【LAD】帰ってきたカーショーとドジャースのロースター事情
我らがエースが帰ってきました。
日本時間2月7日、ドジャースはクレイトン・カーショーと基本1年+25年プレイヤーオプション付きで契約合意したと様々な媒体が報じました。
1番早かったのはニューヨークの2人(ShermanとHeyman)ですかね。
近年引退の噂が絶えなかったカーショーが戻ってきてくれたのはファンとしても非常にうれしいです。
クレイトン・カーショー
現在35歳のカーショー。2006年ドラフトにおいて全体7位でドジャースに指名され2008年にメジャーデビュー。サイヤング賞3回、MVP1回、オールスター10回出場、投手三冠1回と輝かしい実績を持っています。
そのキャリアはドジャース一筋。16年間のキャリアで425先発、2712.2回を投げ防御率は驚異の2.48(ちなみに今年ALサイヤングのコールが2.63)、
210勝92敗、2944奪三振、積み上げたrWARは79.9。
将来の一発殿堂入りが確実視されているドジャースレジェンドです。
投手カーショー
選手としてのカーショーはスライダー、フォーシーム、カーブで投球を組み立てます。カーショーの"Cooperstown Curve"は界隈では非常に有名です。
打者の左右にかかわらず安定すれば次々と打者を斬っていきます。
ライトなファンの方はカーショーと言えばカーブのイメージがあるかもしれませんが、今のカーショーはスライダー投手です。投球の43.4%がスライダーです。
カーショーのスライダーは平均球速86.5マイルと、フォーシームの90.7マイルと近く、同じ場所に投げることで打者をだますことができ、空振りを奪います。次の映像を見るとスライダーとフォーシームの見分けが途中までつかないと思います。
近年のカーショー
そんなレジェンド投手ももうすぐ36歳になるということで、体にも限界が来ているようです。近年はファストボールの球速低下が顕著で、2023年の後半にはかろうじて90マイルを記録するレベルまで落ち込みました。
また、怪我も増えてきており、
2021年: 左ひじ炎症
2022年: 背中痛
2023年: 左肩の違和感
毎年のように故障離脱しており、この3年間で平均120イニング程度しか投げれていません。毎年のように引退話が噴出し、2023年の終わりには手術をうけたことから、流石に引退ではないかという話も出ました。
一方で健康なカーショーは全盛期そのものの投球を見せていて、オールスターは過去2年選出、イニング数を超える三振を奪うなど支配力も未だ維持しています。最近はチェンジアップの研究を行うなど更なる進化も見せてくれそうな投手です。
カーショーとはほとんど関係ないお話
今オフのドジャースは40人枠を空けるのに非常に苦労しました。枠空けを目的にしたと思われるトレードだけで2,3件あります。そこで、少しメジャーのロースター制度に関するお話を。そんなの興味ないんだよと言う方はnoteの"スキ"、フォロー、またX(twitter)のフォローだけお願いします。
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40-manとは?
さて、メジャーの試合に出場するにはまず40-man(40人枠)に登録される必要があります。国際FAやドラフトで球団組織に入った選手は、先ずマイナー契約を結び、40-manに登録されることを目指してマイナーでプレーします。
この40-manですが文字通り40人の制限があります。これ以上登録することはできません。
トレードによる枠空け
オフが始まって1か月たった頃、ドジャースの40-manに登録された選手は40人いました。一杯です。そこに大谷翔平とジョー・ケリーの契約報道が入りました。さぁどうするか。枠を空ければいいですね。ドジャースは以下のトレードを成立させました。
40-man登録済みを2人ヤンキースに放出することで枠を空けることができました。
さてそこから半月後、今度はトレードによって選手を獲得しました。
今回のトレードでは40-man登録済みの選手同士を交換したのでロースター整理は必要ありませんでした。さて次の契約はどうでしょう。
DFAによる枠空け
皆さんご存じのように2023年末にドジャースは山本由伸との契約に至りました。もちろん山本由伸はNPBの選手ですから40-man登録外です。さぁどうしましょう。
先ほどはヤンキースとのトレードを成立させてロースターを空けることができました。しかし今回はトレードに応じてくれるチームがいないようです。
仕方ありません。DFAしかありません。
DFAとはDesignated for Assignmentの略で、google直訳すると
"任務に指定された"と言う意味になります。では"任務"とは何か。
DFAされた選手は次の7日間以内に以下の状態になります
・ウェイバー公示: 申し出た球団がこの選手を獲得できる
・トレード申請: 他球団とのトレードが成立した場合
上記2つが成立しなかった場合、選手は40-man外でのマイナー契約で球団に残ります。(一定条件を満たせば球団外にも出れる)
つまりDFAとは「あなたを放出するかマイナーに落としますよ。そしてその過程で40-manからは外しますよ」という手続きになります。
日本メディアの報道で"事実上"戦力外と言われますが、DFAは選手を字球団組織内マイナーに残すという選択肢が残されているので、"事実上"がつくのだと思われます。
今回は40-manに登録されているブライアン・ハドソンをDFAすることで、40-manにいる選手を減らし、山本由伸を40-manに登録しました。
故障者リストを活用した枠空け
勘の良い人は気になったかもしれませんが40人、投手野手で半分に割れば20人ずつですが、これでは到底長いシーズンを戦い抜くには選手が足りません。例えばトミージョン手術なんて受けられた日にはロースター枠が長くて2年間無駄になってしまいます。そこで設けられた制度が故障者リスト(IL)です。
故障者リストには2種類あり、10,15-day ILと60-day ILがあります。それぞれ故障者リストに登録される最低日数が決まっています。そのうち60-day ILは故障選手を40-manから外すことができます。また、選手を60-day ILに登録するのはスプリングトレーニング開始と同時に行うことができます。
このことを頭に入れた上で、最近のドジャースの動きを見てみましょう。
現在ドジャースの40-manには40人が登録されています。一杯です。
一方で故障者の状況を見てみると、トニー・ゴンソリン、ダスティン・メイ、ニック・フラッソーの3人が長期離脱が確定しています。
また、報道によると救援投手のライアン・ブレイジャーとクレイトン・カーショーの契約が合意したとされています。
ドジャースはおそらくスプリングトレーニングの開始と同時に離脱確定の3選手を故障者リストに登録し、40-manの枠を空けた上で、ブレイジャーとカーショーの契約を正式発表すると思われます。そうすれば選手のトレードやリリースを踏まずに選手を追加することができます。
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