見出し画像

【LAD】投手大谷の今季復活に関して

現地9月12日、LA Times のBill Plaschkeが投手大谷をポストシーズンで復活させることについて進言され以下の反応を示しました。

(原文)
“I wouldn’t say no way ... I’m not going to close the door 100%,”
(筆者訳)
あり得ないとは言わない。100%可能性を否定するつもりはない。

https://www.latimes.com/sports/dodgers/story/2024-09-12/shohei-ohtani-dodgers-playoff-relief-pitching



また、現地9月13日の対ブレーブス戦の前、ラジオのインタビュー
このようなコメントを残しました。

(原文)
"I just think, like anything, I think that you should always leave some margin, a crack in the door, for any possibility, right? If things line up, and there's a need, and the game, his body, everything is telling us that it makes sense in that situation — great.

(筆者訳)
なんでもそうだけど、可能性は残しておくべきだよね。物事が上手くいき、試合があり、彼の状態が良好で。すべてのことが投手大谷を求め、可能にしてくれるならそれはGreatだ。

https://x.com/MLBNetworkRadio/status/1834669634454536610

これらのコメントを受けてMLB界隈(アメリカでも日本でも)では今季中の投手大谷の復帰が一斉に報道され、ちょっとした騒ぎになっています。

そこで今回はこの可能性について探ってみたいと思います。


スケジュール

・手術の回復期間


大谷はトミージョン + インターナルブレース手術を受けたとされています。通常のTJ手術とは異なり、インターナルブレースを併用すると回復期間が縮まるとされています。
通常のTJ手術の回復期間が12~18ヶ月とされているので、ざっくり8割くらいと仮定すれば10~14ヶ月となります。また大谷は今回が2回目の肘手術なので、回復期間には余裕を持たせるべきでしょう。
大谷が手術を受けたのが昨年の9月なので、現在は手術を受けて12ヶ月目です。

・チームのスケジュール


投手大谷の復活を望んでいる人はおそらくポストシーズン、それもある程度勝ち進んだ段階でのリリーフ登板を想定していると思われます。そうすると、時期はスケジュール的に10月後半となります。

以上を踏まえると投手大谷は手術から13ヶ月後での復帰となります。10~14ヶ月の回復期間から余裕を持たせることを考慮すると、ジャストタイミングか少し早過ぎくらいになります。

大谷翔平はドジャース投手陣の救世主となるか

結論から言うと"絶対ない"というより"するべきでない"です。

ドジャースの先発投手陣は非常に危機的な状況にあります。グラスナウ、ストーンと100イニング以上投げた投手が故障。健康なビューラー、ミラーは大不振に陥り、ポストシーズンでの先発は任せられません。また、ナック、ロブレスキーは実力不足が否めません。

先発1 山本
先発2 フラハティー
先発3 ???
先発4 ???

故障: グラスナウ、ストーン
大不振: ミラー、ビューラー
若手: ナック、ロブレスキー、カスパリウス
リハビリ中: ゴンソリン

先発投手陣からの高パフォーマンスはほとんど期待できないため、山本とフラハティ―の登板日以外は超強力打線のパワーで相手投手陣を押し切る必要があります。

大谷翔平は8月24日に手術後最初のブルペン投球を行いました。The AthleticのFabian Ardayaによれば打者に対することを開始するまでには未だ数週間かかるようです。これは即ち大谷翔平は実戦登板をする段階にはないということです。

この状態で「ショウヘイ、勝ち進んだら登板をするから覚悟してくれ」と伝えれば非常に真面目な大谷の事ですから頭の半分は投球に行くに決まっています。
相手投手陣を押し切る必要があるときにMV3の一角をなす大谷の頭を登板に割くべきではありません。打撃に全集中するべきです。
チームのスーパースターが機能しなかったときの悲惨さは過去3年間のベッツ、フリーマン、トレイ・ターナーでもう十分です。

また、故障者に期待を寄せるべきではないことをドジャースファンなら知っています。2022年は病み上がりのブレイク・トライネンに託しパドレスにリードを広げられ、23年は球速が下がっているカーショーにGame 1先発を託し防御率162.00にしてしまいました。

更には大谷自身の身体の状態も考慮する必要があります。前述の通り現在の投手大谷は100%の状態には遠く及びません。その状態でこのあと9年6億3000万ドルの契約が残っている大谷を登板させるのは、それこそ今年の野戦病院の再来につながりかねません。

長くなったのでまとめると、

投手大谷の復活はするべきではない
理由1: 投手陣が死んでいるので打者大谷に集中するべき
理由2: 病み上がり投手に依存するとロクなことがない
理由3: 将来的な怪我のリスクを大きくするべきではない

ということです。以上!

ヘッダー画像


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?