お任せオペに心震える
今日はシャワーを浴びることができ、初めて鏡で自分の体を見た。
男性のマネキンだな。
そう思った。
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もともと貧乳なため、あっても無くても然程バランスは悪くない。
それでも見慣れたものが無く、ツルンとしているのは妙なものである。
さらには傷口を見て教授の本気度にも気がついた。
その方法が当たり前のことなのかもしれない。
選択肢も知らない。
だが、本気と感じたのだ。
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入院する前には手術の方法について3度話しがあった。
全く同じ内容のものを3回。
「胸は女性のシンボルだから」と教授の気遣いは半端ではなかった。
だが自分、そのどれも却下。
将来のリスクを最小限にお願いしていたのだ。
もちろん部分摘出や、再建の話などもしてくださった。
でもそれらの全てに自分はNOなのだ。
全部取るの一択だった。
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その気持ちを最大限に汲んでくれたと感じたのは、癌の上からメスを入れていたこと。
当然傷口は体の正面に残る。
手術の方法についての打ち合わせはしていなかったものの、自分の希望は将来にあることを教授がしっかりと受け止めてくれ、脇腹から傷跡を隠すような手術はしなかったのだ。
(と、勝手に思っている)
自分が見た目にこだわっていれば、その通りの手術をしてくれたと思う。
だが自分は将来にこだわった。
脇腹から行けばトンネルを潜り、癌までの距離が長くなる。
そうすればリスクは残る。
完全に除去するには癌の上からだろう。
美容は要らないのだ。
しかも誰が見るわけでもないしだな。
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見た目より命が大切だ。
自分にはまだ子供たちがいる。
命さえあれば何でもできるよな。
目覚めた時には、まだ生きていていいのであれば、精一杯生きようと改めて思ったのだった。
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検査の結果は4月にならなければ分からない。
教授、この先もよろしくお願いいたします。
次回は「特殊」の意味を聞いてみよう。
教授が何度も「特殊」と言っていたのが引っかかっているのだ。
教授曰く
だらしがないのだとか。
癌も自分に似るのか…
まぁ、結果が出れば全て明らかになる。
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