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【阪神JF回顧】ラップでレースを振り返る!

こんばんは!碧馬らいむです🍀🐴

今回は阪神JFの回顧です!🐎
サークルオブライフが3連勝でGIを制し2歳女王に君臨しましたが、先のことを見据えても面白いレースになったと感じました。この世代の牝馬は他にも楽しみな子がいて来年の牝馬クラシックはこれからより盛り上がっていくように感じています。
よかったら最後まで読んでいただけると嬉しいです!

※この回顧にはボク自身の主観も含まれています。ボクの考えが全て合っているとは思いませんし、見る人によっては違う見解になると思います。ラップとレース映像を照らし合わせてボク自身が感じたことを書き記していますので少しでも振り返りの参考になれば嬉しいです。


レースラップとコース図

【阪神芝1600mコース図】

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【阪神JFレースラップ】
12.2-10.4-11.5-12.3-12.6-12.1-10.9-11.8
前半3F34.1-後半3F34.8(前傾0.7)
前半4F46.4-後半4F47.4(前傾1.0)
勝ちタイム1.33.8

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このレースのポイントになった部分は太字の前半3Fの12.2-10.4-11.5、中盤の12.3-12.6、そして後半3Fの12.1-10.9-11.8の部分。
前半速い→中盤緩む→後半一気に加速、という流れになりました。
特に前半部分を過去5年と比較してみると
〜阪神JF前半3F〜
2021年…34.1
2020年…34.9
2019年…33.7
2018年…34.8
2017年…35.3
2016年…34.7

と、過去2番目に速い流れでした(最も速かった2019年はレシステンシアがレコードで勝利した時のもの)。
そして過去5年のラップと比較すると今年は中盤の緩みが大きかった事がわかります。

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これにより前半は速いペースを追走して、最後に一気に加速する瞬発力が求められる流れとなりました(後ほど触れますが、3番手以下のグループは前と差があったためレースラップほどの追走は求められませんでした)。
それでは他馬の動きも見ながらもう少し詳しく分析していきましょう。




【レース展開】

スタートで出遅れたのが1人気のナミュール、隣のベルクレスタもバランスを崩したような走りになっており後方からのレースとなります。
まずスタートで先頭に立ったのが内のトーホウラビアン、その外に並ぶようにしてウォーターナビレラ。
そして2F目でペースが上がった要因となるのがここで外から押してハナを奪ったダークペイジ。ダークペイジは1200m,1400mの短距離路線で流れたペースを先行して勝利しており、スピードを活かして外からハナを奪いました。2番手にトーホウラビアン、3番手にウォーターナビレラと続きここでようやく隊列が落ち着きますが、この時点で先頭と2番手、そして3番手とは離れ縦長の隊列となります。

そしてこの前半3Fだけで不利を受けていた子が複数います。外からダークペイジとウォーターナビレラが内目掛けて先行したことにより、ウォーターナビレラの後ろにいたラブリイユアアイズが内に寄れてしまいステルナティーアと接触、ステルナティーアは内にいたキミワクイーンとも接触し挟まれる形となり後退してしまいます。さらにその影響でステルナティーアの後ろにいたタナザウイング、その後ろにいたスタティスティクスも後退する不利を受けています。

一方後方では出遅れたナミュールとサクが接触ナミュールが内に吹っ飛ばされていることがパトロールビデオから確認できます。今週の阪神の馬場状態は内が荒れて外が伸びる馬場、鞍上のC.デムーロ騎手もスタートから内に入れる素振りがなかったことから道中は後方外を追走したかったのではないか?と推測します。この後もう一度外に切り返すという選択肢もあったのではないかとは思いますが、鞍上は内を選択。さらに接触した影響もあってか折り合いを欠いてしまいます。

レースは中盤へ。この緩んだラップで気性面の危うさが出てしまったのがベルクレスタ。後方にいたはずのベルクレスタが直線に入る頃にはすでに3番手グループまで押し上げています。映像を確認すると、鞍上の松山騎手が折り合いをつけようと手綱を抑えているものの、ベルクレスタは後方外で前に壁を作れずかかってしまい抑えきれずに進出している事がわかります。他馬が緩んだ地点で脚を溜めているなか、脚を溜められず消耗してしまい結果最後の伸びを欠くことに繋がってしまいます。

レースは最後の直線へ。道中のペースが緩かった分馬群は凝縮し、直線で一気に加速する瞬発力が求められる末脚勝負に。ウォーターナビレラが追い出してからの反応の速さをみせ一旦先頭に抜け出すも、ラスト1Fで外からサークルオブライフ、内からラブリイユアアイズが伸びを見せ最後はサークルオブライフが先頭でゴール。
以下各馬の短評です。




