表題の通り、自分的名シーンを記していきます。
島民が勝手にアルバムを作っているとでも思ってください。よろしければ一緒に振り返りませんか?
「あの印象的なやり取りって何話だっけかな」と思い起こすのにも役に立つかもしれません。
BEYOND最終話のネタバレを含みますので、楽しみにされている方はご注意ください。
いきなり激烈にヘヴィなシーンからですが、翔子の咆哮、一騎と総士の無力感、容子の絶望、残されたパイロットたちの恐怖。何もかもがつらく悲しい。何度見ても涙なしには見られません。
数々のイベントで総士のノースリーブ黒ベストをいじり倒されたせいですっかりおもしろシーンになってしまいましたが、この総士の突き放した言葉が、一騎が島を離れ、世界を知るきっかけをつくりました。
翔子が島を去り、甲洋が同化されたあとに挟まれる日常のシーン。パイロットになることが定められた子どもたちは、ありふれた夢を叶えることができません。ですが、広登はすばらしい島のスターになり、島の外をジャーナルにするという立派な仕事をやりました。
Bパートでは広登がテレビ出演を果たしますが、この短い「愛!」から、EXOでたくさんの番組が作られ、イベントFINAL FESではオープニングステージとして佐々木望さんが見事に歌い上げました。広登は島民にとって紛れもないアイドルです。
一騎が島に帰る理由のひとつとなる大事なやりとりです。一騎は闘い続けた代償として様々なものを失い、その代わりに絶大な力を得ます。人としての多くの機能を失いながらも、傍には、一騎はたくさん変わったけど、変わらない部分があると信じてくれる真矢がいて、いつも心を配ってくれました。
総士、だから真矢に怒られてばっかりなんだよ?わかってる?と言いたくなるモノローグは、ぜひ10話と11話でセットにして愉しみたいものです。一作目前半〜中半あたりまでの、総士の不器用さと身勝手さは醍醐味というか、そうでなくっちゃと思わざるをえません。
この時点で”総士→→→→→→→→→←一騎”だったベクトルは、HAEにおいてお互いに求め合っていることが示され、対等になったと思われます。EXOにおいては、クロッシングによってお互いを感情を知り尽くしたうえに、二人の人格的な成熟も重なったため、熟年ふうふのような関係に成熟しています(個人の意見)。
総士の身勝手さと、真矢の何でも見透かしたような物言いが顕著に現れたシーンです。一騎にわかってもらえているという幻想を抱く総士が、真矢に一喝されて逆上します。真矢も、総士も(不器用ながら)一騎のことを慈しみ大切にしているからこそ生じたやり取りです。
第12話より。まるで子どもが駄々をこねているかのような総士の3コンボ。こういう未成熟な子どもっぽいシーンが大好きです。
大人たちを一喝する真矢。真矢はBYDまで怒ってばかりです。これほどストレートに怒られると大人たちも気づくものがあるかもしれません。あるいは、大人たちは真矢が指摘したような一騎の気持ちに気づいていながらも、兵士として活用しなければならないという葛藤を抱えていたとも考えられます。
一騎はこの先の話数で、「自分が何処にもいなくなること、誰かに忘れられること」が怖いと吐露します。史彦や総士にはアッサリ”積極的な自己否定”と理解されてしまいしたが、その恐怖にいち早く気づき、寄り添ってくれたのは真矢でした。
量産型のファフナーに乗ってフェストゥムを殲滅する映像を見ただけで一騎とわかる総士。ちょっとキモい さすがシステム搭乗者ですね。史彦の「何!」にも含みを感じます。
膠着していたCDCの空気を換える役割を担うのは、飄々としていて部隊の指揮官としては不真面目に見えた溝口さんでした。生真面目な史彦と、力んだ史彦のことをほぐしてくれる溝口の関係は、見ていてほっとします。
真矢にはいつも小言を言われちゃいますね。
一騎は、ひとつになりたいという総士の願望から逃れるため、総士を傷つけました。その記憶は一騎のなかで封印されていました。おそらく精神的な衝撃の強さゆえに、封印せざるをえなかったのだと思われます。一騎は総士に悪いことをしたから消えてしまえばいい。でも消えてしまうのは怖い。一騎の自己否定の背景には、一騎自身が侵食される恐怖に対して抵抗した結果総士を傷つけてしまい、傷つけたという事実だけが歪曲された状態で記憶に残り、自己否定につながっていたのでした。
史彦が話した「積極的な自己否定の先にあるのは、絶対的な肯定」という言葉の背景には、肯定の気持ちを隠そうとするから否定が生じるという、補償作用があるという旨の意味があると思われます。肯定を覆い隠すためにはさらに強い否定のエネルギーが必要です。本当にエネルギーがない場合、否定も肯定も生じないかもしれません。総士を傷つけた記憶のどこかに「自分は正しいことをやった」という肯定の思いがあったからこそ、それを封印するための自己否定をしていたのだと思います。
この時、竜宮島に一騎を導く役目を担ったのは真矢でした。対比的に、BYD最終話、竜宮島の外に真矢を誘うのは一騎です。真矢の役割は、一騎が帰ってくる場所を整えること(一騎が島の外にいる間、色んな人にいっぱい怒りました。それは一重に一騎が帰ってきたときに同じことが起こらないように)です。BYDでは、最後に一騎の誘いを断るのは、真矢には一騎が帰る場所を守る務めを果たしたいという願いがあるからでした。
Part2(ep16~ep26)に続く…