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NHKマイルC・レース展望

〜NHKマイルCのポイント〜

このレースで問われる能力・要素・傾向
道中の速いペースに対応する追走力
直線でのトップスピード
外枠有利
差し追込有利
能力重視

東京芝1600mは最後の直線が長いことからスローペースになりやすく、直線での速い末脚が求められるコースです。
ただしGIなどの重賞レースでは道中のペースが緩みにくく、速いペースに対応する追走力が必要となり、2歳戦や少頭数のレースではスローペースになりやすいのが特徴です。
スローペースなら一気に加速する瞬発力、ペースが速くなると最後までバテずに走り切る持続力が求められますが、基本は直線での末脚勝負になりやすいため直線でのトップスピードが求められるコースです。


まず、このレースは前半のペースが速くなりやすいのが特徴です。過去5年レースラップを確認してみましょう。


-2022-
12.2-10.5-11.4-11.5-11.8-11.1-11.5-12.3
前半3F34.1-後半3F34.9(前傾0.8秒)
前半4F45.6-後半4F46.7(前傾1.1秒)

-2021-
12.2-10.2-11.3-11.6-11.6-11.4-11.4-11.9
前半3F33.7-後半3F34.7(前傾1.0秒)
前半4F45.3-後半4F46.3(前傾1.0秒)

-2020-
12.3-10.4-11.4-11.9-12.0-11.3-11.2-12.0
前半3F34.1-後半3F34.5(前傾0.4秒)
前半4F46.0-後半4F46.5(前傾0.5秒)

-2019-
12.0-10.4-11.5-11.9-12.0-11.3-11.3-12.0
前半3F33.9-後半3F34.6(前傾0.7秒)
前半4F45.8-後半4F46.6(前傾0.8秒)

-2018-
12.1-11.1-11.2-11.9-11.7-11.3-11.5-12.0
前半3F34.4-後半3F34.8(前傾0.4秒)
前半4F46.3-後半4F46.5(前傾0.2秒)


レースラップを見てみると過去5年全てで前傾ラップになっていることがわかります。
この要因として考えられるのがレースの位置付けです。
中距離を走れる牡馬は皐月賞→日本ダービーのローテを選択し、牝馬はオークスへ出走するため、このレースは必然的に短距離〜マイル向きの子が集まります。

2022年は1400mで勝利実績があり、後に1200m重賞を制するトウシンマカオが逃げ、先行していたオタルエバーやキングエルメスも1400m実績馬。
2021年に逃げたのは後にスプリンターズSを制するピクシーナイト、先行していたのも1400m実績のあるグレナディアガーズ、後に1400m重賞でも活躍するホウオウアマゾン。
2020年も逃げたのは後にスプリントGIで好走するレシステンシア、先行勢では短距離路線で実績を残してきていたラウダシオン。
2019年も同様に逃げたのは後に短距離路線で活躍するイベリス、先行勢では後にスプリントGIでも好走するクリノガウディーなど、後に短距離路線で活躍するスピードのある逃げ先行馬が出走するため前半のペースが速くなりやすくなっています。
道中もペースが緩みにくいため、速い流れに対応する追走力や、最後の長い直線でのトップスピードが求められます。

しかし、短距離路線を逃げ先行脚質で勝ち上がってきた子は苦しい展開のレースを強いられる可能性が高いため、逃げ先行馬の兼ね合いは注意しておきたいポイントです。
2021年はグレナディアガーズが1人気3着、ホウオウアマゾンが4人気9着、ピクシーナイトが6人気12着。2018年はテトラドラクマが3人気14着と人気を裏切る結果になっており、短距離×逃げ先行タイプは上位人気に推されることも少ないものの、後にGIで好走するような子も敗れる展開になりやすい点は覚えておきましょう。
(しかし、2020年は前有利な馬場で先行したラウダシオンが9人気1着、逃げたレシステンシアが1人気2着。当日の馬場傾向にも注意です。)


また、直線でのトップスピードが求められる点、差し追込有利な点(後述します)から前走1600m以上の重賞レースで差して速い上がりをマークしていた子には特に注目です。


前走1600m以上の重賞で初角5番手以下、且つ上がり3F3位以内で5着以内に好走
【2-3-3-14/22】
勝率9.1% 連対率22.7% 複勝率36.4%
単勝回収率90 複勝回収率186

上記の条件を満たした関西馬
【2-3-3-7/15】
勝率13.3% 連対率33.3% 複勝率53.3%
単勝回収率132 複勝回収率273


前走1600mより長い重賞レースで速い上がりを使って差して好走している子はこのレースで非常に優秀な成績を残しており、関西馬は特に高い好走率となっていることがわかります。
この傾向はラップやレースの位置付けからも結びつくものであるため、要注目のポイントです。


そしてこのレースのもう一つのポイントは、外枠有利・差し追込有利である点です。


1〜4枠
【0-2-2-36/40】
勝率0.0% 連対率5.0% 複勝率10.0%
単勝回収率0 複勝回収率25

5〜8枠
【5-3-3-39/50】
勝率10.0% 連対率16.0% 複勝率22.0%
単勝回収率115 複勝回収率193


4角5番手以内
【1-2-2-28/33】
勝率3.0% 連対率9.1% 複勝率15.2%
単勝回収率89 複勝回収率54

4角6番手以下
【4-3-3-46/56】
勝率7.1% 複勝率12.5% 複勝率17.9%
単勝回収率49 複勝回収率158


先ほど述べたことの繰り返しとなりますが、このレースは短距離〜マイル向きの子が集まりやすく、後に短距離路線で活躍するスピードのある逃げ先行馬も出走するため前半のペースが速くなりやすくなっています。
逃げ先行勢は速いペースに加え1600mという距離に対応できず敗れる子が多く、その分外差しが決まりやすいのがこのレースの特徴です。
速い上がりを使える差し馬に加え、外枠を引いた子にも注目しておきましょう。


最後のポイントは能力重視です。
世代限定戦はメンバー同士の力差が出やすいのも特徴の一つです。そのためレベルの高いレースを経験している子や、過去に強い内容の走りを見せている子は素直に評価したいレースです。


〈東京芝1600mコース解説〉

(このコースの基本的な特徴はこちらから!)



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