コースを学ぼう！-part31-【新潟芝1000m】

こんばんは！碧馬らいむです🍀🐴

ここでは競馬場のコース毎の特徴や押さえておきたいポイントについて記載しています！普段何気なく見ているレースも、コース形態や特徴を把握して見ていると面白い部分があったり、レースの振り返りや馬券購入のヒントに繋げられる部分もあります✏️📖
「このコースはこんな特徴があるんだ！」と思っていただければ嬉しいです✨

さて、今回はGIIIアイビスサマーダッシュの舞台でもある新潟芝1000mについてまとめました✍🏻
過去のデータについても記載していますので、競馬に詳しい方も競馬初心者の方も少しでも参考になれば嬉しいです…！

🟢コースの概要🟢

コースの全体像

新潟芝1000mは外回りコース4コーナー奥からのスタートとなるコースで、JRA全10場のなかでも唯一となる直線のみのコースです。スタート後に上り坂、そして下り坂があるものの高低差は1m程と大きくなくスピードが求められる舞台です。
夏にはGIIIアイビスサマーダッシュが行われます。

🔴押さえておきたいポイント🔴

①外枠が圧倒的に有利なコース！
新潟芝1000mはコーナーのない直線コースのため、スタートからそのまま外を走ることができる外枠が有利なコースとなります。外を走ることが有利になる理由としては
・他のレースで使用されていない綺麗な芝を走ることができる
・外ラチ(外側の柵のこと)を頼って走ることができる(ただしラチを怖がる子もいるため必ずプラスになるとはいえない)

などの理由が挙げられます。反対に内枠の子はスタートから馬場の綺麗な外に向かって走ることになるため距離ロスが生じる上に、そのまま内を走らされてしまう可能性もあるため内枠は不利なコースとなります。
詳しい数字についてはデータ編の枠順成績で触れますが、基本は外枠有利傾向が強いコースと覚えておきましょう…！

②速いスピードを維持し続けるコース！ダート短距離戦との繋がりに注目！
新潟芝1000mは直線のみの短距離戦でスピードが重要となるコースですが、その速いスピードを維持し続ける能力も大切です。
前半から速いペースで追走して最後までバテずに走り切る…というのはダート短距離戦と繋がる部分があり、ダートに実績がある子が好走するパターンもよく見られます。
種牡馬別成績でも後述しますが、ダート短距離戦に実績のある子、特に芝ダートどちらも走れるようなタイプの子にも注目しておきたいコースです…！

③特殊な適性が求められ、リピーターも多いコース！
新潟芝1000mはJRA全10場のなかでも唯一の直線コースです。そのため他のレースとの結びつきが少なくこのコースならではの適性が求められるため、この舞台を得意とする千直巧者と呼ばれる子もいます。
2021年のアイビスサマーダッシュで2着だったライオンボスは当時このコースで【4.2.0.1】と高い好走率を記録しており、3着のバカラクイーンもこのコースで勝利経験がありました。また、2020年のアイビスサマーダッシュを制したジョーカナチャンはこのコースで2勝2着1回の実績があり、2着は先程名前を挙げたライオンボスでこのコースを得意としている子でした。
他のコースでは敗戦が続いている子でも、このコースに実績のある子は人気を落としていても要注意です…！

📊データ編📊

データは2017年1月〜2022年7月24日(日)の期間に行われた新潟芝1000mの結果を集計しました！✏️
(集計時に単勝50倍を超えるオッズのお馬さんは除外して集計させていただきました。理由は一頭馬券内に絡むだけで回収率の数字に大きな変化が現れ、正確さに欠けると思ったためです。)

※少頭数でのレースが少なかったため、今回頭数別のデータは省略させていただきます。

🐴枠順別成績🐴

好走ゾーンは外枠に集中し、特に7枠と8枠は好走率・回収率共に高い数字を残しています。反対に内枠は苦戦傾向にあり、内枠不利・外枠有利が顕著なコースとなっています。

年度別の8枠を成績を確認してみると…
2022年 単勝回収率42 複勝回収率89
2021年 単勝回収率106 複勝回収率102
2020年 単勝回収率95 複勝回収率93
2019年 単勝回収率111 複勝回収率107
2018年 単勝回収率133 複勝回収率129
2017年 単勝回収率182 複勝回収率92

このコースの外枠有利は広く知られているため外枠に入ったという理由だけで人気しやすいものの、そのなかでも毎年高い回収率を残しているのは優秀な成績ではないでしょうか。今年はまだ施行回数も少なく例年より低い数字となっていますが、外枠に入った子は人気薄でも注意が必要です…！
(上限オッズを5倍に設定し人気馬だけで見ても単勝回収率100・複勝回収率84と高い数字になり、特に勝率が高くなっています。過剰人気にはなりやすいものの、それだけ走りやすい条件でもあるため人気だからという理由だけで無闇に消すのは危険です。)

