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鋼鉄の叫び

⚠️注意…内容が戦争の話しになります。受け付けない人は読まないでください。

最近オーディブルで小説を聴きながら作業してます。会社の事務員に鈴木光司さんのリングを読んだら怖かったと聞いて、聴いてみたら、映画とは内容が幾分異なっていたのでおどろかされました。9時間くらいの朗読です。

これに味をしめた私は、続け様に「成瀬は天下をとりにいく」と「成瀬は信じた道をゆく」を聴きました。本屋大賞を取ったみたいな噂を聞いたので、どんな内容だろうと。

これも良かった。ああ、こうやって作家さんは皆んな執筆なさってるのか?と勉強になりました。で。

話しはここからになります。
リングの貞子がある特殊な病気にかかってる女性だと分かり、途中で聴きながら寝てしまったんですが、鈴木光司さんの執筆の仕方と世界観にハマってしまい、続けて「仄暗い…」「アイズ」「鋼鉄の叫び」と聴き入ってしまい続きが聴きたい!となっていきます。

今、聴いてるのが「鋼鉄の叫び」という難しい内容の小説です。第二次大戦末期の特攻隊員の話しです。
たくさん取材なさってると聴いてて非常に伝わってきます。

わたしは沖縄に親戚がたくさんいるし、おばあちゃんと父親や親戚の方や大学時代の教授から沖縄戦の話しをよく聞かされてました。沖縄戦は日本で唯一地上戦が行われた激戦地。

みなさんが思っている以上に悲惨な実情に思い知らされます。
ある日突然、やってきたアメリカ軍と日本軍。
県民皆殺しです。日本兵も←これ知っててください。
理性を無くした日本兵ほど怖いものはない。

鋼鉄の叫びに出てくる主人公の特攻隊長の中尉は、そういうタイプの人間ではない。片道分の燃料を携えて、志願して特攻隊員になってます。中には軍から死んでこいと無言の圧力で行かされた隊員もほとんどだったみたいです。まだ10代やそこらの年齢の子供です。

私は戦争のことは沖縄という地域で育っているため身近に感じていました。話しを聞かされてますから。わたしは物心ついていたかあまり記憶にありませんが、父親づてに聞いたものです。
おばあちゃんは、子だくさんだったため、子供7人を連れて那覇市内から北部の最北端の辺戸岬まで「徒歩」で逃げ回ったと言ってました。辺戸岬に着くと大勢の県民が来ていて、皆んなで固まって沖縄戦が終わる6月23日慰霊の日まで円陣を組むような形で身を潜めていたと言ってました。

那覇市内から辺戸岬にいく途中には夥しい死体の山があちこちにあり、喉の渇きから仕方なく死体から流れ出た血の混ざった地面の水を飲んで喉を潤していたと言ってました。

日本兵は沖縄県民に、お国のために戦え!と男性は強制して戦地に送り込ませます。そして、若い女性を強姦してモラルを無くした獣以下に成り果てて。広島でも同じ事をしてますね?日本兵は。女性に対して。
女学生の話しは有名ですが、傷ついた兵隊の看護に駆り出されて。板挟みです。米兵から日本兵から強姦の的です。
とくに酷いのは日本兵。
おばあちゃんから聞いた話しでは、女性へのあまりにも酷い仕打ちに敵であるアメリカ兵に助けられた人がいた。
追い込まれた女学生は、集団自決するために深い深い穴に飛び込んで死んでいきます。まだ10代の女の子たちがですよ。
辱めを受けるくらいならと死を選んでいったのです。

私が沖縄で生活していた頃も防空壕があちこちに点在していて、あの頃の生々しさを感じることができました。
防空壕の中には骨とかあります。そこだけ空気が違います。
ひんやりとしてて、寒気がします。そこにいた人たちの思いが残って自縛してます。

おばあちゃんはよく言ってたみたいです。
ナイチャー(本土の人)は嫌い。わたしは内地には絶対に行かない。
本土の人間は大嫌い。
わたしは沖縄産まれではないので、他の親戚の子たちと見る目が違っていたかもしれませんね。

鈴木光司さんの鋼鉄の叫びを聴きながら沖縄戦のことも触れられていますので思いだしたので。
特攻隊員はみな鹿児島から沖縄の嘉手納、宜野湾沖まで飛んでいったそうです。死にに行くために。10代、20代の男子たちが。捨て駒の扱いです。

沖縄の本島も離島も行くと分かりますが、海が透き通っていて綺麗です。しかし、その海の底に報われない命、魂が眠っています。慶良間諸島とか行くと分かりますがスキューバで有名ですけど、亡くなられた兵隊さんが大勢います。
慶良間諸島は兵隊さんの霊を目撃する人もいらっしゃいます。
夜の海にはあまり近づかないほうがいいかもしれません。

沖縄の本島の地面にはたくさんの人の流された血が染み込んでいます。空港に降りたときな大地にしっかりと足をつけて、軽く黙祷していただけるとありがたいです。

鈴木光司さんの鋼鉄の叫びは読み応え、聞き応えある作品で戦時中と現在との物語の関係性に驚かされます。

ちょっとだけ内容が暗くなってしまいましたが、沖縄ではこういうことがあったと思ってくださるとありがたく思います。

※ちなみに、おばあちゃんとおじいちゃんは、亡くなる前に東京見物して東京タワーに登ってます。人生一度きりでしたけど。
こっちの親戚のおじいちゃんは、縁があって昔から沖縄民謡が大好きでレコードをたくさん所有していたみたいです。わたしは知りませんが。

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