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僕がサッカー狂になったきっかけ

現在、EUROが大いなる盛り上がりを見せておりまして、僕も夢中になっておりますが
僕が熱狂的に愛しているコンテンツのひとつがサッカーです。

日本よりも海外サッカー、特にプレミアリーグを中心に見ておりまして
心のクラブはリヴァプールです。

今シーズン、カラバオカップ制覇時


ですが、時間を見つけてはリヴァプール以外の試合、さらにはブンデスリーガやセリエAといった他リーグも見ています。
お陰で週末はいつも寝不足です(笑)。

では、なぜそんなにサッカーが好きになったのか?
そこにはこんな歴史があります。


僕がサッカー好きになったきっかけ

今からちょうど10年前の2014年のことです。
この年、サッカー王国・ブラジルでちょうど20回目の節目となるワールドカップが開催されました。

親父がスポーツ好きで、サッカーも日本代表戦があればテレビで観戦していましたので、サッカーの存在自体はぼんやりとですが認識していました。

しかし、当時の僕のサッカーについての知識はそれだけ。

当時の日本代表の中心選手だった長谷部誠や本田圭佑らも知らなかったし、世界のトップを争っていたリオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドに至っては名前すら聞いたことがありませんでした。

極めつけは
ワールドカップが始まるまで僕はそんな大会があることすら知らなかったくらいです。

子供だったということを差し引いても、ヤバいですよね?
音楽に例えると、紅白歌合戦やミュージックステーションを知らないまま歌手になることを宣言しているようなものですから。
今例えば知り合いがこれくらいの知識レベルでワールドカップやEUROを見ようとしていたら、しっかりとサッカーの知識を授けます。

ですが当時、今とは比較にならないほどアルベルト・ザッケローニ監督が率いていた日本代表は人気と期待度が高く、大会の1か月くらい前から盛り上がっていて、初戦のコートジボワール戦が近づけば近づくほど、盛り上がりは最高潮に達していきました。

ブラジルワールドカップの日本対コートジボワールで感じた衝撃

そして大会が開幕し、いざコートジボワール戦。
この試合は学校が休みの日の午前10時から行われることもあり、それに乗せられる形でサッカー超絶スーパー初心者の僕もテレビの前に座りました。

その画面に映し出されたのは、僕の知っていたスポーツの範疇、スケールを遥かに超えてくるものでした。

試合前からもう優勝したかのように熱狂する数えきれないほどのスタンドのサポーター。
綺麗に整備されていたピッチ。
荘厳なFIFAアンセムが流れて、入場してくる熾烈な競争を勝ち抜いた選手たち。
国歌斉唱の際に選手、ベンチ、会場が生み出す一体感。

キックオフの笛が鳴るその前からもう、衝撃ですよ。

ちょうど相撲を見始めていたころですが、その会場とは比肩すべくもないほどの規模、熱狂度、迫力、雰囲気、すべてに圧倒されましたね。
こんな凄いものがこの世にあるのか、とそれはそれは驚嘆しました。
視聴開始からここまで10分経つか経たないかくらいでしたが、僕はサッカーに完全に恋していました。

そして、開始16分で本田圭佑の先制ゴール!!!
僕も歓喜しました。
その後も日本がペースを握っていたように見え、僕はこれで勝てると思いました。
日本がそのまま勝っていたら、最高のストーリーになるところですが…

後半に入るとガクンと運動量が落ちたのが当時の僕にさえ分かり
アフリカのカリスマ、ディディエ・ドログバを投入して攻勢を強めたコートジボワールにあっさりと逆転され、惨めな敗戦を喫しました。

この試合で、それまでサッカー以外でも日本のコンテンツしかほとんど見たことがなかった僕は、世界の強さ、厳しさを痛感させられました。
そして、子供ながらにこう思ったのです。

世界にはサッカーというボールを蹴って繋いでゴールを目指すだけのスポーツでも、こんなにうまく、強いヤツらがおるんだ。
世界ってすげえな。広いな。
もちろん、今はサッカーをそんな安直なスポーツだとは間違っても思いませんけどね。

逆にもし日本がこの試合で勝っていたら、日本って強いんだな、世界ってそれほどでもないな、と思い、Jリーグをメインで見るようになっていたかもしれません。
ある意味運命の分岐点ですね。

この大会の日本は次戦のギリシャ戦にスコアレスドロー、絶対に勝利が必要だった最終戦のコロンビア戦に1対4で完敗するなど不調で、大会から早々と姿を消したのは周知の通りです。

日本があえなく敗退して……!?

こんなにわかファンも日本の敗退と同時にサッカー愛が冷めたんじゃないかって?