しかし、2021年のアイビスサマーダッシュでは最内枠のバカラクイーンがそのまま最内を走り続けて3着に好走しました。ここで開幕週に行われた新潟芝1000mの成績をチェックしてみましょう。

内枠不利・外枠有利の傾向は変わっていませんが、8枠の好走率と回収率が下がっていることがわかります。
外枠が有利であることに変わりはありませんが、綺麗な馬場と荒れた馬場では内枠の不利度合い・外枠の有利度合いが変化するため馬場状態の変化にも注目です。
綺麗な馬場では内枠に入った子が内ラチを選択して好走するかもしれない…というのは頭に入れておきたいです…！

🐴脚質別成績🐴

短距離戦らしく逃げ先行馬が有利なコースとなっており、追い込み馬は勝率が低く勝ち切るのは厳しいコースとなっています。
直線のみで高低差も少なくとにかくスピードが問われる条件であるため、1000mにも対応できるスピードや追走力を持っている子を狙いたいコースです。

🐴種牡馬別成績🐴

勝利数トップはロードカナロア。短距離やダートでも活躍してる種牡馬が多くランクインしました。

ロードカナロアは好走率・回収率共に高い数字を残しています。人気薄での好走例も多くこのコースでの活躍が目立つ種牡馬です。
産駒は芝ダート問わず短距離から中距離まで活躍馬が出ていますが、特に芝ダートを問わず1200m以下での好走実績があるスピードタイプの子はこの舞台での活躍が目立っています。

他、上位にランクインしている種牡馬を見ていくと、ダイワメジャー、スウェプトオーヴァーボード、アイルハヴアナザー、ジャスタウェイ、バトルプランなどダートでも活躍している種牡馬が目立ちます。ダートは芝と比べて前半から速いペースになりやすく、短距離戦では特にその傾向が顕著となります。速いスピードを最後まで維持し続ける能力が求められるため、ダートもこなせるような産駒はこのコースへの適性が高いのではないでしょうか。
2021年のアイビスサマーダッシュを制したオールアットワンスも父は芝ダート両方で活躍馬を出しているマクフィの産駒でした。芝ダート兼用タイプの産駒はこの舞台を得意としている可能性があるため要チェックです…！

🐎人気薄の好走例🐎

これらを踏まえて実際に人気薄の子が穴をあけた例を見ていきましょう。

穴をあけた例①
2021年7月25日(日)
新潟11R アイビスサマーダッシュ
バカラクイーン 14人気3着(単勝130.0倍)

これは最内枠から穴をあけたパターン。
2勝クラスからの格上挑戦且つ最内枠を引き人気薄になっていましたが、スタートから外へは向かわずにそのまま最内を走り続けて3着と好走しました。
鞍上の菅原騎手の好騎乗もありましたが、開幕週×内枠で穴をあけるパターンはこれからも出てくるかもしれないため、覚えておきたいです。また、父はこのコースで好成績なアドマイヤムーンでした。

穴をあけた例②
2021年5月23日(日)
新潟11R 韋駄天S
ロードエース 9人気3着(単勝26.7倍)

このレースは春の新潟最終週に行われたレース。
ロードエースは有利な外枠(7枠)からのスタートで、過去4勝は全てダート短距離を逃げ先行で勝利を挙げている子でした。芝のレースは2歳時以来のレースでしたが3着と好走、ダート実績馬が外枠に入って穴をあけたパターンでした。

穴をあけた例③
2021年5月9日(日)
新潟10R 邁進特別
ワンモアバイト 10人気3着(43.9倍)

2020年10月24日(土)
新潟8R 3歳上1勝クラス
ワンモアバイト 8人気1着(18.2倍)

こちらは二度このコースで穴をあけた子で、同じコースで好走を続けたリピーターのパターンです。
父はこのコースを得意としているロードカナロアで、初めて穴をあけた時はダート→芝替わりでのレースでした。前走は先行するレースが出来ており、短距離戦を先行するスピードを持っているダート実績馬は人気薄でも注目です。
その後1200mのレースで15着、14着と凡走。しかし実績のあるこのコースに替わると10人気3着と好走し、人気薄での連続好走となりました。

穴をあけた例④
2020年10月24日(土)
新潟8R 3歳上1勝クラス
ルドラクシャ 9人気2着(単勝19.2倍)

こちらは内枠→外枠替わりで穴をあけたパターン。
4走前に7枠を引いて新潟芝1000mで勝利した後は8着、8着、12着とこのコースで敗戦が続いたものの、それぞれ3枠、2枠、6枠と勝利時よりも内枠でのレースでした。
そしてこのレースでは有利な大外の8枠を引き2着と好走、不利な内枠→有利な外枠でパフォーマンスを上げてきました。
このコースへの適性はあるのに不利な枠を引いて負けてしまった子にも注目しておきたいです。

