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お任せオペに心震える

今日はシャワーを浴びることができ、初めて鏡で自分の体を見た。

男性のマネキンだな。

そう思った。

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もともと貧乳なため、あっても無くても然程バランスは悪くない。

それでも見慣れたものが無く、ツルンとしているのは妙なものである。

さらには傷口を見て教授の本気度にも気がついた。

その方法が当たり前のことなのかもしれない。

選択肢も知らない。

だが、本気と感じたのだ。

▪️

入院する前には手術の方法について3度話しがあった。

全く同じ内容のものを3回。

「胸は女性のシンボルだから」と教授の気遣いは半端ではなかった。

だが自分、そのどれも却下。

将来のリスクを最小限にお願いしていたのだ。

もちろん部分摘出や、再建の話などもしてくださった。

でもそれらの全てに自分はNOなのだ。

全部取るの一択だった。

▪️

その気持ちを最大限に汲んでくれたと感じたのは、癌の上からメスを入れていたこと。

当然傷口は体の正面に残る。

手術の方法についての打ち合わせはしていなかったものの、自分の希望は将来にあることを教授がしっかりと受け止めてくれ、脇腹から傷跡を隠すような手術はしなかったのだ。
(と、勝手に思っている)

自分が見た目にこだわっていれば、その通りの手術をしてくれたと思う。

だが自分は将来にこだわった。

脇腹から行けばトンネルを潜り、癌までの距離が長くなる。

そうすればリスクは残る。

完全に除去するには癌の上からだろう。

美容は要らないのだ。

しかも誰が見るわけでもないしだな。

▪️

見た目より命が大切だ。

自分にはまだ子供たちがいる。

命さえあれば何でもできるよな。

目覚めた時には、まだ生きていていいのであれば、精一杯生きようと改めて思ったのだった。

▪️

検査の結果は4月にならなければ分からない。

教授、この先もよろしくお願いいたします。

次回は「特殊」の意味を聞いてみよう。

教授が何度も「特殊」と言っていたのが引っかかっているのだ。

教授曰く
だらしがないのだとか。

癌も自分に似るのか…

まぁ、結果が出れば全て明らかになる。

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