【各馬の短評】

1着:サークルオブライフ

まずはシンプルに強かったなと思います。2走前の未勝利戦、前走のアルテミスSも長く脚を使って高いパフォーマンスを見せていましたが、今回も外からグングン伸びるバテない末脚で差し切り。加速するラップにも大きく置かれることなく対応しており地力の高さは疑いの余地がないと思います。
ただ一つ気になるのは近3走全て外を回して直線もスムーズな競馬ができていること。今後崩れるとしたら
内で窮屈になり、持続力が活かせない競馬を強いられてしまった時
スローペースの瞬発力勝負での前残り
道中の追走スピードが上がったとき

この3パターンではないかとみています。
特に1番上は人気を背負う立場になるほど他馬からのマークは厳しくなりやすいため、内で包まれた時に武器である持続力を活かせず脚を余してしまう可能性はあるように感じます。
また、最後は今年のソダシが勝ったような高速馬場のマイルで道中も緩みのない1400mのレースに近いようなペースになると、追走に苦労してしまうのではないか?とこれまでのレースを見ていると感じます。
上記のような展開になった時にどれ程のパフォーマンスを発揮できるか?というのは気になるものの、能力の高さは間違いなく来年の牝馬クラシックでの活躍に期待したいです。



2着:ラブリイユアアイズ

ツイキャスの方でお話させていただいた戦前の評価が

前走は東京1400mでスローペースとなり、加速力や速いスピードが求められる瞬発力勝負となったレース。瞬発力勝負では分が悪い印象で折り合いも欠いていたため、短距離路線からの出走馬も揃い前半のペースが流れやすいこのレースでは距離延長とはいえプラスに働くはず。

と評価していましたが、その考えは変わらず一気に加速する瞬発力よりも速いペースを追走して脚を伸ばす持久力、最後までバテずに長く脚を使う持続力に優れていると感じました。最後の直線ではウォーターナビレラより先に仕掛けていたもののなかなか前との差を詰められず直線では一旦離され、ラスト200mでじわじわ伸びてウォーターナビレラを差しました。今回のような前半のペースが流れて最後に失速するラップや、馬場が荒れてパワーが求められるコンディションになると高いパフォーマンスを発揮できる子ではないでしょうか。
桜花賞でも馬場状態次第では上位争いが可能であると感じますが、行きたがる気性面から距離が伸びるオークスでは少し苦労するかも…?という印象です。



3着:ウォーターナビレラ

この子の武器は立ち回りの上手さ(器用さ)と、速いペースにも対応でき一気に加速する瞬発力もあることだとみています。
それ故に外回りコースでは最後に甘くなってしまう印象で、前走や前々走のような小回りコースで器用に立ち回り短い直線で抜け出す競馬がベストに感じます。
外回りコースではスローペースで内有利な馬場になるなど立ち回りの上手さが活きる展開にならなければ善戦するも勝ちきれない…といったタイプに見えます。
マルターズディオサに似たところを感じるのでペースの緩みやすい前哨戦や小回りコースに強いタイプではないかとみています。



4着:ナミュール

出遅れ、道中接触不利、かかる、直線荒れた内を走る、これだけ不利が重なりながらも4着まで追い上げてきてるのですからこの子もシンプルに強いなあという印象です。今後はゲートが課題になりそうですがポテンシャルは勝ち馬にも見劣らないと思いますしGI級の能力を持っているのではないでしょうか。今後が楽しみです。



5着:ナムラクレア

道中は折り合いもついていましたし直線は外目に進路をとって伸びてはいたものの、このメンバー相手に末脚で勝負するとなると分が悪い印象です。
距離延長で折り合い面を気にしていたのかもしれませんが、マイルではポジションが取れないと厳しい印象です。ペースの流れやすい1400以下のレースがベストに感じますが、逆に言えばポジションを確保しつつ折り合いもつけばマイルでも好走は可能だと思います。特に高速馬場で1400mのレースに近いような流れになると面白いかもしれません。



6着:ベルクレスタ

まず今回は力負けではないと思います。
スタートで後方からになってしまった時点で苦しいところはあったものの、その後にかかってしまい息を入れられなかったのが最後の1Fで伸びきれなかった要因だとみています。
鞍上の松山騎手が上手く壁を作る事が出来ず苦しいレースになったとコメントしており、前走も行きたがっていたため折り合い面には課題が残るもののポテンシャルの高さは見せているため今後の牝馬クラシック路線でも楽しみな存在です。