いいえ、違うんです。

ハメス・ロドリゲス

ハメス・ロドリゲス、フアン・キンテーロ、ジャクソン・マルティネスにこれでもかと蹂躙されまくったコロンビア戦でまた世界の強さ、厳しさを思い知った僕は、僕なりに日本はどうすれば世界に対抗できるのか考えました。

そして捻り出した結論は、まずはファン、視聴者である僕が世界のサッカーを見て、何が強いのか、どうすれば食い下がれるのかを考えるというものでした。
小学生らしい、大胆不敵で傲岸不遜な答えですよね(笑)。
僕のような単なるひとりの市井のガキ(しかもサッカーについてほとんど無知)が世界のサッカーを研究しても何の足しにもならないと、今なら分かるのですが。

まあこんな理由をつけてはいますが、要するにもっともっとサッカーを見たかったのだと思います。
だから強豪国だらけの決勝トーナメントを知識ほぼゼロの状態で見られるだけ見ました。

忘れられないロッベンとあの惨劇

そこで目に焼き付いているのはふたつ。
ひとつ目はオランダのアリエン・ロッベンのあり得ないくらいのスピードのドリブル突破。
もうひとつはベタですが、いわゆるミネイロンの惨劇です。


アリエン・ロッベン

ひとつ目は、ロッベンのドリブルを見たことのある方ならもはや説明不要でしょう。
あの疾風怒濤、まるで相手の守備網だけでなく、メンタルまで破壊してしまうほどの驚異的なスピードの脅威的な突破。
目にも止まらぬほどの速さでも落ちないプレー精度にも目を見張りました。
これで幾度となくチャンスを演出したロッベンに魅せられました。

それを決めきるエースでありキャプテンのロビン・ファン・ペルシー。
ロッベンとは違い、正確なパスでこれまたチャンスを作るヴェスレイ・スナイデル。
控えながら、試合に出れば献身的に誰よりも走りまくり、それでいて表情ひとつ変えないディルク・カイト。
準々決勝のコスタリカ戦でPK戦のためだけに出場しながら、2本防いで勝利に導いたティム・クルル。

オランダには他にも好感を抱いた選手が多くいましたが、僕がこの大会で本当の意味で凄いなと思ったのはロッベンだけです。

この大会ではドイツが優勝し、ペップにインスパイアされたヨアヒム・レーヴ監督のポゼッションサッカーが大いに注目を集めましたが、僕のベストチームはロッベンがけん引したオランダです。

これでオランダを好きになった僕は、オランダがワールドカップやEUROに出場する度に日本とともに応援しています。
それにしても、今のオランダの攻撃陣は、この大会のロッベン、ファン・ペルシー、スナイデルとはもはや比べるべくもないですね。
いつか、ワールドカップでオランダと日本が再戦してほしいです!!!

ふたつ目はサッカーを何十年と見てきた人でも最もショッキングな試合に挙げるほどの衝撃をもたらした歴史的な試合ですね。
そんな人が衝撃を受けるのですから、僕のような初心者もショックを受けないはずがありません。

試合終了直後
歓喜に沸くドイツと
うなだれるブラジルのウィリアン



大会の中継を見てきて、ブラジルとドイツがずっと強豪国として君臨していたことをおぼろげながら知った頃にはもう準決勝でした。
そんな中で行われたこの試合。
素人ながらにハイレベルな接戦になると思いました。

しかし、結果はまさかの、誰も予想すらしていなかった1対7。

これまで数試合しか見てこなかった僕でさえ、大変なこと、あり得ないこと、起きてはいけないことが起きていることを強く感じました。

開催国で、次から次へとゴールを許し、呆然とするブラジルの選手たち、涙するサポーターの姿は信じられませんでしたし、子供ながらに見ていて非常に辛かったです。

特に5点を奪い、24分からの5分間で3点を次々と叩き込んだ前半のドイツはまさに悪魔でした。
もういいだろう、やりすぎだよと何度思ったことか。
こんなことがワールドカップの準決勝で起こるのかと衝撃的でした。

歴史的な試合を見られたという喜びよりも、こんなとんでもない展開になって唖然としていました。
この衝撃は、日本対コートジボワール戦を上回ると言ってもいいくらい強烈なものでした。

この記事を書くにあたって試合のハイライトを見直し、当時の記事を検索してみましたが
この試合を端的に表した言葉を見つけたので記しておきます。

ブラジルのボランチとして出場し、失点に絡むミスを犯してしまったフェルナンジーニョの試合後のインタビューです。

フェルナンジーニョ



「人生でこんなことは経験したことがない……。うん、初めてだ。言葉すらない。いったい何が悪かったのか、それすら分からないんだ。試合前の雰囲気はいつもと同じだったんだけど……。信じられないことって、本当に起こるものなんだな」

ブラジルで、いまだに惨劇として語り継がれているのもよくわかります。

このドイツの無慈悲なほどの強さは僕の意識下に強烈に刻み込まれ、最近ドイツが低迷していた時期も、ワールドカップで日本が対戦すると決まった時には絶対勝てないなと思ったものです。

サッカーの残酷さを嫌というほどに思い知らされました。
でもだからこそ、僕はこの試合でより一層サッカーに惹きつけられたのかも知れません。
この試合は今でも忘れられません。

ワールドカップで魅せられたが、その後……

その後、僕は普段のサッカーの配信が有料放送がメインということもあり、決して裕福とは言えない家計を考慮して、入れてくれとは言えませんでした。
だからサッカーからはこの後1回離れました。

しかし、サッカーの面白さと残酷さを忘れたわけではありません。
EURO2016、次のロシアワールドカップも大いに堪能させてもらいました。
クラブシーンに進出したのは大学に入学し、支払い能力を得たつい最近のことです。
ではなぜリヴァプールのファンになったのか?
ロシアワールドカップが人生を変えた?
そのあたりの話は別の機会にしましょう。

今回は僕がサッカーというスポーツに最初に魅せられた瞬間を書いてきました。
皆さんがサッカー自体に魅せられたのはいつか、教えていただけると嬉しいです。

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