〜まとめ〜

○基本は外枠有利・内枠不利なコース！特に8枠は回収率も優秀！馬場が綺麗な開幕週は内枠にも注意！

○特殊な適性が求められるためリピーターの多いコース！コース実績がありながら他の舞台で負けて人気薄になっている子には注意！

○短距離戦らしく逃げ先行馬が有利！速い流れを追走できるスピードを持つ子に注目！

○ロードカナロア産駒が好成績！他ではダートもこなせるような種牡馬も好成績！

○ダート実績馬が穴をあけやすいコース！特に近走ダート短距離で先行していた子や外枠に入った時は要注目！

〜アイビスサマーダッシュのポイント〜

このレースで問われる能力・要素・傾向は
○高速馬場適性
○短距離向きのスピード+持続力
○牝馬有利
○外枠有利

新潟芝1000mは他の競馬場にはない直線のみのコースです。
スタートから速いスピードを維持し続ける特殊な適性が求められるコースでもあり、短距離向きのスピードと持続力が強く問われ、ダート実績馬やリピーター(過去にこの舞台で好走経験のある子)が穴をあけることも多いのが特徴です。
また、コーナーを曲がる必要がないことから内枠のメリットがなく、外枠有利が顕著になっているコースです。

このレースは開幕週に行われるのが大きなポイント。夏に行われることから芝の状態が特に良く速い時計が出やすいため、短距離向きのスピードに加えて高速馬場適性が強く問われるレースとなっています。そのため過去に速い時計が出るレースで好走している子には要注目です。

反対に時計のかかる馬場や荒れた馬場を得意としている子・結果を残している子はスピード負けしやすい点にも注目。2022年はマリアズハートが5人気7着、2021年はタマモメイトウが4人気7着、ロードエースが5人気15着、2020年はナランフレグが5人気9着、2018年はペイシャフェリシタが3人気11着、レッドラウダが5人気10着と人気以下の結果となっています。
時計のかかる馬場での実績が目立つ子や後方一辺倒のタイプ、速い時計の裏付けがない子はこのレースに対応できない可能性がある点に注意です。

そしてこのレースのポイントは牝馬が強い点です。

○牡馬
【1-2-2-29/34】
勝率2.9% 連対率8.8% 複勝率14.7%
単勝回収率5 複勝回収率57

○牝馬
【4-3-3-43/53】
勝率7.5% 連対率13.2% 複勝率18.9%
単勝回収率60 複勝回収率87

夏は牝馬という格言もありますが、このレースはスタートから速いスピードが求められるという点から軽斤量馬も強く、牝馬有利に拍車をかけています。
2021年は斤量51kgだったオールアットワンスが1人気1着、2018年も斤量51kgのラブカンプーが2人気2着と、出走機会こそ少ないものの斤量の軽い3歳牝馬は好走が目立っています。

最後のポイントは外枠有利な点です。

○1〜4枠
【0-2-2-36/40】
勝率0.0% 連対率5.0% 複勝率10.0%
単勝回収率0 複勝回収率95

○5〜8枠
【5-3-3-36/47】
勝率10.6% 連対率17.0% 複勝率23.4%
単勝回収率71 複勝回収率59

新潟芝1000mはコース形態上外枠有利が顕著なコースです。そのためこのレースも外枠の好走が目立つ傾向が見られます。ただし、このコースの外枠有利は世間に広く知られているため人気しやすい点には要注意。裏返すと内枠の子は過小評価されやすく、人気薄での好走が見込めるということに繋がります。

このレースは開幕週に行われるため内の馬場コンディションも極端に悪くはならず、内枠を引いても内ラチ沿いを走る、もしくはテンの速いタイプであれば逃げて外ラチ沿いを確保することも可能です。
2021年は1枠1番から終始内を走ったバカラクイーンが14人気1着と大穴での激走。2022年も内枠から内を走り続けたスティクスが13人気5着、オールアットワンスが8人気6着と人気以上に好走しています。
2019年は内枠のカッパツハッチがテンのスピードの速さを活かして逃げ3人気2着に好走。外ラチを確保したわけではありませんが、先頭グループについていけるスピードを持っている子は内枠からでもポジションを確保できるため、好走できる確率が高まっています。

外枠有利を基本とし、脚質も照らし合わせたうえで考えていきたいレースです。

以上、新潟芝1000mの特徴についてでした！今後も気がついた事があれば随時更新していきます！
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最後まで読んでくださりありがとうございました✨

(このコースは見てるだけでワクワクする)