7着:ステルナティーア

戦前にスローペースしか経験していないため、ペースが上がるGIでどうか?前走のサウジアラビアRCの内容がラップ面からアルテミスSや赤松賞との比較で物足りない、とツイキャスでも述べていたのですが、今回は不利があったため非常に判断が難しい一戦となってしまいました。外傷を負っていたとのことですし、不利がありながらも7着まで来たと考えると悪い内容ではなかったとも思います。



8着:スタティスティクス

道中不利があり最後方グループになってしまいましたが、直線は大外に出して伸びていました。ただスタート後は促しながらもポジションを取れていなかったのでGIのマイルでは追走が厳しいのでないでしょうか。
距離が伸びて良いタイプに映りますし、これからの成長に期待したいです。



9着:アネゴハダ

直線ではウォーターナビレラ、ベルクレスタと一緒に伸びてきており、おっ…!?と思わせるシーンがありました。しかしラスト1Fで失速したことを考えると1400m以下がベストかもしれません。



13着:トーホウラビアン

離れた2番手だったとはいえ、前半速い→中盤緩んで馬群凝縮というのは差し有利な展開。前走のように楽に逃げられればまた穴をあけるかも…?



14着:ダークペイジ

トーホウラビアン同様に今回は差し有利な展開となり厳しいレースになりました。
過去2走を見てもスタートから失速し続ける前傾質のレースや、重い馬場に適性があると感じるため今回のレースは度外視して考えてもいいのではないでしょうか。条件替わりでの巻き返しも十分あると思います。




【来年の活躍を期待したい別路線組】

阪神JFに出走していない子のなかにも高いパフォーマンスを見せている2歳牝馬がいるため、来年の活躍を期待したい子として紹介させていただきます。

プレサージュリフト
前走:10/24 東京5R 新馬戦(芝1600m)1着
12.7-11.5-12.4-12.6-12.7-11.5-11.7-11.6

スタートは出遅れてしまったものの、スローペースのなか後方から上がり1位となる33.3を計時し2着に3馬身差をつける圧勝でした。このレースの上がり2位が34.7だったことからもこの子の末脚がいかに抜けていたかがわかります。スローペースとはいえ目測ですが最後まで減速のない走りですし、このレースの2着馬が次走も2着に好走、3着馬が次走で未勝利戦を勝ち上がっていることからもメンバーレベルが低かったわけではないと思いますし、今後が楽しみな一頭です。



ウィズグレイス
前走:11/28 東京4R 未勝戦戦(芝2000m)1着
12.6-11.3-11.5-11.6-12.2-11.9-11.6-11.0-12.0-12.8

このレースは逃げ切りでの勝利でしたが、2着に6馬身差+レコードでの圧勝。ペースが流れたとはいえ同日古馬混合2勝クラス&3勝クラスと0.1秒差の好タイムでの勝利でした。
新馬戦は出遅れてしまいスローペースで差し損ねてしまいましたが、今回のようにマイペースで運べれば非常に高いパフォーマンスを発揮できることがわかりましたし、この子も今後が楽しみです。



サリエラ
前走:11/28 東京6R 新馬戦(芝1800m)1着
13.5-11.6-12.2-12.3-12.1-11.6-10.7-11.3-11.9

サラキアやサリオスの妹でボクの推し馬ちゃんです、好き。
ウィズグレイス同様にこのレースも逃げ切りでの勝利でしたがラップが非常に優秀。ラスト4F目から11秒台に突入しラスト3F目で10秒台を刻むと最後まで11秒台を維持しての勝ち切り。サリエラのラスト4Fは45.5で、2歳時に東京芝1600m以上でラスト4F46.0を切ったのは過去10年で14頭しかおらず、ナミュール、イクイノックス、ジオグリフ、エフフォーリア、コントレイル、サリオス、リアアメリア、クロノジェネシス、グランアレグリアなどの活躍馬ばかり。
逃げ切りだったため控える競馬をした時にどうか?という不安はあるものの、今後が非常に楽しみな一頭です。



以上、阪神JFの回顧でした!
モチベーションにも繋がりますのでよかったらnoteのフォロースキもよろしくお願いします🍀

最後まで読んでくださりありがとうございました✨










(回顧楽しくて好き)


いつもボクの記事を読んでくださりありがとうございます! これからも根拠のある記事、面白い記事を作成していけるよう努力します!