。
今回は特に「リカバリーを容易にすること」に注目し、後悔の残らないマイホームづくりにするためのコツについて紹介していきます。

完璧に成功するのは難しいと言われているマイホーム。どんな失敗が多いのでしょうか?

●資金面
最も多いのがローンの返済が想像以上に辛かったというもの。会社の業績が悪化したり転職したりすることで収入が減ってしまった場合、当初の見込みよりもローンの返済はきついものになります。
怪我や病気でローンの返済が大変になり、やむを得ず住宅を手放すというケースもあります。
収入面は想定通りでも、子どもの教育費が余計にかかったり、設備交換やや修繕のために費用がかかったりなど、出費面で想定外となることもあります。

●間取り
ライフステージの変化によって使いやすいと感じる間取りも変わるもの。家族が予定より増えて部屋数が足りなかったと感じる人もいれば、子どもの独立後に部屋が余ると後悔する人もいます。
コンセントの位置や照明のレイアウトなども、使い始めてからああすればよかった、こうすればよかったと感じやすいポイントです。

●立地
怖いのは転勤や転職で職場が遠くなり、家を売らざるを得なくなるケースです。一時的なものであれば単身赴任という手段もありますが、戻る可能性がないのなら、家は売るしかありません。
その他にも、川の近くで豪雨の際に浸水したり、虫に悩まされたりするなども立地面ではよくある失敗です。
また、若いときには気にならなかった周辺の坂や階段が、年をとってから辛くなるという時間差で失敗を感じるパターンもあります。

●近隣との関係
近隣住民との関係も立地や物件で後悔しやすいポイントです。隣近所からの騒音やタバコの匂いなど、注意してもやめてくれない場合、せっかく買ったマイホームでも引っ越すしか選択肢がありません。
住民同士のトラブルや子どものいじめなども、マイホームを手放すきっかけになります。

上手に家を手放すことができれば失敗はリカバリーきる


家を買う前には当然、将来のことを考えて計画します。ローンの返済額は家計の状況に対して問題ないのか、子どもの学費は支払えるのか、老後の貯蓄をする余裕があるのかなど、誰もが真剣に考えてから挑みます。
しかし、未来がどうなるか誰も正確に予想はできません。どんなに頑張って計画しても、失敗する可能性をゼロにすることは不可能です。

重要なのは、失敗を過剰に恐れることではなく、失敗した時のダメージを最小限に抑えられるように最作を練っておくことです。
もしマイホームで失敗してしまっても、家をスムーズにそして高値で手放すことができれば、失敗を次のチャンスに活かすことができます。

さて、マイホームの失敗をいち早くリカバリーするためには、できるだけ高く、そして早く売れることが重要になります。つまり、資産として優秀な物件であればあるほどよいということになります。
気をつけておきたいのは、元の値段が高いかどうかではなく、売る際に損失分をカバーできるかどうかが大切であるという点です。
例えば、4000万円で買った戸建てが20年後に2000万円で売れるのと、3000万円で買ったマンションが20年後に2000万円で売れる場合なら、後者の方が資産として優秀であると考えられます。
マンションも戸建ても時間経過とともにその価値はどうしても下がっていってしまいますが、その下がり幅は小さければ小さいほど損失の回収がしやすく、新しい家への住み替えがしやすくなります。

資産価値が下がりすぎると家を売ってもローンが完済できない


例えば3000万円のローンを組み、金利は1.3%、返済期間は35年のパターンで考えてみましょう。
20年ローンを返済続けた場合、まだローンの残高は1450万円ほど残っています。

この時、運良く家が1500万円で売れれば残りの返済は売却益でカバーできます。しかし1000万円でしか売れなかった場合は家を失った上に500万円近い借金だけが手元に残ることになってしまいます。

これからの日本と物件の価値


資産そして優れた家は、みんなが欲しいと思い、買ってくれる家のことです。
その条件について考える前に、これからの日本において誰が家を買ってくれるのかということについても考えて見なければなりません。どんなに質の良い商品でも、欲しいと思う人がいなければ値段は付きません。ターゲットを知らなければ、ものを上手に売ることはできません。

●高齢者でも暮らしやすい家
御存知の通り、日本は超高齢化社会へどんどん突き進んでいます。年をとっても暮らしやすいという要素は非常に重要です。
これは売る時だけでなく、自分がマイホームで暮らしていくためにも大切な考えです。

スーパーや病院が遠く、自家用車がなければ生活ができないような立地の物件はかなり厳しいです。特に地方では人口減少により不動産は余りがちになりやすく、買い手はどんどん少なくなり、満足できる値段もつきにくくなっています。

●共働き世帯が使いやすい家
専業主婦が減り、共働き世帯が増えているのも注意すべきポイントです。家事に負担がかかるような間取りはNG。

通勤通学に便利な駅チカ物件は有利です。仕事帰りに寄れるような位置にスーパーやドラッグストアがあるかどうかも重要です。

高く売りやすい家の条件


ここからはいざという時に短期間で高く売れる家の条件について考えていきましょう。
基本的には賃貸物件を選ぶ時にチェックするようなないようとあまり変わりません。高く売れる家は自分が住む上でも暮らしやすい家です。

●交通の便が良い
賃貸を探す時を同じように、持ち家を売る場合もここが一番重要です。

駅などに近く、通勤通学に便利な物件は売れやすいです。反対に、車がなければ生活が難しく、何をするにも移動時間がかかるような家を売るのは難しいですし、いい値段も付きません。

同じ駅チカでも、複数路線が利用できたり、急行が止まったりするような駅であればより有利です。

また、駅までの道のりも大切です。人通りはあるか、街頭はあるか、坂や階段はないかなど実際に自分で何度か歩いて確認しましょう。

●周辺環境
商業施設や公共施設の近さも大切です。
スーパーやドラッグストア、コンビニまでの距離があると敬遠されやすいです。子どものいる家庭なら、小学校、中学校まで歩いてどのくらいか、通学路は安全かというような点も重要です。

ただ、学校や病院、スーパーなどが近すぎると騒音や車の出入りが気になりやすくなります。

●日当たり
日当たりの良さも物件の評価を左右する大切な要素です。
日当たりは物干しや健康面だけでなく、建物のカビや腐食を防ぎ、物件の価値を保つ上でも重要です。
現在の日当たりだけでなく、南側にこれから大きな建物が建つことがありそうかどうかも考えながら物件を探しましょう。

●展望
マンションなどの場合、高層階で見晴らしのいい物件は人気が高いです。花火が見える、部屋からお花見なできるなどのアピールポイントがあればより強いです。
こちらの場合も、日当たりと同じく周囲の建物のよって今後展望が損なわれてしまわないかどうかも考えておくと安心です。

●災害への強さ
近年急速に注目されるようになったのが災害への備えです。
家を買う前には海や川からの距離、海抜などを確認したり、ハザードマップをチェックしたりして、家族と財産が守れるかどうかを必ず見ておきましょう。せっかく満足できる家が建てられても災害で失っては意味がありません。
マンションの場合は、非常用電源や水の確保など、マンションが災害に備えてどんな取り組みをしているのかも確認しておきましょう。

●中古相場
これから資産価値がどうなっていくかシミュレーションするにあたって、いま他の物件がいくらぐらいになっているかというのはとても参考になります。周辺で似たような広さ・設備の物件が築何年でいくらになっているのかざっと調べてみましょう。
もし築10年で10年後のローンの残債よりも高い値が付いている物件があるなら、かなりいい物件であることが期待できます。

●街の将来
これから周囲の街がどう変化していくのかも物件の価値に大きな影響を及ぼします。
もし購入予定のマンションの周囲が再開発を予定していれば、年月が経過しても資産価値は落ちにくいです。再開発によって人気エリアになれば、購入時よりも高い値段で売却できるケースもあります。

●駅の乗降者数
人気の高いエリアでは、駅の利用者も多くなります。近隣の駅に比べて乗降者数の多い駅の周辺は、他よりも物件の価値も確保されやすいと考えて良いでしょう。
ただし、あまりに乗降者数の多い駅は、通勤通学の混雑が酷くなります。高く売るのは大切ですが、一番は自分が生活しやすいこと。データだけでなく、自分の目で必ず混雑状況を見ておくようにしましょう。

後悔しないマイホームのために


マイホーム購入で後悔しないための重要なのは、失敗を避けることだけではありません。いつ何が起こるかわからない人生、数十年先のことまで完璧に見据えて家を買うのは無理です。
そこで大切なのが、失敗しても挽回しやすいようにしておくこと。年数が経過しても高く売れる資産価値の高い家なら、いざという時に住み替えしやすくなります。


また、資産価値の高い物件は暮らしやすい物件でもあります。「自分は大丈夫」と思っている人でも、より過ごしやすく快適な生活のために、マイホームの資産性について考えてみてはいかがでしょうか。

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